7月11日、アメリカS&P500指数が終値ベースで1年5か月ぶりに最高値を更新しました。
ブレグジット英国EU離脱で、一時5%近く下げましたがそこから一気に巻き返して最高値更新となりました。
ウォールストリートジャーナルによると、1年以上高値を更新しないまま横ばいが続いたケースは稀であり、こうしたケースでは最高値を更新した後はその後も上昇し続けるケースが多いとのこと。
平均して約20%上昇するとのこと。
強気相場が続くという見通しのようです。
一方バロンズはブレグジットによる収益下落に関してもう少し警戒すべきだと言っています。
現在のS&P500指数の予想PER16.7倍は低下する債券利回りのと比べるとかなり魅力的な水準に見えるかもしれないが、ブレグジットに起因する欧州向け売上減少による利益減を織り込めば、株式はそこまで割安とは言えないとのこと。
と有力紙の意見は真っ二つです。
要するに未来はわからないということ。
アメリカ株式市場は熱気とは程遠いものの、最高値更新というハッピーなニュースでした。
でも日本人投資家は、円高影響でそれほど利益は出ていないはず。
日本人アメリカ株投資家にとって、ドル円の為替相場は短期的に大きく損益をブレさせるやっかいな要素です。
円建て商品でも為替リスクはある
為替リスクに関する当然のお話し。
あなたが保有している外国株式指数連動の商品は、それが円建てのインデックスファンドや国内ETFであっても為替リスクは負っています。
見た目は円評価ですが、株価変動ではなく為替変動も反映した円貨で評価されています。
だから、S&P500指数連動の国内ETFを持っている人がいたとして、前日のNY市場でS&P500指数が1%上昇しても円が1%以上強くなれば、結局そのETFの株価は下がります。
円建ての国内商品を買ったからって為替リスクから逃れられるなんて、そんな都合のいい話あるわけない。
原資産がドル建ての米国株やユーロ建ての欧州株であれば、ドルやユーロの為替影響を受けます。
これは外国株に投資している方にとってはあまりに当然なことか、失礼しました。
長期株式投資をするうえでアメリカ株は避けて通れない。
日本株だけで、ましてや日本株インデックス投資のみで長期投資とか恐ろしすぎます。
アメリカ株は長期でしっかり株主に報いてくれる可能性が高いです。
アメリカでは企業は株主のものであり、経営者は株主利益を向上させるための施策を怠らないからです。
日本人投資家がアメリカ株に投資する時の悩みは為替。
ドル円の為替リスクを負うことは避けられません。
アメリカ株には為替リスクを負うだけの価値があると私は確信しています。
円建ての評価がすべてである
外国株に投資している人で、「円建てだと含み損だがドル建てだと利益だ、世界の基軸通貨であるドルで損益は評価すべきだ!」
とか言っている情弱な奴がまれにいます。
この発言は99%の日本人投資家にとって正しくない発言です。
日本人投資家は、投資損益はすべからく円建てで評価すべき。
なぜなら、99%の日本人は投資で稼いだお金を円で使うから。
今ドル建てやユーロ建て、ポンド建ての資産であっても、いつか必ず円転して日本で使いますよね。
六本木や麻布十番の洒落たバーでもドル札は受け取ってくれません。
日本で生活するためには日本円が必要です。
将来、日本円で消費するのだから、投資評価も日本円で行わないと意味はない。
ドルが世界の基軸通貨だからドル建てで投資評価すべき、という発言は全く意味不明で合理的ではありません。
ドルで投資評価してもいい残り1%の人とは、将来ニューヨークやシカゴに移住する計画を立てている人だけ。
将来はドルで消費するという素敵な計画を持っている人は、むしろドルで評価すべき。
要するに、将来自分が使う通貨で評価すべきということです。
円建て国内ETFでアメリカ株に投資している人がいて、将来シンガポールに移住する計画があるなら円でもドルでもなくシンガポールドルで資産評価すべき。
中国に移住する予定があるなら、人民元で評価すべき
株価の上昇下落による損益と為替による損益を区別する理由はありません。
税務上も為替分のみを区分して、譲渡所得ではなく雑所得にするとかいう規定はなかったはず。
あなたが日本で老後を過ごす予定なら、投資評価は円建てで行いましょう。
ドル建てで利益だけど円建てで損失ならそれは間違いなく損失です。
損は損、諦めましょう。
円で使うのなら、円で利益を出さないとその投資は失敗です。