一体俺は何のために節約を頑張って株式投資を続けているのだろうか・・。
株式投資を続けて仮に一億円貯まっても、その財産全部残してあの世に逝ったら意味ないよな・・。

こういう投資の意義、投資の出口戦略の悩みって結構多いんじゃないかと思います。「俺って何のためにコツコツ投資を続けてるんだろう~」ってふと考える時ありませんか?

60歳で1億円の株式資産を築き上げたとしても、運悪くその翌年あの世に逝っちゃう可能性だってあります。一寸先は闇。人生何があるかわかりません。アメリカにロナルド・リードさんという方がいらっしゃいました。もう亡くなられてますが、逝去された時点で10億円以上の株式資産をお持ちだったようです。

先に言っておきますが、僕はこの出口戦略の悩みに対する絶対的なソリューションは提供できません。「価値観は人それぞれですね」っていう有り体なことしか言えません。ただ、前々から思っていたことがあって、それをお伝えしたいなと思い今回記事を書きました。

その前々から思っていたこととは、投資の出口戦略の悩みというものは株式投資に限らず、資本所得を得るすべての者にとっての共通の悩みだということです。別に株式だけじゃないです。資本を生み出す器をどう処分するのかというのは資本家共通のイシューです。

資本所得とは半自動化された収入のことです。株式はただ保有しているだけで配当が入金されますから、間違いなく資本所得です。不動産賃貸や太陽光発電も資本所得の範疇だと考えています。

資本所得を作るとは、キャッシュ製造マシンを作るということです。ボンボンボンっと毎日あなたのために紙幣を刷ってくれるキャッシュ製造マシンがあったら夢のようですよね。株式投資を続けるってそんな夢のような黄金マシンを作ることに等しいです。不動産投資もそうです。アフィリエイトサイト構築だってそうです。

株式に限らず資本を生み出す黄金マシンを作り上げた者は、人生の終盤でマシンそのものを売却すべきか否かという問題にぶち当たります。

あなたが都内に賃貸用1Rマンションを持っていて毎月10万円の賃貸収入があるとします。マンションを持ち続ければ働かなくても毎月10万円、毎年120万円の賃貸収入があります。憧れの不労所得なわけですが、あなたはマンションを死ぬまで一生持ち続けますか?

どこかのタイミングでマンションを売却しないと損だと思いませんか?

年間収入が120万円としたら、例えば5%で割り引けばその不動産の時価は2400万円にもなります。もしマンションを売却すれば、一括で2400万円ものお金が手に入ります。そんな価値あるマンションを残してあの世に逝くのはもったい無いと思いませんか?どうせならマンション売って2400万円を好きなことに散財して人生楽しみまくった方がいいと思いませんか?

あなたが毎月10万円の収入があるアフィリエイトサイトを持っているとします。ちょっとメンテするだけで、安定した収入があるとします。このサイト、サーバー上に放置したままあの世に逝っちゃいますか?いつかはサイトを第3者に売却して現金化した方が良いという発想もあると思いませんか。

アフィリエイトサイトを売却するって実際にある話です。属人的なブログでは困難でしょうが、時代普遍的な内容で安定したキャッシュフローがあるサイトは実際に値段が付きます。株式のように公開市場はないですが、マーケットは存在します。

 

 

結局、株式に限らず不動産でもアフィリエイトサイトでもYouTube動画でも、資本収入を生み出すマシン自体をどう処分すべきかというのは、資本家共通の悩みだと言えます。努力して黄金のキャッシュ製造マシンを作ったはいいけど、そのマシン自体の後始末をどうしようかな?って悩みですね。

この悩みを解消する万人向けのソリューションはないです。子どもがいる人は子どもに相続するというのが妥当な解決策になるかもしれません。子どもがおらず、かつ他に相続したい人もいなければ、やはりどこかのタイミングでキャッシュ製造マシン(資本)を売り払った方がいいのでしょうかね・・。

ただ当たり前ですが、キャッシュ製造マシン(資本)を一度処分してしまったら、今後はあなたの元に自動でキャッシュが降ってくることはありません。その代わり、マシンの売却代金が一括して手元に転がり込んできます。

結局、資本は自分の死後に得るであろうキャッシュフローも加味してマーケットで評価されるので、相続しないなら生きている内に資本自体を(キャッシュ製造マシン自体を)売却した方が経済的にはお得だと思います。そうは言うものの、人生が終わるタイミングなんて事前には分からないから、資本の処分には躊躇してしまうのが現実なのでしょう。30年コツコツ築き上げた株式資産を処分するのはなんだか寂しいな、という感情も判断に介入するかもしれません。

キャッシュ製造マシンを処分せずに、一生自分の横に置いておくのもありでしょう。冒頭で紹介したロナルド・リードさんのように。そんな売却価値のある資本を持ったまま亡くなるなんてもったい無いと周りからは思われるかもしれませんが、本人が満足ならそれでいいんじゃないでしょうか。

あらゆる資本の中でも、株式がもっとも悩ましい存在です。株式はマーケットで常に時価評価されています。配当という名のキャッシュ製造マシンの値段がいつも目の前に表示されています。また、時間の経過とともに価値が劣化しない(むしろ良化する)ので、なるべく長期間保有しておきたいという誘惑にも駆られます。株式はいつでも時価で売却できる環境があるけど、なるべく早期では処分したくないと思っちゃう優良資産です。

相続を想定していない場合、株式投資の出口戦略って難しいですよね。私はまだどうするか決めれていません。もしかしたら、多額の株式資産を残してこの世を去る日がいつか来るかもしれないなと思うこともあります。相続したい相手が今後できるかもしれません。まあ、あまり真剣に考えていないというのが本音です。まだ30だし・・。

労働収入の源泉(つまり自分自身)は60歳か65歳あたりで定年を迎えることで勝手に消え失せます。でも資本収入の源泉は、自分で処分しないと勝手には消えません。資本を生み出す器(=キャッシュ製造マシン)をどう処分するのか、そもそも処分するのかしないのか、労働者にはない資本家だけの贅沢な悩みですね。