ウォーレン・バフェット氏がここ最近ガンガン買い増している銘柄と言えばアップル(AAPL)です。アップルはスティーブ・ジョブスが創業した、言わずと知れた超一流スマホメーカーです。私は25歳くらいの頃からiPhoneを愛用しており、このまま一生使い続けそうな気がします。根っからの大ファンってわけじゃないんですが、iPhoneは使いやすくてお気に入りです。

アップルは利益率も抜群に高いです。純利益率は20%超で、営業利益率は約30%もあります。毎年500億ドル近いフリーキャッシュフローを生み出し、株主還元にも積極的です。2018年は税制改革の影響もあって、1000億ドルという莫大な額の自社株買いを発表しています。配当も16%アップを公表しています。

高収益優良企業のアップルの株価は6月11日現在191ドルで史上最高値付近にあります。一見すると、割高でここから投資してもリターンは少ないように見えるかもしれません。

しかし、アップル株はまだまだ割安な可能性があります。

珍しく具体的に目標株価を言ってみます!
ま、直感で言っている面もあるので軽く聞き流して下さいね。

アップルの株価は現在より33%UPの255ドルまで上昇しても不思議ではないと思います!

 

株のバリュエーションを決定するのはこの2つ。
・将来の利益成長見通し
・将来の利益安定度

PERなどで表される株のバリュエーションは、何を基準に決まっているのでしょうか?

一つは将来の利益成長の見通しです。当然ですよね。将来の利益が今よりもっともっと成長すると期待されているなら、PERは高くなります。

ビザ(V)のPERは30倍と市場平均を超えていますが、ビザの利益成長が市場平均より高いと期待されているからこのような高いPERになります。AT&T(T)のPERは約10倍で市場平均の3分の2程度しかありませんが、それはAT&Tの利益成長がほとんど期待されていないからです。

将来の利益成長期待が高い→高PER
将来の利益成長期待が低い→低PER
これが原則です。

 

もう一つ、株のバリュエーションに影響を与える要素があります。
なんでしょうか?

それは、将来の利益見通しの安定性です。安心感と言ったほうがよいかもしれません。

「この会社は50年後も間違いなく存続し続けて、利益を上げ続けるはずだ。」と投資家に思わている銘柄のPERは高くなります。たとえ利益成長力が緩慢であっても、PERが高くなることがあります。俗に「債券の代替的存在」なんて言われることもあります。生活必需品セクターにはこれに該当する銘柄が多くあります。

たとえば、コカ・コーラ(KO)のここ10年の一株当たり利益の成長率は約7%です。インフレ率を加味すれば、実質成長率は5%ほどでしょうか。売上高はフランチャイズ化を進めている影響もあって、この10年でほとんど成長していません。利益・売上高ともに成長率はS&P500平均を下回っています。炭水飲料市場は先進国を中心に縮小傾向ですし、市場平均を下回るのはやむを得ないでしょう。

そんな成熟企業のコカ・コーラですが、PERは20倍もあってS&P500平均の16倍を超えています。

将来の利益成長が低いにもかかわらず、コカ・コーラのPERが20倍もあるのは、同社の利益安定度が極めて高いと評価されているからです。コカ・コーラブランドはこれから10年、20年も盤石で、世界でコーラを始めとした飲料水はバカ売れし続けるだろうとマーケットは評価しています。

 

まとめるとこうなります。僕はこの表のどこに当てはまるかな~と考えています。こんなにうまく4つに区分できるわけないのですが、考えの整理のためにこうやってカテゴリライズします。

たとえば、
ビザは右上(高PER)、
コカ・コーラは右下(中PER)、
AT&Tは真ん中下(低PER寄り)
って感じです。

 

あなたは、アップルはこの表のどこに入れますか?

あなたなら、アップル(AAPL)をこのHiro独自作成の表のどこにマッピングしますか?

現在のアップルの予想PERは約15倍と低めです。なぜ、マーケットはアップルのPERを市場平均以下で評価しているのでしょうか?

