人間とは本質的に怠け者です。怠惰な生き物です。

私も怠け者です。今日も昼の11時まで寝てました。

なるべく楽をしたい、働きたくない、昼まで寝たい、1年で1億円儲かる方法があれば知りたい!、年末ジャンボ宝くじで3億円ゲットしたい!、FXで一発当てたい!とか誰しも思うものでしょう。

傍からは努力家でストイックに働いている人であっても、本人は心の中で「若いうちに働きまくって40歳位になったら、引退して悠悠自適に暮らしたい!」と思っているかもしれません。そういう発想は普通だと思います。

怠け者ではない稀有な人物はスティーブ・ジョブスとか極々一部の変態(天才)だけだと思います。

できるだけ楽をしたい!という持って生まれ人間の性質が様々なイノベーションを実現させました。アップルのパソコンやスマートフォン、グーグルの検索システム、マイクロソフトのOfficeなど。

ハイテク業界のイノベーター達は、突き詰めて考えると、世界中の人々の「あんな事やこんな事をもっと楽に効率的にやりたい」というニーズというかウォンツを抉りだして、サービスとして実現することで時価総額ウン十兆円の巨大帝国企業へと登り詰めたと言えます。

マニュアルトランスミッションの車を運転する人は、今ではよほどのスポーツカー好きくらいだけでしょう。ほとんどの人はオートマだと思います。そもそも免許すら今ではオートマ限定でとる人が過半数です(某サイトによると57%がオートマ限定)。

操作する楽しみや爽快感よりも、結局は楽ちんを選んでしまうのが人間です。

AIによる自動運転が実現したら運転する楽しみがなくなるとか言っている人を見かけますが、そんなこと言っている人も最後には自動運転車に乗りながら本でも読んでいるのでしょうね。

さて、投資の世界においてインデックス投資の開発は「マーケティング上の快挙」だとMarket Hackを運営している広瀬さんは書籍で言っていました。

なぜS&P500連動などのインデックス投資がここまで普及したのか?

それはハリー・マーコウィッツの現代ポートフォリオ理論など学術的なサポートがあったことが一つ挙げられます。

また、株式市場の時価総額に従ってすべての銘柄に広く薄く投資するという発想は感覚的にも合理的に思える人が多いでしょうし、数百数千の銘柄に分散投資しているという安心感もあるでしょう。コストが安いというのも大きなメリットです。

そしてインデックス投資が普及した隠れた要因として、とにかく楽という面もあると思います。楽して儲けたい!という人間の欲求をうまく突いていると思います。そういう意味でもやはり「マーケティング上の快挙」ですね。

別にインデックスファンドやETFを買っている人を怠け者だと言いたいわけではありません。人間はみな楽したいと思うのが普通なのだと言いたいだけです。私もHDVやVDCを買っていますが、これだって広い意味でインデックス投資です。

  2017年一押し銘柄

ということで、怠け者であろう普通の皆さまに変わって2017年に買うべき米国株銘柄を私が独断で選出してみました。あくまで長期投資として有望な銘柄です。

結論から先に言いますが、ズバリ本命はコカ・コーラ(KO)です。

次点としてファイザー(PFE)とメルク(MRK)を挙げます。

3つのフィルターで絞りました。
・ダウの犬
・過去の実績(シーゲル教授の調査)
・連続増配

ダウの犬

ダウの犬という有名な投資戦略があります。

これは高配当投資戦略の一つで、NYダウ構成30銘柄のうち年初時点で配当利回りが高い10銘柄を保有するというものです。そして1年後にまた同じように高配当銘柄をスクリーニングして銘柄を入れ替えるというものです。

このダウの犬という戦略は、名前はちょっと馬鹿っぽいですがかなり有効な投資法です。

過去15年間のダウの犬とダウ平均の年間パフォーマンスです。

  ダウの犬 NYダウ 判定
2001年 -5% -5% 引き分け
2002年 -11% -15% 勝ち
2003年 33% 28% 勝ち
2004年 7% 5% 勝ち
2005年 -5% 2% 負け
2006年 32% 19% 勝ち
2007年 2% 9% 負け
2008年 -39% -32% 負け
2009年 18% 23% 負け
2010年 21% 14% 勝ち
2011年 15% 8% 勝ち
2012年 10% 10% 引き分け
2013年 35% 30% 勝ち
2014年 11% 10% 勝ち
2015年 3% 0% 勝ち
2016年 17% 14% 勝ち

10勝2引き分け3敗

結構いい成績だと思いませんか!?

ダウの犬はきちんと実績がある投資戦略なのです。

では、2017年のダウの犬銘柄はどれでしょうか?

