金利上昇が株式市場の逆風として吹き荒れています。少し前にもてはやされたズームやペロトンなどの新興グロース株はボロクソに売られています。

大手ハイテク株も売られていますね。特にメタ(フェイスブック)、ネットフリックス、ペイパルの売られようはとても事前に予想できるものではなく驚いています。個人的に一番サプライズなのはペイパルの下落です。

インフレ、金利上昇、ウクライナ問題と暗いニュースが盛りだくさんの2022年ですが、長期投資家は下手に動かずマーケットに居続けるのが正解だと思います。

もちろん自分のリスク許容度を超えていると思ったり、生活にお金が必要になったりすれば躊躇なく売却した方がよいですが、余剰資金で長期目線で運用している分はこれまで通り市場に置いておくが良いでしょう。

短期で運用成果を評価されるポートフォリオマネージャーは、相場の動きを読んで一時的にキャッシュポジションを増やすなどの対応が必要になることもあります。

それは1年2年での運用成果を求められているからです。私たち個人投資家は10年20年先を見据えることができるという特権的地位にあるわけです。こういう時に右往左往せずにどっしり構えてられるのは素晴らしいことです。

お金を得るには何かを犠牲にする必要があります。給料は自分の労働力、時間を資本家に捧げることで手に入れることができるお金です。

株式収入は今みたいな高ボラティリティの恐怖感、損するかもしれないリスクを引き受けることで手に入れることができるお金です。投資家の仕事は損すること、というのはあながち嘘ではないです。もちろん、最終的には利益を出さないといけませんが。

サッカーとフットサルって似ているようで全く違うスポーツです。一人の選手に注目すると、どちらもボールを蹴っている点は同じで違いはあまりないように見えます。

でも、ぱっと思い付くだけでもサッカーとフットサルの相違点はたくさんあります。

・フットサルにはオフサイドがない
・フットサルコートはサッカーの1/10ほどしかない
・サッカーは11人だけどフットサルは5人
・フットサルにはスローインがない(キックイン)
など。

投資も似たようなところがあります。PC上で売買したい証券を選んでクリックする、という行為自体は短期トレードも長期投資も同じですが、両者のゲームのルールはサッカーとフットサルくらい違います。

インフレが大きなニュースになっています。前年比7%を超えるインフレは私たち現役世代には初体験です。1980年代の相場を知識として知っているとしても、当時とは環境も違いますし、このインフレがどれくらい続くのか、債券利回りがどこまで上がるのか、誰も自信を持って予想できません。

ただ、インフレ率がどうなるにせよ、実物資産に対する請求権たる株式が長期で物価上昇に負けることはないはずです。インフレ、金利上昇が株式に悪影響というのはその通りなのですが、それはあくまで短期での話です。

フットサルをプレーしている人がオフサイドを心配する意味はありません。

私は今のマクロ経済環境を一投資家として興味深く見ています。なかなか経験できることではないと思うので。本で読むのと、実際に証券を持っている状態で相場の動きを体験するのとでは大違いですよね。

コロナ禍みたいに大暴落したらこんな悠長なこと言ってる余裕なくなると思いますが(笑)。あの時ガチホできたので、次の暴落が来ても耐え凌げるだろうという自信はちょっと付きました。