今日は銀座に用事があったので、帰りに久しぶりに日本橋の丸善に行ってきました。コロナで自宅での読書時間が長くなったからなのか、なんとレジは係員が誘導するほどの行列でしたよ。

ぷらぷら歩いていると新刊コーナーのとある本が目にとまりました。

投資を勉強し始めた20代の頃から通貨、お金の本質とは何かということに興味があり、色んな本を読んできました。MMT(現代貨幣理論)の是非も、現代社会におけるお金とは何かという議論と深く関係しています。

コロナ禍で財政政策に注目が集まる中、MMTをきちんと理解したい気持ちもさらに強まっていたところです。MMT提唱者による書籍で、しかもニューヨークタイムズベストセラーということで、タイトル買いしちゃいました。

地元駅のスタバで読もうと思ったら満席だったので、隣のドトールに行って読んでました。色々ありましたがようやく今月から同棲を始めたのですが、やっぱ一人でカフェ読書してる時間は幸せですー。こういう時間は意地でも毎週確保したい。

今日買ったばかりなのでまだ第1章しか読んでないのですが、そこにMMTの本質をズバリ指摘した文章があったので紹介したく。

次章のテーマであるインフレーションは重大な脅威だ。改めて明確にしておくと、MMTはすべての制約を撤廃せよ、と主張しているわけではない。ひたすら大盤振る舞いすればよい、と言ってはいない。重要なのは財政収支ばかりにこだわる現行のアプローチを、経済の実物的制約を尊重しつつ、国民への恩恵を優先するアプローチに転換することだ。

(中略)

アメリカは実物資源に恵まれた国だ。先進的技術、高い教育を受けた労働力、工場、機械設備、肥沃な土壌、そして豊富な天然資源。私たちには重要な資源がたっぷりある。あらゆる国民に豊かな生活をもたらす経済の実現は可能だ。必要なのは、実物資源を適正に管理することだ。

『財政赤字の神話』第1章より抜粋

まさにMMTの本質を説明しているなと思いました。特に前段終わり「経済の実物的制約を尊重しつつ、国民への恩恵を優先するアプローチ」と、後段終わり「実物資源を適正に管理」というところ。

私も同じ理解。MMTって金融の話じゃないです。実物資源をどううまく社会に配分するかが議論の本質だと思います。まあ、それこそが金融とも言えますが。

テクノロジーの進化もあって社会が豊かになったことで、私たちは社会にある豊富な供給力を生かし切れていない可能性が高いです。その大きな原因の一つが、政府の財政赤字に対する過剰な拒否反応ではないか。家計の赤字と政府の赤字は同じではありません。

こういう本がアメリカでベストセラーになるとは、いよいよ世間の考え方も変わってくるかもしれません。コロナ禍が推進した面もありますね。

2020年代は株式投資家が繁栄する素晴らしい10年になるのではないか、と私は密かに期待しています。この本を読んでその期待がさらに高まりそうです(←確証バイアスw)。第2章以降が楽しみです。