トランプ大統領は、今年のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)を欠席するみたいですね。国内政治を優先するためです。
ダボス会議ではこの10年ほど毎年、”Global 100 Most Sustainable Corporations(世界でもっとも持続可能な企業100社)”なるランキングを公表しています。カナダのCorporate Knights という会社が選定しています。世界中6000社以上の財務データや他定性的情報から、持続可能性の高い企業を選んでいます。
2018年の同ランキング上位100企業の中から、欧米日の企業を中心にいくつかピックしてみたいと思います。
順位 | 国 | 会社名 |
7位 | 米国 | シスコシステムズ |
9位 | ドイツ | シーメンス |
12位 | 米国 | エンブリッジ |
13位 | 米国 | メルク |
17位 | ドイツ | BMW |
20位 | 米国 | アラガン |
21位 | 日本 | HONDA |
22位 | フランス | サノフィ |
23位 | 米国 | マコーミック |
26位 | 米国 | インテル |
37位 | 米国 | イーライリリー |
44位 | 日本 | 武田薬品工業 |
50位 | スイス | ネスレ |
53位 | 英国 | グラクソ・スミス・クライン |
61位 | 英国 | ディアジオ |
64位 | スイス | ノバルティス |
68位 | 日本 | 日産 |
74位 | 台湾 | 台湾セミコンダクター |
81位 | 米国 | ゼネラル・エレクトリック |
92位 | 米国 | ジョンソン&ジョンソン |
これらが持続可能性が高い企業と見られているそうです。製薬企業が多い印象がです。コカ・コーラやプロクター&ギャンブルといった消費財ブランドは少ないですね。あ、ネスレが50位にいるな。
こういうランキングには常に顔を出すジョンソン&ジョンソンと言えば、やっぱりちゃんとランクインしてます(92位)。
長期投資家として、このランキングが銘柄選びの参考になるかと言えば、うーんどうだろう。これが直接、銘柄選びに影響することは正直言ってないかな。どういう基準で選んでいるのかよくわからんし。
ただ、「持続可能な企業はどれだろうか?」という視点自体はとても重要だと思います。華やかな利益成長を続けそうな銘柄よりも、持続可能性が高そうな銘柄を重視したいです。
企業自体の持続可能性ももちろん重要だけど(倒産すれば株券は紙切れになる)、やっぱ気になるのは収益性、利益です。今高収益を上げている企業が、今後30年50年と変わらず筋肉質なPLを維持できるのか。より具体的に言えば、高いROEを維持できるのか。
ROE20%をこれから50年維持できる銘柄。そんな銘柄を選んでじっとホールドしていれば(できれば配当は再投資)、株主は十分報われると思います。S&P500指数を超えるリターンを達成できる可能性もあります。でも50年後のことなんて誰もわからない。コカ・コーラが存続している保証もない。アップルやアマゾンは50年後も元気に活躍しているのか。
どれだけ考えても将来が不確実なことは変わらないです。でもリスクリスクと言い続けていたら、何も決断できなくなります。リスクなきところにリターンなし。50年後も(高収益なまま)存続していると期待できる銘柄を、左脳(数字)と右脳(想像力)をフルに使って選ぶしかありません。
右脳を使う前に先ずは左脳を使った方が効率的です。過去の数字をしっかり見るということです。過去50年存続してきた企業は今後50年も存続する蓋然性が高いです。
ただし、それも絶対ではないです。創業100年超の企業が破綻することだってあり得ます。あと、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)などの大手ハイテク企業は50年も社歴がありません。だからといって、鼻っからGAFAを投資対象から除外するのは損な気もします。
過去の数字チェックは必須。でも、やっぱり投資は未来に賭けることだから、未来に対する想像力が大事なのかな。未来を想像をする時、「どれだけ成長するか」よりも「どれくらい(高収益のまま)存続するか」という視点の方が大切なのかなって思います。
人々は50年後もiPhoneを手放すことなく身に付けて生活しているのか。仮にiPhone以外のデバイスに取って代わられるとしても、アップルはそのエコシステムを活用して高収益を上げ続けているか。・・・う~ん、わからん。やっぱ最後は「えいや」で投資するしかないってことか。
GEがJ&Jより上なのが面白いですね
今GEに勇気を出したものは10年後英雄になっているのでしょうかね
GE意外ですよね。
製薬はまだわかりますが、自動車メーカーが上位に多いのも意外でした。
選出基準はよくわかりませんが。
このランキング以外にフォーブスなんかも似たようなランキング出してたと記憶してますが、
はっきり言ってエンタメとして見るには良いけど投資判断の参考にするのはやめたほうが良い、
むしろ参考にするのは害があると思います。
例えば鉄腕アトムの書かれた時代の未来予想と2019年現在を比べてみれば分かるのですが
全然実現していません!つまりそれと同じようなものだと思うのです。
ここでランキングされているように、企業が将来も持続できるか予測するよりも
現時点で取れる情報から危なそうな会社や自分の投資方針に合わない会社を外して
考えていくというほうが良いと思うのですがどうでしょうか。
同感です。直接、投資判断に使うのはないですね。
製薬と自動車があまりに上位に多い気がします。ちょっと恣意性を感じます。
企業が将来持続できるか自分なりに考えること自体は大切と思ってますが、このランキングをそのまま信用するのは危険ですね。
やはり、判断のベースは過去の数字が第一です。
売上高、利益、配当、ROEといった数字で確認するのが最重要。
とは言え、未来は過去の延長とは限らないので、最後は想像力も必要とは思います。
未来予想って当たりませんよね。
長期的な未来予想って技術革新のスピードをポジティブに考え過ぎです。
実際、社会はそんな急激に変わりません。特に日本は。
有名コンサル出身の研修講師が「2025年には自動運転車が日本で普通に走っているはず」と言っていたのですが、私は信じていません。