NYダウ構成30銘柄を、配当利回りが高い順に並べました。(ソースはDividend.com)

順位 ティッカー 銘柄名称 配当利回り
1 VZ ベライゾン・コミュニケーションズ 4.33%
2 PFE ファイザー 3.94%
3 CVX シェブロン 3.67%
4 BA ボーイング 3.65%
5 CSCO シスコシステムズ 3.44%
6 KO コカ・コーラ 3.38%
7 IBM IBM 3.37%
8(同率) XOM エクソン・モービル 3.32%
8(同率) CAT キャタピラー 3.32%
10(同率) PG プロクター&ギャンブル 3.19%
10(同率) MRK メルク 3.19%
12 MCD マクドナルド 3.09%
13 GE ゼネラル・エレクトリック 3.04%
14 WMT ウォルマート 2.89%
15 INTC インテル 2.87%
16 JNJ ジョンソン&ジョンソン 2.78%
17 MSFT マイクロソフト 2.51%
18 MMM スリー・エム 2.49%
19 UTX ユナイテッドテクノロジーズ 2.41%
20 JPM JPモルガン・チェース 2.23%
21 TRV トラベラーズ 2.19%
22 DD デュポン 2.07%
23 HD ホームデポ 2.06%
24 APPL アップル 1.97%
25 AXP アメリカ・エキスプレス 1.73%
26 UNH ユナイテッド・ヘルス・グループ 1.56%
27 DIS ウォルトディズニー 1.50%
28 NKE ナイキ 1.42%
29 GS ゴールドマン・サックス 1.09%
30 V ビザ 0.85%

PGとMRKが利回り3.19%で同率でしたので、11銘柄選出しました。

上表のメルク以上(太字の行)が2017年のダウの犬銘柄です。10ではなく11ピックとなりましたが。

では、これらダウの犬銘柄をすべて購入するのかと言われれば、それを実際にやる人は少ないと思います。銘柄入替のためにキャピタルゲイン税が実現してしまうし、手数料もかかるし、面倒だからです。

ダウの犬ETFなんてあると少し買ってみたくなりますけどね。ETFにすれば銘柄入替に伴う税務負担がなくなるため、自分で毎年毎年銘柄を入れ替えるより高いリターンが期待できそうですけどね。

ダウの犬戦略に則って選出した11銘柄を以下でさらに絞ります。

シーゲル教授の研究

2017年の1年間だけ儲かればいいわけでありません。

30年超の長期を見据えて長期的にあなたにキャッシュを与えてくれる銘柄を探す必要があります。2017年の1年間だけドカッと儲かりたいなら(その投機的発想も素敵です)、そもそも大型株のNYダウに絞っている時点で誤りです。もっとボラティリティの高い日本の小型株とかで勝負すべきです。

長期的に株主にリターンをもたらしくれる株は、過去の実績をみるのが最も有効です。

長期的に株主価値を向上できる会社というのは、盤石なブランド力と財務基盤がある優良企業であり、勢いのある新興銘柄ではありません。また、昔からある優良企業はイケイケドンドンな自称バリュー株投資家の目には止まりにくく、株価が割高になりにくいです。

数十年に及ぶブランド力と品質という金のなる木から美味しい果実をたくさん実らせてくれるのに、なぜかそれに飛びつく投資家は少ないのです。なぜなら、果実がなるまでには時間が必要ですが、多くの投資家たちはその時間を待つことができないからです。

20世紀後半に高いリターンもたらした銘柄は以下です。(『株式投資の未来』より)

ティッカー 会社名 年率リターン
PM フィリップ・モリス 19.75%
ABT アボット・ラボラトリーズ 16.51%
BMY ブリストル・マイヤーズ 16.36%
トゥーツィー・ロール 16.11%
PFE ファイザー 16.03%
KO コカ・コーラ 16.02%
MRK メルク 15.90%
PEP ペプシコ 15.54%
CL コルゲート・パルモリーブ 15.22%
CR クレーン 15.14%

この中で、2017年のダウの犬に含まれているのは、KO,PFE,MRKの3つです。

3つまで絞れました。

この時点で十分限定できていますが、もう一つ厳しいフィルターを通します。

連続増配年数

増配年数が長いということは、景気後退、金利変動、大統領選などのショックを乗り越えて常に好業績を残し、株主に利益を還元し続けることができたということです。

シーゲル教授は連続増配年数の目安を15年としていました。

景気サイクルの早い昨今は15年もあれば、1度は金融ショックや景気後退などのネガティブイベントが起こると考えられ、そのような逆風に負けずに増配をできる銘柄は強いというのが趣旨です。

さて、KO,PFE,MRKの連続増配年数というと、、

コカ・コーラ(54年)
ファイザー(7年)
メルク(5年)

コカ・コーラが圧倒的で54年です。

  結論 → KO

ということで、2017年一押しの米国株銘柄はコカ・コーラです。

ファイザーやメルクも有望だと思います。

以上かなり勝手な視点かもしれませんが銘柄選別をしてみました。2017年の皆さまの投資戦略の参考になれば幸いです。

私はすでにコカ・コーラ株を100万円以上保有していますが、2017年も積極的にコカ・コーラ株を仕込んでおきたいと思っています。