新ポートフォリオの予想年間配当

コロナ禍の暴落をきっかけにいくつか銘柄入替を実施しました。

割高だなあと買いそびれていたマイクロソフト(MSFT)、アボット・ラボラトリーズ(ABT)に投資。低調な株価(業績)や減配に耐えきれずIBM、ウェルズファーゴ(WFC)を売却。最近、ロッキード・マーチン(LMT)を新たに加えました。

そんなこんなで、現在のポートフォリオはこんな感じ。

保有株の時価は約2,800万円。先日、各銘柄の年間配当を計算してみました。

今年はもしかしたら100万円行けるかなあと期待していましたが、高配当株を減らして、ハイテク株中心に低配当株を増やしたので、90万円弱に留まります。100万円は来年にお預けになりそうです。

新ポートフォリオの予想年間利益

さて、株式投資において現金が手元に入る配当は嬉しいもんですが(少なくとも私にとっては)、より注目すべきは利益です。

いくら高配当でも、利益いっぱいいっぱいで配当を出しているようだと心もとないです。配当利回りが低いのは配当性向が低いだけで、増配余地を大きく残している可能性があります。あるいは配当ではなく自社株買いで株主に報いているかもしれません。

大事なのはDPSよりEPS、配当利回りよりも益回り。企業が稼いだ利益が配当ないしキャピタルゲインとして私たち株主の利益になります。

そこで保有銘柄の予想利益を算出してみました。コロナ禍の影響をなるべく除くために、今期ではなく翌期の予想利益(予想益回り)を使用しました。益回りとはPERの逆数です。たとえば、アップルの予想PERは34.4倍なので、益回りは2.9%(1 / 34.4)となります。

ではどうぞ。

ポートフォリオ全体の予想利益は162万円。利回りは5.7%という結果。最近、株価はだいぶ上がってきましたでのこんなもんでしょう。

上にも書きましたが、アップルの予想益回りは2.9%しかありません。そこから導き出せる予想利益は8.8万円。

私はアップル株で200万円以上のキャピタルゲインを享受していますが、それはあくまで将来の利益を先取りしているだけです。今後1年間のアップル社の事業活動が生み出す利益のうち私に帰属するのは僅か8.8万円の見込みです。

この小さな利益をコツコツと積み上げていくのが長期投資です。この利益の積み上げが200万円のキャピタルゲインに追い付く必要があります。つまり、アップルにはしっかりEPSを伸ばしてもらわないと困るということ。

いまアップル株はノリに乗っていて、年初からの上昇率は84%にもなります。その結果、今期の予想PERは40倍(益回り2.5%)、翌期の予想PERは34倍(益回り2.9%)という、数年前では考えられないような数字になっています。

ここが難しいところ。確かにモメンタムを考えればアップル株はまだ上がりそうです。しかし、利回りは3%を割って2%台なんです。NY市場で時価総額最大の超巨大企業の株を、利回り2%台で買って果たして長期で高いリターンはあるでしょうか。

今日ヤフーニュースで見たんですが、今の高校生は実に8割が毎日YouTubeを見ているそうです。しかも1時間以上も。恐らくスマホで見ているのでしょう。可処分時間をアップル、アルファベットが浸食しています。

このトレンドは今後も続くでしょうから、アップルのEPSも成長していくと思います。が、2%台という低い益回りを許容できるでしょうか。難しい判断ポイントだと思います。

アップルの話はこの辺で。

逆に益回りが高い銘柄としてはタバコ会社のアルトリアグループ(MO)があります。たばこという衰退産業を営んでいることを反映しています。フィリップモリス(PM)の益回りは7%台でMOほどではありませんね。MOの方がハイリスクだとマーケットに認識されています。

最近追加したロッキード・マーチン(LMT)の益回りは6.8%と結構高めです。つまりPERが低めってことです。

株価上昇は素直に嬉しいけど、長期的には利益(EPS)がすべて。

債券の利回りを見るのは常識ですが、株式では意識しないことが多いと思いませんか。株式でも、自分がどれくらいの利回りの銘柄に投資しているのか知ることは重要だと思います。

S&P500指数も史上最高値を更新しましたし、あなたの保有株もかなり利益が乗ってきたのではないでしょうか。株価が上がって資産時価が増えると嬉しいですよね。

ただ、たまには一歩引いた目線でポートフォリオの利益(EPS)、益回りを意識してみることも大切かなと思います。短期的にはPER上昇で株価は2倍にも3倍にもなり得ますが、私たち長期投資家にとって大事なのはPERよりもEPSです。