2019年アップル(AAPL)の株価上昇が止まりません。以下は今年のチャートです。時価総額は節目の1兆ドルをとうに超えています。現在は約1.2兆ドル。

iPhone販売台数減少で業績が低迷するのではという懸念が広がって昨年後半に大きく売られた反動。サービス収入拡大。エアポッズを始めとしたウェアラブル端末の想定以上の伸び。これらが株価を押し上げていると説明されることが多いです。

確かに異論はありません。が、今のアップルが長期投資対象として気に入っているのは、継続的なイノベーションによる業績向上というよりも、同社が大還元フェーズに差し掛かっている点です。エアポッズの開発で資金が燃焼していることはありません。稼いだ利益は全額株主に還元されています。

発行済み株式数のこの1年間の変化を見ると、アルファベットでは1%未満の減少だったのに対し、アップルでは6%の減少だった。

バロンズより

アップルって時価総額が1兆ドルに達した云々という話題になる企業です。発行済み株式の6%って時価総額の6%と同義ですから、その金額は600億ドル(1兆ドル×6%)規模と推測できます。実際にアップルの財務データを見てみると、FY19(2019年9月期)の自社株買い戻し額は669億ドルでした。

FY13からFY19までのアップルの自社株買いの金額推移を取ってみました。

この7年間の自社株買い累計金額はなんと3千億ドルです。円換算で33兆円ほど。この大量の自社株買いが、1兆ドルという時価総額達成に大いに貢献しています。3千億ドルって1兆ドルの33%に相当する規模ですから。今年の株価上昇エンジンの一つにもなっています。

もちろん、配当も年々増加しています。

バフェットの(バークシャーの)上場株ポートフォリオの20%超をアップルが占めます。バフェットはこういう株主還元に積極的な銘柄を好みます。ソフトバンクのビジョンファンドとは対照的です。

企業の財務データを見る時は、売上高や営業利益、キャッシュフローに注目しがちです。それは自然なこと。私も先ずそこをチェックします。しかし、忘れがちで重要なのが株主還元です。配当だけでなく自社株買いもチェックしましょう。自社株買いの金額はキャッシュフロー計算書の「財務キャッシュフロー」を見ればわかります。

あと、幣ブログの米国株銘柄分析で総還元性向を載せています。総還元とは配当+自社株買いです。総還元性向と配当性向の逆算から自社株買いの規模を知ることもできます。一株当たり自社株買いを2020年からグラフに追加しようかな・・。自社株買いが長期投資のパフォーマンスに大きく影響するということを知って欲しいです。

今のアップル株の一番の魅力は株主還元方針だと感じています。もしジョブズが存命だったら、ここまで積極的な株主還元は難しかっただろうな。もちろん、ジョブズのイノベーションあってこその今があるわけですが。