全国、いや全世界の経理部門がきっと同じ悩みを抱えているのではと想像します。「コロナ影響が業績に与えるインパクトを見積もりなさい」というCEOからの指示にどう対応するかという悩みです。

んなもんわかるか!!って心の中では思ってますが、当然言えるわけありません。まあ、社長だって正確な数字が上がってくるなんて鼻から思ってませんよ、多分。ざっくりでいいからどれくらい業績インパクトがあるかはトップとして把握しておく必要がありますよね。投資家やアナリストから質問されるだろうし。当然のオーダーか。

悲観シナリオ、普通シナリオ、楽観シナリオなどいくつかのパターンで算出してますが、平均してコロナ影響によって当期(2020年3月期)の営業利益が当初見通しより1%ほど下がるだろうと報告しました。海外子会社の社長とかにもヒアリングして、できる限りの情報を集めた結果です。

コロナ問題が出始めたのは第4四半期からです。通期で影響があるわけじゃないです。とは言え、利益インパクトはこんなもんですよ。営業利益が100億円から99億円に下がる程度です。あ、前提としてまあまあ景気安定系のメーカーです。海外売上高比率は高め。アメリカ、中国、ヨーロッパなど世界中で取引があります。

株価の方はと言えば、2月の高値から現在までに30%ほど暴落しました。

利益は1%減益なだけなのに、株価は30%以上も下がっています。これは合理的な動きと言えるのでしょうか。インサイダー取引になるから自社株は絶対に買わないけど、普通に私は自社株の評価を”Buy”としたいです。遅かれ早かれ反発すると確信しています。

いや、コロナ影響が来期以降にもっと利益を押し下げるかもしれませんよ。2021年、2022年になっても経済活動は停滞したままかもしれません。それなら、まあ30%の暴落も合理的かもしれません。が、その可能性は低いと思います。どうあがいても将来は不確実なことに変わりはないわけだから、確率論に則って行動するしかありません。リスクと期待リターンを天秤にかけると、やはり自社株は今”Buy”だと言いたいです。

インサイダーたる経理として会社の決算数字、来期の業績予想まで把握していると、自社の株価の動きが合理か不合理かが手に取るようによーくわかります。最近の下げっぷりは行き過ぎです。

同じことが至るところで起こってるんじゃないかなと思います。ファンダメンタルズの悪化以上に株が売られている気がします。もちろん、コロナ影響の大小は企業によって様々だとはわかってますが。うちは業種柄、影響が小さい方だとは思います。ディフェンシブ株ですから。

でも高値から30%も下げてるんですよねー。どう見ても過剰反応。あー、めっちゃ自社株買いたいー。