私はポートフォリオの20%をETFにしていますが、メイン商品がブラックロックのHDVです。超大型高配当株に投資するETFで、経費率も安く気に入っています。HDVは四半期毎に(3月、6月、9月、12月)銘柄変更をします。HDVに投資していなくても、銘柄入替の内容は投資判断の参考になる面もあると思います。

2019年3月15日に今年1回目のHDV銘柄入替が実施されたので、その内容を共有します。

主な追加銘柄 ()内は構成比率
JPモルガン・チェース(7.1%)
テキサスインスツルメンツ(2.0%)
USバンコープ(1.5%)

主な除外銘柄 ()内は構成比率
アルトリア・グループ(4.2%)
ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(1.8%)

サプライズ!、ではありませんが、ついに米タバコ大手のアルトリアグループ(MO)がHDVを解雇されました。なぜサプライズではないかと言えば、昨年6月に米国外タバコ大手のフィリップモリス・インターナショナル(PM)がHDVを去っていたからです。なんとなく予感していたけど、ついにMOも排除されてしまったか。 これでHDVからタバコ銘柄が完全に消えました。つい1年前はHDV構成銘柄の7%がタバコ銘柄(PMとMO)だったのに。

今回アルトリアが除外された理由は利回り低下ではありません。現在アルトリアの配当利回りは5.7%もあります。利回りではなく、ビジネス的な理由から除外されています。つまり、配当が安全ではないという理由です。

HDVはただ高配当なことを以って構成銘柄を選抜しているわけではありません。”Security Selection”という抽出フローがあります。ビジネスに強い競争優位があり、かつ財務が安全であることが条件です。この条件を満たす優良企業の中から、配当利回りが高い銘柄をスクリーニングしています。

フィリップモリス(PM)もアルトリア(MO)も”Security Selection”から漏れました。果たして、21世紀もタバコ株は高いリターンをもたらすのでしょうか。個別株でPMにもMOにも結構な額を投資している私にとって、そこは大きな関心事です。HDVから漏れた以上、タバコ株にアプローチするには個別株で持ち続けるしかありません。不安は消えませんが、引き続きタバコ会社への投資を続けるつもりです。

あと、ブリストルマイヤーズスクイブ(BMY)も除外されました。これはちょっと意外やな。ファイザーやメルクと並ぶ歴史ある製薬大手です。がん免疫治療薬の「オプジーボ」を持っています。最近、セルジーンを買収すると発表しました。その財務負担を懸念して外したのかな。個人的にはちょっと残念。

追加銘柄もインパクトがあります。HDVと言えば金融銘柄が少ないのが特徴の一つでしたが、今回金融セクターが大きく増えました。JPモルガンチェース(JPM)とUSバンコープ(USB)が追加となりました。

米国債(10年)の利回りは昨日2.4%台まで下がりました。2年債と10年債の利回りはほぼ同等。逆イールドまでカウントダウンが始まっています。てか、期間によってはすでに逆イールドです。

このような時期に金融銘柄を大幅に追加してきたHDVの判断には驚きます。逆張り戦略でしょうか。まるでバフェットみたいです。どういう経緯なのか気になります。まあ、個別株で銀行株を買う気にはあまりなれないので、HDVで少しアプローチするのはいいかな。JPM、USBという選択肢もgood。優良金融銘柄です。

今回は除外も新規も結構大きく動いた印象です。こういった大きな銘柄変更がHDVの投資リターンにプラスなのかマイナスなのか、そこはよくわからないところ。まあ優良大企業に厳選してるのは不変だから、安心感はあります。

HDV構成銘柄とセクター構成(2019年3月)

個別株との重複が良い感じで解消されてきたな。

以下はセクター構成割合。

アルトリア抜けたものの、依然として生活必需品セクターの割合は14%あります。金融が11%と急増。このタイミングで金融を増やしてくるとは、HDVもなかなかアグレッシブだな。真似できんわ。がんばれHDV。