S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はセールスフォース・ドットコム(CRM)をご紹介します。

基本情報

会社名 セールスフォース・ドットコム
ティッカー CRM
創業 1999年
上場 2004年
決算 1月
本社所在地 カリフォルニア州
従業員数 35,000
セクター 情報技術
S&P格付  A-
監査法人  EY
ダウ30 ×
S&P100 ×
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

無配。
自社株買い実績もなし。

連続増配年数

無配

過去10年の配当成長

無配

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+32.8%
上場以来(2005~2018):+28.2%

バリュエーション指標(2019/6/23時点)

予想PER:45.7倍 最新情報はこちら

配当利回り:無配 最新情報はこちら

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セールスフォース・ドットコムは企業向け顧客関係管理(CRM)ソフトウェア分野での世界トップ企業です。PCにインストールするモデルから、クラウドによるサブスクリプションモデルに移行して大きな成功を収めました。

セールスフォースのサービスを一度利用するともう手放せないと聞きます。世界中15万以上の企業をクライアントに持っています。日本でもセブン&アイ・ホールディングス、トヨタ自動車、キャノンなど大手がクライアントとして名を連ねます。

事業セグメントは以下の4つに分かれます。
セールス・クラウド
サービス・クラウド
マーケティング&コマース・クラウド
Salesforceプラットフォーム

セールス・クラウドは顧客の連絡先や営業マンとのやり取りなどの情報を一元管理し見える化します。TwitterやFacebookといったSNS上での顧客の意見も取り込むことが可能です。これにより営業活動がより効率化されます。

サービス・クラウドは電子メール、チャットアプリ、ライブビデオ、SNS、オンラインコミュニティなどあらゆる媒体において顧客と常時コミュニケーションを取れる環境を提供します。顧客からの問い合わせに対する迅速な対応、個別化対応などカスタマーサポート力の向上を図るツールです。

マーケティング・コマースクラウドは大量の顧客行動に関するビッグデータを解析して、経営に役立つデータに還元してくれるソフトウェアです。集客や見込み客の識別などを自動で行ってくれます。たとえば、クレジットカード決済画面まで行った、クリックすらしなかったなど顧客のウェブ上の行動履歴をトレースします。

セールスフォースと言えば積極果敢なM&Aを行う企業として知られています。マイクロソフトが買収したリントインやツイッターの買収を、かつて画策していたこともありました。2018年3月に業務ソフト開発のミュールソフトを58億ドルで買収。そして、つい最近2019年6月にデータ分析プラットフォームを手掛けるタブローを約160億ドルで買収すると発表しました。セールスフォースにとって過去最大のM&Aです。

財務データを見てみましょう。

売上高はこの10年で10倍に成長。FY18の売上高は132億ドルで前年比+26.7%。新規顧客の獲得、既存ソフトウェアのアップグレード、追加のサブスクリプション契約による増収です。ミュールソフト買収も増収に寄与していますが、大半は既存ビジネスの成長によるものです。

FY18の純利益は11億ドルと前年から大幅伸長。「戦略的投資により利益」という名目で5億ドル以上の利益が計上されていました。恐らく、持分法投資利益のようなものだと推測。また、FY18は過去のM&Aに伴って発生した繰延税金負債を取り崩しており、その税務利益が6億ドルがありました(なぜ取り崩したのか詳細不明)。

キャッシュフローはPLの見た目以上に安定かつ潤沢だなあというのが第一印象。営業CFマージンは25%以上もあります。やはりクラウドのサブスクリプションモデルは儲かるみたいです。

バランスシートを見てみましょう。35%を占める流動資産は現金及び短期投資です。固定資産の大半はM&Aに伴うのれんと無形資産です。2019年1月末時点でのれん残高は128億ドルと総資産の42%を占めています。タブローの買収でのれんはさらに増えるでしょう。

配当、自社株買いともに実績はありません。