急に大金を稼いだ人が感じるらしい「フワフワした感じ」の正体

ブルゾンちえみの人気に火がついたのって何年前でしたっけ。4年くらい前でしょうか。時が経つのが早過ぎます。かつて「キャリア・ウーマン」のネタが流行りましたね。

芸人の世界はほとんどの人が夢破れて稼げずに去っていくことになりますが、当たればデカいです。ハイリスク・ハイリターン。月収1万円で爪に火を点す生活をしていた人が、突然年収3000万円になる世界です。

ブルゾンちえみさんもさぞ大金を稼いだことでしょう。確かドラマにも出演してましたよね。見てませんけど。今もご活躍なのでしょうか。最近はほとんどテレビ観ないのでわかりません。

かなり前ですが、ブルゾンちえみがテレビでこんなことを言ってました。

「急にたくさんのお金をもらって、いいマンションに住めるようになって、なんかフワフワした感じがします。」

このフワフワした感じって、お金持ちになった人が覚える感覚みたいです。前も誰かが本に書いてました。ブログだったかな。忘れました。私はそんなお金持ちじゃないので実感したことはありませんが、このフワフワした感じの正体は何なのか自分なりに考えてみたことがあります。

急に大金をもらって感じるフワフワ感、それは謙虚さと罪悪感と違和感が混ざったようなものです。自分はそんな大金をもらえるような仕事はできていないに、こんなタワマンに住んでワイン飲みながら夜景を眺めていいのか。罰が当たるんじゃないか。ってな感じなんじゃないかなと思います。推測ですが。

詐欺でも働いてない限り、お金を貰えるということはそれ相応の価値を社会に提供しているはずです。ブルゾンちえみは「キャリア・ウーマン」というネタを披露することで、お茶の間や子どもたちに笑いを提供しました。人は感情の生き物です。笑う、笑顔にするという感情を生み出すことができる、質の高いお笑いはすごく価値の高い仕事だと思います。そうやって大衆の注目を集めることで、結果として広告主にプロモーションの場を提供できます。芸人の収入源はテレビであろうとYouTubeであろうと、その出所の大半は企業の広告予算でしょう。

お笑い芸人や歌手は何か物を作って、それを売って収入を得ているわけではありません。物を介さずに直接、お客さんに感動を与えています。強いて言うなら、声を通じて波動という空気の揺れを起こして、それが付加価値を生み出しています。

あと、顧客が不特定多数というのも価値を感じづらいことの一因です。レバレッジの効いた仕事の宿命ですね、これは。

物理的なモノを一切介していない、特定の顧客ではなくテレビを通した全国の視聴者に小さな価値を与えている、という2点のせいで、価値の高い仕事をしていてもそれを実感しづらいんだと思います。

「え、、私なんかが1億円ももらっていいんですか？」って思っちゃうんだろうなと。それだけ価値のある大きな仕事をしたのに、なんか実感がない。ただ人前で芸をしただけ、好きな曲を歌っただけ、それだけでこんな大金をもらっていいんだろうかと罪悪感に近いものを感じるのかなと推測します。特にブルゾンさんみたいに真面目な人は余計にそうなんじゃないでしょうか。

んで、そのお金で高級車や高級マンションなどを買うと、余計にそのフワフワ感が増すのでしょう。自分はただ芸をしただけで有形の物を生み出したわけではないのに、それで稼いだお金で有形の高価で豪華な物を買うからです。

つまり、情報の世界で稼いだお金を物理の世界で使うと違和感を感じるのでは、ということです。

この逆はあまりないと思うんですよ。物理の世界で稼いだお金を情報の世界で使うことは少ないと思います。なぜなら、物理の世界ではそんなに稼げないからです。あとそもそも物理界の住人は情報の世界に興味がないことが多いです。物理の世界で稼いだお金は物理の世界の中でグルグル回るのが基本。

一方で、情報世界のマネーは往々にして物理世界に降りてきます。今まで売れない下積みで汚く狭いアパートに住んでたんだから、せっかく売れて稼げたならお洒落で綺麗なマンションに住みたいと思いますよね。衣食住という生活の基本部分のクオリティを上げるということです。

「自分なんかが六本木のタワマンに住む資格があるんだろうか？そんな価値を社会に提供できた自信はないけど、、」という不安な思いが、フワフワした感じの正体ではないかと思います。

私もこのフワフワした感じを経験してみたいものです。まあ、無理かなｗ。そんな大金を稼げる可能性のあるビジネスなんてやってないですし。

あ、でもね、たまに似た感覚になることはありますよ。たとえば、ブログ収入を3万円頂いてそれでちょっと高い焼肉食べた時とか。3万円の焼肉食べれるほどの仕事した気はしないなあ、ただ好き放題記事を書いただけだし、、という感覚です。ただ、人気に火がついたお笑い芸人やアーティストみたいに億単位のお金では当然ないので、フワフワ感は非常に小さなものです。