昨夜、3月の取引を実施しました。ハーゲンダッツで有名な食品メーカーのゼネラルミルズ(GIS)に約30万円投資しました。

先月GISに投資しようかと検討していましたが、寸前でM&A(ペットフードのブルーバッファロー買収)報道が出て株価が不安定な気がして見送りました。満を持して今月購入となりました。

GISには昨年9月にVDCとの入替えで100万円ほど投資しましたが、残念なことに今の私のポートフォリオでトップクラスの含み損銘柄となっています。

先日発表した第3四半期決算(2018年2月期)発表後に株価が10%近くも暴落しました。決算自体がメチャクチャ悪かったわけではありません。売上高は前期比2%増の39億ドル、EPSは0.61ドル(調整後EPSは0.79ドル)でともにアナリスト予想並みでした。

しかしながら、投資家はGISを売り叩きました。何が叩き売りの原因か明確には分かりませんが、CEOが今回の決算に失望感を示していること、また長期的にコスト高が業績を圧迫するのではという懸念が背景にあるように思いました。

以下、GISのホームページの”Financial News Releases”にあった第3四半期決算についてのCEOの所感です。

Our primary goal this year has been to strengthen our topline performance while maintaining our efficiency,” said General Mills Chairman and Chief Executive Officer Jeff Harmening.  “While I’m pleased that we’re delivering on the first part of that goal, with strong consumer marketing, innovation, and in-store execution leading to a second consecutive quarter of organic net sales growth, I’m disappointed in our results on the bottom line.  Our third-quarter operating profit fell well short of our expectations, and cost pressures are impacting our full-year outlook.  Like the broader industry, we’re seeing sharp increases in input costs, including inflation in freight and commodities.  Because of our improved volume performance, we’re also incurring higher operational costs.”

ゼネラルミルズのホームページのCEOの言葉

はい、がんばって和訳しますね。
(ちょっと端折りますが・・)

我が社の今年の目標は収益力を維持しながら売上成長を目指すことです。

巧みな消費者マーケティング、イノベーション、店舗オペレーションの改善が2年連続の売上高増加につながったことを喜ばしく思っていますが、私(CEO)は今回の決算内容(利益水準)に失望しています。第3四半期の営業利益は予想を大きく下回り、コスト上昇圧力が通期の業績にも影響を与える見通しです。他の広範な産業界と同様に、輸送コストや原材料価格の上昇に直面しており生産コストが上昇しています。

ゼネラルミルズのホームページのCEOの言葉(Hiroざっくり和訳)

やはり企業はトップが全てです。CEOが “I’m disappointed in our results”なんて発言しちゃったら投資家は不安になりますよね。輸送コストや原材料価格が上昇していて、収益を悪化させているようです。この悪影響は翌四半期も続く見込みとのことです。輸送コストの上昇は運送業界の人出不足が影響しているのかもしれません。こうやって徐々に失業率の低下がコスト増をもたらしインフレを誘発します。

ただし、2019年には長期的なコスト削減施策を実行するとも語っています。一部ブランド資産の売却などもあるかもしれません。そんなに簡単に業績を改善させることができるかは疑問ですが、GISはシリアルやスナック分野でトップクラスのブランドを保有しており、安定的なキャッシュフローは今後も期待できると思います。ペットフードのブルー・バッファロー買収も全社の利益率改善に貢献してくれることを期待しています。ペットフードは成長市場です。

ただ、今後の増配に対して楽観はしていません。現在の配当利回りは4.3%とかなり高配当です。マーケットが悲観的になっている面もあるでしょうが、GISの今後の増配力に対して疑問を抱いているから株価が下がっているとも言えます。

地味な食品メーカーであり売上高もこの10年ほぼ横ばいです。配当再投資を実践する銘柄としてはピッタリかもしれませんが、将来減配になるリスクもそれなりにあると覚悟しています。長期借入金はこの5年で20億ドルほど増えており、自己資本比率は下落傾向です。余裕しゃくしゃくで増配を続けている感じではありません。

GISの未来がどうなるかは分かりません。過去100年以上も減配せずに配当を守り続けてきた由緒ある食品メーカーですが、だからと言って今後の減配リスクがゼロというわけではありません。減配すればいくら長期投資と言えどもS&P500を超えるリターンを実現するのは困難になります。配当再投資戦略が成功するための必須条件はとにかく減配しないことです。

まあGISはしっかり営業CFを稼げているブランド力のある企業なので、そう簡単に減配になるとは思ってません。グロスマージン、営業利益率、営業CFマージンいずれもこの10年で下落はしてません。ほぼ横ばいです。まだまだ高い収益力は健在です。今の4%以上の利回りは魅力的に見えました。

ポートフォリオの5%前後を目途にGISへの投資を続けるつもりです。

 

 

2018年は円高と株安が進んで評価損が苦しいですよね。。ただサラリーマンの給与からコツコツ投資を続けていく私たちにとって、円高株安は良い投資機会です。

2017年は歴史に残るくらい(冗談じゃなく)のボラティリティの低い凪なマーケットでした。今年はボラティリティが復活して、2%以上S&P500が下落する日も珍しくありませんね。こうやって株価が大きく変動することで、世間一般の株式に対するリスク認識が上がります。「あ、やっぱり株って怖いな・・」って思う人が増えるということです。そういう人が増えれば増えるほど、株に投資してリスクを取り続けることの価値が高まります。つまり投資リターンが高まるということです。

タイミングを見計らって一時売却して(リスクテイクを一時的に放棄して)、底値で買い戻すってのは神業です。そう簡単にできることじゃありません。あまり目先の株価変動を気にし過ぎることなく、個人投資家らしくのんびり保有し続ける方が長期的にはプラスだと思います。