今ノリに乗っている半導体企業と言えばAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)ではないでしょうか。PC向け、データセンター向けともに大きく成長し、インテルの背中が見えてきました。

以下グラフはウォールストリートジャーナルより。

AMDがインテルからシェアを奪っていることが一目瞭然です。

この記事を読んだとき「おおAMDすげ~」と思ったのですが、投資家としてAMDには興味なしでした。

というのも、数年前(すでにAMDの成長が話題になっていた頃)にAMDの財務データを見たことがあって、そのあまりの利益率の低さに驚いたからです。

営業利益はマイナスの年も珍しくない。それどころか営業CFまでマイナスになっている年もありました。

当然に最終損益は黒でも薄利。純利益率は高くて5%といったところ。

勉強不足でなぜAMDがこれほど薄利(てか赤字)なのかわからなかったですが、とにかく投資対象からは即刻外しました。私は投資家の中ではリスク許容度は低い方で、いくら成長してても赤字企業には投資しない方針です。

ところが、直近2年(20年12月期、21年12月期)は利益率が劇的に改善しています。

(AMD営業利益率推移、AMD公表財務諸表より筆者作成)

直近FY21の営業利益率は22%まで上昇しています。

キャッシュフローも改善しています。

(AMD公表財務諸表より筆者作成)

FY21の営業CFマージン(営業CF÷売上高)は21%です。

これらの収益性の改善が、売上拡大による固定費の回収効率改善なのか、それとも根本的なビジネス構造の変化なのか、どっちなのかよくわかってません(たぶん前者かな)。

利益率を単純比較するとまだまだインテルには敵いませんが、財務データはだいぶ綺麗になったなあという印象を持ちました。

こんな短期間の利益改善を見ただけで、知識のない自分がAMD株を買うつもりはないのですが、注目銘柄の一つだなとは感じました。

半導体セクターで欲しくなるのは製造装置メーカーですね~。日本の東京エレクトロンも米系競合に伍する凄い企業であることを知って興味心が高まっています。