まずiPhoneの成長が鈍化していることが挙げられます。iPhoneの2018年1月~3月の出荷台数は前年同期比で3%の増加にとどまりました。スマホ市場は成熟化しています。

実際に売上高は伸びていません。以下は最近10年間のアップルの年間売上高推移です。

しかし、このまま売上高が右肩下がりになるとは思えません。アジア新興国が豊かになれば高価なiPhoneを購入できる人が増えるでしょう。また、デジタル広告事業や音楽ストリーミングなどの新サービスの拡大を模索しており、いずれ売上高UPに貢献することでしょう。アップルはサービス売上の拡大に力を入れており、現在の同事業の年間売上高は300億ドルを超えるまでに成長しました。

ってことで、アップルの売上・利益成長は普通程度で、市場平均くらいは見込めると思います。

にもかかわらず、アップルのPERは低く市場平均以下ですよね。

なぜか?

それは、アップルの利益安定度がマーケットに評価されていないからです。

マーケットはアップルをこの辺に位置付けていると思います。
コカ・コーラと対比させてみました。アップルは利益成長見通しという点では、コカ・コーラよりもやや高く評価されていると感じます。しかし、利益安定度でかなり劣るとみなされていて、結果としてPERは低く評価されています。こんなイメージを持ってます。あくまでイメージですよ。

私は、このマーケット評価がちょっと疑問なんです。自分がマーケットより賢いとは思ってないのですが、ちょっとアップルの実力を世の投資家は過小評価してるんじゃないかって感じてます。だから、バフェットは積極的に投資しているのかもしれません。

アップルの利益安定度ってコカ・コーラに匹敵すると思うんですが、あなたはどう思います??

デバイスに頼らずサービス売上の割合が高まっていけば、営業キャッシュフローはますます安定します。スマホって生活必需品だと思うんです。少なくとも私にとってはそうです。いや、通勤電車の中を見渡せば、みんなスマホをいじっていますから、私だけじゃなく大半の人にとってスマホは生活必需品ではないでしょうか。

飲料メーカーと比べるのはちょっと酷かもしれませんが、アップルの利益安定度ってかなり信頼できます。景気循環銘柄ではなく、景気安定銘柄に属すると思います。実際に毎年のキャッシュフローはめっちゃ安定してますし。

勝手な持論ですが、アップルをこの辺に移動させたいです。
利益成長見通しはそのままとして、利益の安定度の位置をもっと右側にしたいです。コカ・コーラの近くです。コカ・コーラより利益成長見通しはちょい上で利益安定度はちょい左、こんな感じです。僕のアップル株の位置づけはこの辺なんです。

仮にこの僕の意見が正しいとします。アップルはコカ・コーラと同じくらいのPERで評価されるべきだとします。コカ・コーラと同じPER20倍で値付けされるとします。

もしアップルのPERが20倍になるとすれば、株価は255ドル付近です。

これは最近のバロンズ記事の抜粋です。このバロンズを読んで、今回の記事を思い付きました。

本誌(バロンズ)がアップルに対して強気である主な理由は、同社が強力なエコシステムを有しており、経常的なサービス収入を獲得できるため、投資家がバリュエーションを押し上げる可能性があることだ。

バロンズ


そうそう、同意です。中国のスマホメーカーがアップルの脅威になっていると言われます。HuaweiとかOPPOですね。ただやはり、アップルと比較するのは無理があると思います。なぜなら、アップルは強力なエコシステムを構築しているからです。そのエコシステムが適切に評価されれば、投資家はアップルのPERをググっと押し上げる可能性があります。

App Storeを通じて100万を超えるアプリをダウンロードできるし、エンジニアも豊富にいます。大量発注することで製造原価を低く抑えています。アップルを中心にエコシステム(経済圏)ができ上がっており、その牙城を崩すのは不可能に見えます。

アップルってコカ・コーラと同じPER20倍くらいで評価されても何ら不思議ではないと思うのです。
考え過ぎでしょうか?

私は配当利回りが最低でもS&P500平均はないと投資しない方針です。配当が好きなもので。なんで、アップルには投資していませんが、アップルは収益力的にもバリュエーション的にも超有望だと思ってます。