複利の資産運用とはスノーボールを転がすかのよう

雪玉(スノーボール)を転がす様子が、複利での資産運用のたとえに使われることがありますよね。これ、上手いなって思います。スノーボールを転がしてドンドン大きくなっていく様が目に浮かびます。大きくなるほど地面との接地面積も大きくなるので、複利のたとえとして適格です。バフェットの自伝本に『スノーボール』という書籍もあります(本人が書いた本ではないが)。

スノーボールを転がすように資産を増やせると理想ですね。現実は年率7%~10%で安定して増えることはなく、増えたり減ったりを繰り返すので、スノーボールのように順調に大きくなるわけではありませんけどね。けどまあ、イメージとしては長期投資はスノーボールを転がす感じだと思います。好きなたとえです。

ただ転がすだけで雪玉が大きくなれば楽なんですが、最初は準備が必要です。雪玉を用意しなくちゃいけません。あまりに小さな雪玉を転がしても、地面の雪を付着させるだけではなかなか大きくなりません。そこで、最初は労力をかけて雪をかき集めて雪玉を作る必要があります。なるべく早めに、そこそこ大きな雪玉を作り上げるこることが大切です。転がしながらでいいので。てか、転がしながらの方がいいです。

最初は節約を重ねて種銭を用意する必要がありますが、爪に火を点すような生活をずっと続けるのはなかなかしんどいです。グッと一時的に頑張る期間を設けても良いかもしれません。んで、一定金額まで到達したら、スノーボールが壊れない程度に生活水準を上げても問題はないと思います。

では、その「一定金額」とはいくらなのか。どれくらいの大きさのスノーボールを作ればいいのか? 一度スノーボールが出来上がれば、後は無理して自分で雪をかき集めなくても惰性で転がすだけでドンドン大きくなってくれます。

どこまで自力でスノーボールを大きくすべきか

目標とするスノーボールの大きさは人それぞれで構わないですが、私は労働収入からの年間投資額相当を資本自体が稼いでくれる水準までスノーボールが大きくなれば、後は転がすだけでもいいかなと考えています。

たとえば、月5万円積み立て投資をしているとします。年間の投資額は60万円です。限られた給料から年60万円を投資に回すのは簡単なことではありません。給料はちょうど使い切るくらいの金額に設定されているものですから。その年60万円という金額を株式自体が稼いでくれる状態になれば、それは立派なスノーボールと言えるのではないでしょうか。後は無理して自分で雪を集めなくても、のんびり転がすだけでも良さそうです。

60万円を稼ぐにはどれくらい資本が必要でしょうか。益回り6%とすればちょうど1000万円です。資産額として4桁の1000万円が目標にされがちですが、不労収入で月5万円のフローが得られるという意味で1000万円を捉えるとまた違った景色が見えませんか。月5万って学生時代にバイトでそんだけ稼ぐの超大変でしたよ。それを自動で生み出してくれるのが1000万円という資本、スノーボールです。ちなみに、現代の経済環境では6%の利回りは債券では無理です。株式を前提にしています。

人生は有限。ずーっと節約して給料を切り詰めて、入金を続けて資本蓄積ばかりしていてもつまらないです。無分別に生活水準を上げるのはオススメしませんが、どこかで節約&貯蓄マインドをちょっと緩めて、ストレスフリーにお金を使い始めた方がいいかなと個人的には思います。

その目安として、毎年の投資額(入金額)を上回る期待利益を生み出すくらいの資本額はどうでしょうか。という持論の紹介です。

生活費を基準に考えるのもありですね。毎年の生活費を超える利益を生み出すまで資本を蓄積するとか。まあ、色んな考えがあると思います。

私は、自力の投資額を超える利益を生み出すまで雪をかき集めてスノーボールを作るという発想が気に入っています。それを目標としています。なぜかというと、かなり感情論で恐縮なんですが、サラリーからの入金を超える利益を保有株が生み出すと、もはや毎月種銭を確保して投資に回す意義を見失ってくるからです。相対的な入金力の低下です。その感じがいいんです。ああ、もう節約して金貯めて投資してもしゃーないなあ。後はこのスノーボールが勝手に転がって大きくなってくれるか。そう思えます。

ちなみに、私は今の自分の給与収入だと、無理すれば毎月30万円くらい投資に回せます。でも、それは結構な節約が前提です。多少は好きにお金を使いながら投資を続けるとなると、毎月の入金は20万円くらいかなと思います。そうなると、年間240万円。それを6%で割り戻すると4000万円。

私にとっての「スノーボール」の大きさは4000万円くらいかな。そこまでは頑張りたい。その後は、サラリーからの入金はせずに(配当は再投資するけど)、スノーボールが勝手に転がっていくのを眺めるだけでもいいかもなって思います。んで、労働で得た収入は好きに使う。

とか何とか言いつつ、結局「スノーボール」が出来上がっても、余ったお金があれば投資を続けている可能性が高そうですけどね。好きなんで、投資のこと考えるのが。まあ気持ちの問題です。もう入金はしなくていいやと思えるところまで来れば、住居などの生活水準をもう一段上げたいです。と言っても、贅沢な生活は性に合わないので、せいぜい風呂トイレ別のちょっと広い家に住めれば十分です(基準が低い・・)。