日銀が金融緩和を見送ったところからのこの急激な円高、たまりませんね。
ポートフォリオの7割近くが米国株の私は、円高ドル安の影響をもろに受けます。

アメリカ政府は米国大企業の業績を気にかけてドル安を進めたい思惑があるらしく、黒田日銀総裁に追加緩和しないように圧力をかけただのといった、まことしやかな噂もあります。

日経新聞によると、アメリカが為替分析の監視対象に日本を含めたとの報道がありました。
これで週明けさらに円高が進むリスクがあるみたいです。

年初の楽天新春講演会で、モルガンスタンレーの佐々木融さんが2016年は110円を目指すと仰っていました。
まあアナリストの言う事なんてそう簡単に当たらないだろうと勝手に思っていましたが、2016年の半分も過ぎないうちに、あっという間に110円どころか105円に届きそうです。

さて、前回の記事で書いたのですが、今狙っているETFがあります。
ブラックロックのiシェアーズ・コア米国高配当ETF(HDV)です。

そういう意味では円高は歓迎です。
高くなった円でガツンとこのHDVを買ってやろうと思っています。

HDV自体は過去最高値付近にあり割安とは言えない水準ですが、円貨ベースだと円高のおかげで、やや安値圏にあるように見えます。

HDV購入のためにドルが必要です。
日銀の金融政策が読めないので、金融政策決定会合の前後に分けて、いわゆるナンピン買いでドルを買うことにしました。

金融政策決定会合前に、1ドル111円で15万円分のドルを購入。
金融政策決定会合後に、1ドル108円で15万円分のドルを購入。
平均購入単価は1ドル109円50銭。

そして、今現在(2016年5月1日)1ドル106円35銭。
109円からさらに3円も円高に進んでるし!
ナンピン買いした意味あったのかorz

為替の動きなんて素人の私に読める訳はないので、仕方ないと諦めていますが。

外国株を保有している人にとって、円高は不利に働きます。
株式時価の円換算額が目減りするからです。

しかし、サラリーマンとして考えると円高は毎月頂くお給料の価値が相対的に高まるということで円高はお得とも言えます。
もちろん名目賃金が変わるわけではないので、その実感は薄い人が大半だと思いますが。

  人的資本をオンバランス

ファイナンスの世界では、個人が持つ財産は金融資本と人的資本とに分けて考えることがあります。

金融資本はわかりやすいですね、現金・預金・株式などの時価総額です。
要するにいくら貯金があるかということです。

人的資本はザックリいうと、将来に稼ぐ生涯賃金です。
それを現在価値に割り引く必要がありますが。

これは、私の直近3月末のバランスシートです。(単位:円)

資産の部 負債・純資産の部
現預金等 1,663,823 カード債務 105,096
株式等 12,916,127 奨学金債務 1,084,866
退職給付 700,000 繰延税金負債 301,721
負債合計 1,491,683
評価差額金 1,004,623
自己資本 12,783,644
純資産 13,788,267
資産合計 15,279,950 負債純資産合計 15,279,950

資産として計上しているのは金融資本のみです。

通常、人的資本をバランスシートに載せることはしません。

では、敢えて人的資本を計算してバランスシートを作成しています。

ざっくり計算します。
今30歳として、60歳まで30年間毎年700万円の年収で退職金は2,500万円と仮定。
割引率は5%とします。

人的資本=700/1.05+700/(1.05)^2+700/(1.05)^3・・・+(700+2,500)/(1.05)^30
=11,338万円

私の人的資本の金額は、1億1338万円でした。

これをバランスシートに載せるとこうなります。

資産の部 負債・純資産の部
現預金等 1,663,823 カード債務 105,096
株式等 12,916,127 奨学金債務 1,084,866
退職給付 700,000 繰延税金負債 301,721
人的資本 113,800,000
負債合計 1,491,683
評価差額金 1,004,623
自己資本 126,583,644
純資産 127,588,267
資産合計 129,079,950 負債純資産合計 129,079,950

金融資本も1,000万円以上あり世間一般的には年の割には持っている方だと自覚しています。

ですが、それでも圧倒的に人的資本の価値の方が大きいことが一目瞭然です。

そして、この人的資本は円建て資産なのです。
なぜなら、私は海外駐在でもしない限り、今勤めている会社から円でお給料を貰うからです。

ぱっと見ではアメリカ株を大量に保有している私の資産は、円高ドル安に弱く見えますが、目に見えない人的資本を考慮すると円高はプラス要因です。

 円高の今は仕事を頑張る時!

円高の時は名目のお給料の金額は変わらなくても、その経済価値は高まっています。

同じ30万円でも1ドル120円の時は2,500ドルしか買えないのに、1ドル100円になれば3,000ドル買えるわけです。

円高に進んでいる今こそ、仕事をいつも以上に頑張って円建てでなるべくたくさんお給料をもらい、それでドルを買うべしです!

仕事を頑張ったところですぐに給料が上がるほど世の中甘くはありませんが、管理職でなければ残業代という短期的に稼ぐ手段があります。
だらだら残業して残業代を稼ぐのは精神的によろしくないのでお勧めしませんが、しっかり仕事をしたのであれば堂々と請求したほうがいいです。

4月、5月は決算で比較的残業が多い月でよかったです。
普段より少し多めに頂けるお給料でドルを買い増します。
そして、そのドルで念願のHDVを買いたいです!

6月のボーナスの時まで円高が継続してくれるとさらに嬉しいところです。
ボーナスで買いたいものが、服でも家電でも彼女へのプレゼントでもなく米国ETFというのは私くらいでしょうか(笑)。

資産運用をしていると円高は敬遠されがちです。
日本株も輸出株を中心に下がりますし、外国株も円貨が下がるので。

ただ、長期で考えると円高時は仕込み時です。

円高は相対的な円の価値が高くなっているわけですから、なるべく無駄な出費は控えてアメリカ株にガンガン投資をしていきたいところです。

きっと、長期的には報われる、、はずです。