は~、これだから読書は止められない。
こういう出会いがあるから読書は止められない。

本屋で本買ってカフェで読むこと多いですが、時間の無駄だったな~、お金ドブに捨てたようなもんだったな~という思いにさせられることも多々あります。それは仕方ないですね。何でも合う合わないってありますし。

でも稀に「これは素晴らしい!!」と思わされる本に出会うと興奮します。スタバでアドレナリンが噴き出てきます。初めて『株式投資の未来』を読んだ時もアドレナリンがどくどく出ました。

最近読んだ超おすすめ本をご紹介します。

特にIBMに投資している投資家は必見ですよ。

 

 

人工知能をこれほど分かりやすく教えてくれる本が他にあるだろうか!?

人工知能、AIで私たちの未来の生活が激変するって言われますけど、人工知能やAIとはどういう意味かあなたはわかっていますか?

東京大学の研究員で、プロ棋士に初めて勝利した最強将棋プラグラム「ポナンザ」を作成して著者はこう言います。

「人工知能という言葉の定義は明確には定められていません。」

えっ!

・・・

人工知能という言葉の定義はないそうです。そもそも「知能」という言葉の定義が明確ではないから、人工知能とは何か?という問いにも答えることはできないと著者は言います。

これでは、話が終わってしまいます。

 

安心して下さい。
人工知能がどのようなものか、人工知能とはとどのつまり何なのか、これでもかと言うほどに分かりやすく書かれてあります。

人工知能の定義とはという学術的なことはさて置いて、今実際に人工知能研究の最前線の現場で行われていること、世間で人工知能と呼ばれているものの仕組みが豊富な例を用いて解説されています。

人工知能とは何のかということについて、これほど具体的にかつ抽象的な意味も含めて分かりやすく書かれている本は他にないと思います。

 

先ほど知能の定義はないと言いましたが、著者は自身の考えをこう記しています。

知能とは画像である。

なるほど。

確かに私たちが普段何かを脳で認識するときは、必ず情報を画像に変換している気がします。たとえ文字であれ、数字であれ、最終的には画像に落とし込まないと人間は本当に理解して記憶できないかもしれません。

 

 

人工知能とは投機的学習の積み重ねである。

人工知能とは黒魔術である。

この本を読んでわかったこと、それは人工知能とは偶然的学習を何億回、何兆回と重ねていくことで進化するということです。
それだけと言えば、それだけ。

そして、偶然的学習であるがために、もはや開発者でさえもなぜ人工知能が進化しているのかわからないとのこと。まさに投機であり、黒魔術。

最初の一歩は人間が「教師」としての役割を担って機械に思考を埋め込む(要するにプログラミングするということ)。ただ、その後はAIは自ら機械学習を繰り返すわけですが、それは美しい効率的な学習とは程遠く、行き当たりばったりで試行錯誤の繰り返し。

開発者自身ですらAIが何を学習しているのか、もはやわからないとのこと。

人間の知力を超えたAIが(現にプロ棋士に勝っている)、さらに昼夜関係なく永遠と機械学習を繰り返します。そうするといづれ、人工知能は人類史上最も天才と呼ばれるアインシュタインをも余裕で超越してしまうそうです。いや、すでに超越してるそうです。

 

 

人工知能が狂暴化して人類を亡ぼす、、とはハリウッド映画でありそうなストーリーです。しかし、これは決して非現実的なことではないと。

なぜなら、人工知能には「知能」はあっても「知性」はないからだと(今のところは)。

著者曰く、知性とは「そもそも、何をすべきか?」という目的を設計できる能力です。

将棋で人間に勝つようにプログラミングされたAIに知性がなければ、対局相手の人間を殺してしまえば不戦勝できると、こんな恐ろしい判断をしてしまうかもしれません。目の前の対局相手が急に心臓発作で倒れても、無視して対局を続ける冷酷な存在になってしまうかもしれません。

知性とは倫理観と言い換えていいかもしれません。

これが現代の人工知能でも欠けている点だそうです。

でも、将来的には人工知能は「知性」すらも持つようになると著者は言っています。

人工知能はすでに人間世界にある情報から学び取ります。つまり、私たち人間が正しい倫理観を持つことが、人工知能に正しい倫理観を植え付ける最善の方法だと著者は言います。

私たち人間が、いつも親切で誠実でいれば、未来のロボットも親切で誠実な存在でいてくれるということです。

「知性」という意味では、人工知能は私たちのコピーになります。
しかし、「知能」という意味では、人工知能は私たち人間の能力を遥かに超えていきます。

進むべき道を指し示すのは、やはり私たち人間なのです。
正しい道を示してさえあげれば、後は人工知能が驚異的なスピードで学習して人間の知能を超えてしまいます。

人工知能に「倫理観」を入れる必要があります。

人工知能はその倫理観を、おそらくディープラーニングによって人間から学ぶことになるということです。

 

 

 

IBMの株価が低迷しています。

以前、読者様がコメントして下さったことですが、IBMはもはやベンチャー企業に戻っていると言えるそうです。もちろん、IBMのキャッシュフローを見れば既存ビジネスが潤沢なキャッシュを生んでいることが一目瞭然なので、本当の意味でのベンチャーとは違いますが。

ベンチャーというのは、AIの研究という意味でですね。

IBMが研究している人工知能(AI)が将来きちんと投資回収できるのか、マーケットは不安になっているからIBMの株価の上値は重いのでしょう。

なるほど、それもそのはず。

だって、人工知能は進化は投機的であり黒魔術であり、最強将棋AIを開発した著者ですらもその学習の詳細な仕組みがわからないと言うのですから。

そりゃマーケットも戸惑うわけですよ。

この本を読んでIBMの投資判断に役立つ、とまではさすがに言えません。

ただ、人工知能とはどういうものか?
人工知能がどういう方法で学習して進化していくのか?
ということが、具体的な例を多く用いて大変分かりやすく記載されています。

人工知能についての理解がとても深まります。

 

難しい内容を、いかに面白く楽しく分かりすく読者に伝えるのか?
具体的な例をたくさん出しながらも、具体に終始することなく、いかに本質的な理解をきちんと読者に伝えるのか?
ブロガーとしても学ぶことが多かったです。

 

やっぱりね~、こういう未知の専門領域について知る時は、文字ばっかりの意識高い系な本よりこういうカジュアルな本が正解なことが多いですね。

激おススメ。

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質