デフレ懸念が去った今、問題なのは、どの時点で今度はインフレ懸念が台頭し、債券利回り上昇が株の悪材料になるかだ。
ひとつの答えは、FRBが景気抑制に乗り出すとみられる水準に利回りが達する時だ。そうなると利回り上昇はもはや利益の増加を意味せず、割引率の拡大に伴うバリュエーションへの打撃を補えなくなる。
経済的観点で言えば、これは債券が「中立金利」(低い失業率と安定したインフレ率が両立するレベル)より高い金利を織り込んでいることを意味する。その原因は、インフレが手に負えなくなるか、FRBが過ちを犯したかだ。
ウォールストリートジャーナルより
「インフレが手に負えなくなるか、FRBが過ちを犯したかだ」。
う~ん、この表現には違和感。。
手に負えないくらいインフレが進んでしまうこと自体がFRBの過ちだと思います。
結局、すべてはFRB次第です。企業は経済のコントロールなんてできせん。てかしません。常にアクセル全開で収益最大化を目指しているのが民間企業です。経済の過熱具合をコントロールできるのは唯一FRBのみです。
1970年代、米国のインフレ率は年率5%~10%と高かったです。これについて、元FRB議長のイエレン氏はFRBの金融政策の誤りが招いたものだと議長就任時に語っていました。1970年代の失策を繰り返さないことが大切だと語っておられました。
FRBが政策を誤ると過度なインフレが起こります。でもだからってFRBを責めるわけにもいきません。望んで高インフレにしているわけじゃありません。当時あった統計資料からできる最善の判断を行った結果、高インフレを招いてしまいました。
今後もそのリスクはゼロじゃありません。FRBは現代はニューエコノミーだと考えているようで、経済が過熱せずかつ物価も安定する金利水準(俗に言う中立金利)を3%弱と見積もっています。ちなみに、1970年代の政策金利は10%を超えている時もありました。リーマンショック直前の政策金利は5%ほどでした。
今後はかつてのような高い金利水準にはならないようです。
低金利はニューノーマル?
どうでしょうか。
答えは「神のみぞ知る」です。
もしかしたら3%は低過ぎで、これから1970年代のような高インフレ時代が再来するかもしれません。可能性は低いですがゼロではありません。それは株式投資家にとって大きな心配事です。インフレ率が高まる時は株式のパフォーマンスは冴えないことが多いですから。
ですが、長期で見れば株式は常にインフレを乗り越えてきました。
FRBも人間ですから完璧はありません。誰だって判断ミスはあります。これから5年、10年の間に予想以上にインフレ率が高まってしまうことがあるかもしれませんが、株式投資家は過度に悲観的にならず株を持ち続けることが大切です。
こんにちは
FRBも大変ですよね。そもそも適切なインフレ率は何パーセントなのか?先にそれを決めてFRBは利上げ回数を定めないといけないという興味深い記事が先日WSJに記載されていました。読後なるほどねぇ、と。イエレンさんはある意味恵まれた時期に議長をしていたのでしょうね。パウエルさん不憫ですよね、就任日にウォール街から圧力かけられるように株価は下がるわ、今後低金利で膨れ上がった株価をバブルにしないようにうまく利上げをして着地点をみつけないといけないなど。。
最近債券の勉強もできて今の市場はとても楽しいです、僕のブルーチップ達は憐れなことになってますがね笑。まぁ弱気相場になれば全く違った景色になると確信してます。それより色々なブログ覗いていると折角積み上げてきたであろうディフェンシブをぶん投げてハイテク買っている人たちを見かけますが、今じゃないだろう!!と叫びたいです。そんな僕は余剰金をXOMに捧げました。10年後が楽しみです。
こんばんは。
はい、私もその記事読みましたよ!
インフレターゲットが2%のままでいいのかという議論ですね。
難し過ぎですよね・・。
そもそもインフレターゲットが設けられたのは2012年で結構最近のことです。
まだ十分な検証期間はありません。そんな状態でインフレターゲットを変えるべきか否かって言われても・・。
まあFRB幹部クラスになればいくらでも議論は出来るのでしょうけど。
答えはありませんから。
結局、人々の金離れを最大限よくしつつ、でも物価上昇で社会が混乱しないインフレ率ということでしょうけど。
2%も3%でもどっちでも良さそうに見えます、素人的には。
イエレンさんはとてもいいタイミングで議長になれましたよね。
アナリストたちの評価も高いようです。
ただ退任直後にリーマンショックが発生したグリーンスパン氏の例もありますから、結果は分かりません。
とりあえず「お疲れ様でした」と言いたいです(笑)。
FRB議長なんてとてもじゃないですがカネと名誉に対する欲求だけでやれるもんじゃないと思います。
自分の時間すべてを米国民に捧げる、くらいの想いがないと務まらないと思います。
まさにノーブレスオブリージェ。頭が下がります。
>余剰金をXOMに捧げました。
エネルギー株はさすがに売られ過ぎの感がありますね。
私も先日77ドルでXOM買いました。
同じく10年後楽しみです。
仮に過度なインフレが起こった場合、今持ってる株式の株価も上昇してセーフ!みたいにはならないんですか?その辺よく分からないんですよね
優良企業の株式であれば、基本的に長期ではインフレに勝つと思って頂いて大丈夫だと思います。
実際『株式投資の未来』で高いリターンを残した企業は、一見インフレに追いつきにくいディフェンシブ銘柄が多かったです。
いかに消費者に対して強い価格交渉力を持っているかということです。
典型的な”強い企業”はアップル、ウォルトディズニー、アマゾンなどです。
これらの企業はガンガン値上げしてます。
かつて高インフレを招いたのは1970年代ようにFRBがミスをした時代を除けば戦時です。
戦費を調達するために国債を発行するとどうしてもインフレを招きます。
そのインフレ期間は株式のパフォーマンスは軟調になることが多かったです。
しかし、数年~10年ほど遅れて株価がグングン伸びて結局S&P500指数はインフレに追いつきました。
現代は残念ながら戦争はなくなっていませんが、国庫が底をつくような戦争はないでしょう(米国では)。
FRBがよほどのミスを犯さない限り、異常な高インフレになるリスクは小さいと思っています。