※2022年1月期(FY21)決算データ反映、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はウォルマート(WMT)をご紹介します。

基本情報

会社名ウォルマート
ティッカーWMT
創業1945年
上場1972年
決算1月
本社所在地アーカンソー州
従業員数230万人以上
セクター生活必需品
S&P格付AA
監査法人EY
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別情報

地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報

セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

セグメント利益推移

セグメント利益率推移

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

49年

過去10年の配当成長

年率+4.2%

この10年で配当は1.5倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2012~2021):+11.8%
過去20年(2002~2021):+6.8%
過去30年(1992~2021):+11.8%

バリュエーション指標(2022/4/12時点)

予想PER:23.3倍 最新情報はこちら

配当利回り:1.5% 最新情報はこちら

コメント

ウォルマート(WMT)は世界最大の小売りチェーンです。「エブリデーロープライス(EDLP)」を掲げており、低価格で商品を提供することをモットーとしています。

米国の中間・低所得層の人々にとって欠かせない生活インフラとなっており、小売り事業ながら生活必需品セクターに分類されています。コロナ禍で経済はシャットダウン状態でも、堅調な業績でした。

売上高の82%が米国です。

事業セグメントは以下の3つ。
ウォルマートUS
ウォルマート・インターナショナル
サムズクラブ

事業セグメントというより地域セグメントに近いです。「ウォルマートUS」は米国内(プエルトリコ含む)での小売事業とネット通販ビジネスを管理しています。全米で4,742店舗を運営しています。

「ウォルマート・インターナショナル」は米国外26カ国での事業を管理するセグメントです。もっとも店舗数が多いのがメキシコで2,589店舗あります。

「サムズクラブ」は米国とプエルトリコで運営されている1983年創設の会員制スーパーマーケットです。コストコみたいな感じでしょうか。年会費は通常45ドル/年、キャッシュバック付き会員の年会費が100ドル/年です。全米で600店舗を展開しています。

2016年9月にオンライン販売のジェット・ドット・コムを33億ドルで買収しました。 ネット通販に力を入れアマゾンに競争で負けない為の戦略です。

中国でもネット通販に力を入れており、アリババに次ぐ中国第2位の電子商取引業者であるJDドットコムに出資しています(発行済み株式の10%を保有)。また、インド最大の電子商取引会社フリップ・カートの株式77%を160億ドルで取得しました。中国、インドという成長市場へも着実に進出しています。

財務データを確認してみましょう。

FY21の売上高は5,726億ドルで前年比+2.4%。前年もコロナ禍の巣ごもり需要で堅調な売上でしたが、FY21はそこからさらに成長しました。米国民の強い消費需要に加えて、インフレが売上高を押し上げました。

部門別の前年伸長率は以下の通り。
ウォルマートUS:+6.3%
ウォルマート・インターナショナル:▲17%
サムズクラブ:+15%

FY21の純利益136億ドルで前年比+1%。

総資産の約7割を占める固定資産の大半が土地、建物、その他設備などの有形固定資産です。のれんや無形資産はそれほど多くありません。自己資本比率も高めで財務安全性は高いです。S&P格付けはAA。

49年連続増配の配当貴族。コロナ禍でも自社株買いを毎年継続。FY21は97.8億ドルと過去最高の買い戻しを実施しました。