2020年は2019年ほどの株価上昇は期待できない。予想リターンはせいぜい5%程度だろう。てな感じでニュース等でよく言われますね。

株のリターン=株価の値上がり、という認識が一般的です。確かに、投資リターンは最終的には値上がり(キャピタルゲイン)と配当(インカムゲイン)の二つに集約されます。

しかし、実質的な短期の株主利益は株価変動では測定できません。株価なんてミスター・マーケットの感情次第でふらふら上下します。

株主になるとは企業の一部を所有するということです。企業の利益のうち、あなたの持分割合相当が株主としてのあなたの利益です。株を長期間保有して、その小さな利益をコツコツ積み上げることで大きな果実が育ちます。株主利益が株価に反映される、ないし配当として受領することで株主利益が蓄積していきます。

企業利益=株主利益です。長期投資家として絶対に忘れはいけない視点です。株価チャートにお祈りしてもダメ。しっかりと決算データという現実を追っていきましょう。

私は毎年末or年始に自分のポートフォリオの予想利益(理論値)と予想配当を計算しています。「ああ、自分の株式ポートフォリオは来年1年で〇〇万円の不労収入を稼いでくれるんだな」という経済的事実(期待)を確認するためです。

2019年も行いました。2020年も当然やりますよ。さっき、スタバで計算しました。計算式は単純です。

予想株式利益=保有株数×予想EPS

保有株数って普段はあまり意識しませんよね。専ら金額に目がいくかと思いますが、たまには保有株数も意識してみましょう。保有株数に予想EPS(一株当たり利益)を掛ければ、その銘柄が翌年に稼いでくれる予想利益を算定できます。

私のポートフォリオの2020年予想利益

上記の算定式でポートフォリオの予想株式利益を算定しました。なお、EPSがわからないETFは合理的な利回りを乗じて計算しました。具体的にはHDVが7%、VIGが5%です。PERから逆算するとそんなもんかなと。ざっくりです。

では、算定結果を紹介します。

予想利益は16,161.6ドルとなりました。1ドル109円で換算すると176万円です。2020年の追加投資も考慮すると180万円~190万円といった感じかな。ざっくり200万円弱の不労収入がある見込みです。

もちろん、あくまで予想利益です。リセッションに陥れば各社利益は減るでしょうし、正確な予想はできません。そこはリスクのあるエクイティですから仕方ありません。

不確実性があるとは言え、1カ月15万円~16万円、1日あたり5千円以上の利益です。しかも完全不労。株式最高や。余裕で都内の一人暮らしの家賃が払えます。てか、生活費全般を賄えます。

あなたの2020年の株式利益はいくら位になりそうですか?

株価だけにとらわれることなく、しっかり利益を見つめるためにも年1回くらい計算してみることをオススメします。

ちなみにETFであれば、ざっくり益回りを乗じるだけで十分です。たとえば、S&P500ETFであれば同指数の2020年予想PER18倍から計算される益回り5.6%を掛ければOKです。500万円のS&P500ETFを保有しているとしたら、2020年予想利益は28万円です(500万円×5.6%)。

私のポートフォリオの2020年予想配当

先ほど紹介した予想利益はあくまで理論値(というか会計上の利益)であって、実際に入金があるわけではありません。入金があるのは配当だけです。

というわけで、2020年予想配当も計算しておきます。普段なら配当利回りから計算しますが、せっかく保有株数を確認したので「保有株数×DPS(一株当たり配当)」という式で予想配当を計算してみます。あ、ここでもETFだけは利回りから計算します。

2020年の予想配当は8,941ドルとなりました。同じく1ドル109円で換算すると97万円となります。追加投資を加味すればギリギリ年間配当100万円に到達しそうです! ついに3桁の配当が視界に入ってきました。

配当は利益ほど不確実ではないので、上記金額の入金があるのはほぼほぼ固いです。不労収入(入金ベース)で100万円もあるなんて信じられません。学生時代のバイト収入を上回るお金を、何もせず家で一日中ゲームしてても稼げるんです。これが株式投資の力です。こういう計算をすると、今まで投資を続けてきて良かったと心から思えます。決して皮算用ではない現実です。

200万円、300万円を目指して頑張っていきたいです。

現在の保有株式時価は2,760万円ですから、私のポートフォリオの加重平均配当利回りは3.5%(97万円 / 2760万円)ということになります。100万円という配当は高利回りに支えられています。アルトリア(MO)やIBM、アッヴィ(ABBV)などの高配当銘柄にたくさん投資しています。将来の成長に対するマーケットの不安心理が高利回りをもたらしている面もあります。配当をドンドン増やしたい気持ちがあるものの、目先の利回りに誘惑され過ぎず、長期的な視点を持って投資を続けていきたいです。

アップルは株価が上がり過ぎて配当利回りは1%を割ろうとしています。私が投資した昨年末時点では2%近くあったんですけどね。2%なら許容範囲内ですが、1%は個人的には無理です。だからって売るわけじゃありませんが、今アップルに追加投資することはありません。早く増配して利回りを引き上げて欲しいものです。

見るべきは配当よりも利益

2020年の予想利益と予想配当をそれぞれ算出して紹介しました。

どちらも計算する価値はありますが、より重要なのは配当よりも利益です。配当は利益のうちどれくらいを配当に回すか(=配当性向を何%にするか)という、会社の裁量で上下します。

企業の実力を示すのは配当ではなく利益だし、最終的に株主利益に反映されるのも配当ではなく利益です。地道にEPSを積み上げていく発想が大切です。