なぜiPhoneがこんなに売れまくるのかわからない、と非iPhoneユーザーはしばしば言います。

性能で言えば中華系のスマホはiPhoneを上回っているものもあるのにと。サムスンなどのスマホも同じでしょうか。

私はiPhoneしか使ったことないのでわかりませんが、性能面で言えばiPhoneが特に他社製品より優れているわけではないことは何となくわかります。周りにアンドロイドユーザーも多くいますが、見た感じ使い勝手はiPhoneと変わらなさそうです。不便を聞いたこともありません。

私はスマホは今までiPhoneしか買ったことないし、今後も他社に乗り換える予定はありません。

なぜか?

うーん、なぜだろう。絶対にアップルが良い!というこだわりはありません。機械系苦手でデータ移行とか面倒くさそうだし、現状維持でいいやくらいです。iPhoneは少し値が張るけど、毎日使うものだしちょっとくらいお金をかけても構わないと思えます。

私がiPhoneを使い続ける理由はスイッチングコストの高さにあるかもしれません。あとは何となくかな。

一般的にはどうでしょうか。日本はiPhoneユーザー比率が高くて有名ですが。

ジョブスの熱狂的ファン、デザインが好きな人、iOSにこだわりがある人、色んなニーズがありますが、いまいちこれといった説明はないように思います。

そこでよくこう言われます。

アップル製品にはブランド力がある。

ブランド力、、これって便利な言葉だと思いませんか。ブランド力と言っておけばすべてを説明できてしまうかのようです。魔法の言葉。エルメスやヴィトンが高値で売れるのもブランド力だと。

ブランド力という言葉は強みを言語化できなかった時の逃げ道ではないでしょうか。やっぱり人が多額のお金を投じる理由はそれなりにあるはずです。一生懸命働いて稼いだお金を使う先なわけですから。

ただ動機や心理を言語化するって意外に難しいですよね。あらゆる人が言語化を試みても、どうしてもそれが不可能だった時、ブランド力という単語が登場するのではないでしょうか。

ブランド力という言葉で強みを語られる企業は強いと思います。なぜなら、強みを言語化できない以上、他社はどう対抗すればいいか判断できないからです。

「iPhoneより売れる高級スマホを作れ」と言われても、そもそもなぜiPhoneがたくさん売れているか分析できないと戦略を立てることもできません。

バフェットは「iPhoneには粘着力があるんだ」と言います。粘着力ってもはや何が言いたいのかよくわかりません(笑)。多分バフェットもiPhoneの強みをうまく言語化できてないのでしょう。

性能が優れているから売れている製品を持つ企業よりも、ブランド力のある製品で人気を博している企業の方が長期保有に向いていると思います。

前者の企業の方が売れる理由を説明しやすいから一見安心感があるかもしれません。でも実際は、売れてる理由を言語化できない後者の方が株主に報いてくれるのではと思います。