10月から消費税が8%から10%に上がりましたね。世間では増税前の買い込みも見られたようです。薬局でティッシュペーパーがなくなっていたと同僚が言ってました。

消費増税はマクロ的にはほぼ間違いなく消費を減退させるでしょうが、私個人で言えば特に影響はありません。消費税が10%になったからって買い物の頻度が減ることはありません。10円、100円程度の細かい節約はしない主義です。家、車、保険といった重要な支出はしっかり考えるけど、日常生活での細かい支出では損得考え過ぎずないようにしています。それと同じ発想で、消費税が2%上がったところで影響はナッツとスルーできます。

ただ消費増税には反対です。

増税前に日用品を買い込む人を馬鹿にする気にはなれません。私は今は比較的経済的にゆとりがあるから、増税されても大した影響ないと言えるだけです。世間には10円、100円レベルで家計を切り詰めて生活している人が大勢います。社会保険も上がってばっかしで手取りは減る一方。メディアも煽る。節約志向が高まるのは当然です。

消費税には逆進性があります。所得に占める消費の割合が高い低所得者の負担が相対的に大きい税金です。経済的に苦しい世帯の首を絞める増税をなぜ行うのか理解に苦しみます。しかも複雑な軽減税率というおまけ付き。コンビニで弁当買ったら8%だけど、イートインなら10%だそうで。意味わからん。企業側の運営コストも馬鹿になりません。うちの会社も消費税申告で苦労してるみたいです。とは言え、大企業だから恵まれている立場だと自覚していますが。

消費税引き上げは不要だ。日本経済の主な課題は需要の弱さであり、政府の支出を賄う必要性ではない。日本は絶え間ない財政刺激を通じて厄介な債務の山を築いたという見方が一般的だが、それは現実のほぼ正反対だ。実際には、刺激策は停止と開始が繰り返されており、日本の債務返済コストは世界で最も低い部類に入る。

ウォールストリートジャーナル


同意です。
このクソ低金利な日本でわざわざ低所得者から追加で税金を巻き上げる意義があるとは思えません。低金利、低インフレってことはまだまだ紙幣を刷って財政刺激を行う余裕があるということです。財源を作ることよりも、需要を生み出すことが必要というWSJの主張は正しいと思います。

と個人的な考えはありますが、そんなことを一介のサラリーマンが都内の狭いマンションから叫んだところでしゃーない。私は自分の幸せしか考えられない器量の狭い男です。せいぜい家族、恋人、親しい友人・同僚までかな。日本国民全体の幸せ、100年後の日本経済なんて考える余裕ありません。自分のことで精いっぱい。

香港でのデモが長引いています。先日は学生が実弾に倒れたという報道を見て驚きました。どうやら一命はとりとめたようで安心しました。社会を変えるために立ち上がって何カ月もデモを続ける、その精神力に感服します。

香港の場合は経済というよりイデオロギーの問題で、日本の消費増税なんかより問題は深刻ですが、仮に自分が香港の学生だとして、あそこまでして政府に訴え続けることができるだろうかってたまに考えます。決意を示すために自ら命を絶った人までいます。

消費増税は悪策だと確信していますが、だからってそれを止めさせるために立ち上がる元気なんて全くありません。もう所与の条件として受け入れるしかないと諦めています。日本経済を変えたいなんちゅう志はない。中央の決定は人生ゲームのルールとして受け入れて、その中でいかに自分が幸せになれるかを追求するしかないと思っています。

経済格差はすべて自己責任だ!なんていう過度にリベラルな思想を持っているわけではありませんが、このタイミングで消費増税を決断するような国家を頼りにしようとは思えません。自分の身は自分で守る。自立と自律。仕事、投資できちんとお金を稼いで、消費増税なんて気にしなくていいくらいの経済力を維持する努力を続けるしかない。その思いが一段と強くなりました。

株式投資は経済的な安定を得るツールとして優秀だと思います。今後10年、米国株はそれほど高いリターンは期待できなさそうですが、それでもコツコツ地道に投資を続けていきます。種銭を確保するために消費を我慢するのは人生選択として本当に正しいのか迷うこともあるけど、人生100年時代、豊かさを維持するために一定の貯蓄と投資は不可欠だと思います。