私たちは株式投資=ビジネスの一部を所有することと理解しています(よね?)。しかし、世間一般では株式投資=ギャンブルという認識はまだまだ根強いと感じます。

一方で、不動産投資にはギャンブルという印象があまりないようです。高額でローンを組むのがリスキーという認識はあるものの、ギャンブルの対象とは認識されてないように感じます。

なぜ株式はこうも「不遇」なのか?

PCに張り付いて秒単位で取引しているデイトレーダーを思い浮かべる人が多いからでしょうか。コロコロ株価が上下して危なっかしいイメージは大学生の頃の私にもありました。

色んな理由があると思うんですけど、やっぱり一番の理由は株式が企業の所有権の一部であるという理解が浸透していないからだと思います。んで、そのためにキャッシュの流れに目が行かないのだろうと想像します。

不動産投資ってわかりやすいです。1500万円のワンルームマンションに投資して、月6万円の家賃収入があるというのは、小学生でもお金の流れを理解できます。表面利回りが4.8%/年というのも中学生以上なら理解できるでしょう。

株式投資は不動産と違ってキャッシュの流れが見えづらいです。株主の口座に入金されるのは配当のみですが、それは企業が稼いだ利益の一部でしかありません。アマゾンなどまだ配当を出していない企業も多いです。でも、たとえ配当がなくても、アマゾン自体には多額の営業キャッシュフローが流入しているわけです。

そこが見えづらい。不動産の家賃は、すべてオーナーの口座に振り込まれるからわかりやすい。でも株式投資の「家賃」に相当する企業の純利益(EPS)は、決算書を見ないとわかりません。仮に見たとしても、その純利益が即座に株価に反映されてキャピタルゲインを得られるわけでもありません。株価は目先の利益よりも将来のキャッシュフロー見積もりに左右されますから。結果として、企業の利益が株主の利益になるまでにタイムラグが生じます。

アマゾンが稼ぐ利益、フリーキャッシュフローはアマゾンの株主に帰属します。利益処分権は事実上経営陣、というかジェフ・ベゾス氏にあるとは言え、利益は株主全員のものです。だけど、多くの人は顧客からアマゾンへのキャッシュの流れは気にも留めず、アマゾンの株価の動きしか見ていない。明日株価が上がるか下がるか。

だから、株はギャンブルだと思われがちなのかなって感じます。ビジネスを所有しているという実感がなさ過ぎて、株を持つことの本質の理解になかなか辿り着けないのかなと。

別に株式投資はギャンブルじゃないんだよ!って声高に主張したいわけでもないです。自分が理解していればそれでよく、世間の株に対する理解度にはあまり関心はないです(唯一、恋人や家族には理解して欲しいと思うが・・)。

むしろ、長期投資対象としての株式の価値にほとんどの人が気が付いていないからこそ、株式はこれからも複利で大きなリターンを提供してくれるとも言えます。みんなが株式の本質を理解して、老後のための貯金を止めて株を買い始めたら、S&P500指数の平均PERは25倍~30倍くらいまで跳ね上がるかもしれません(利回りは下がる)。

なので、株式投資=ギャンブルという認識は払拭されない方が、すでに株に投資している私たちにとっては得です。株に限らないですが、周りがやりたがらないこと、嫌がることをやった方が儲かるもんです。