Grow Rich Slowly シーゲル流米国株投資で億万長者になる!

米国株投資を通じて資本主義社会を豊かに楽しく生きる

*

【WMT銘柄分析】ウォルマートは世界最大の小売りチェーン 「エブリデーロープライス」でお馴染み

      2018/04/11

※2018年1月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/4/10)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はウォルマート(WMT)をご紹介します。


    ウォルマート財務情報

基本情報

会社名 ウォルマート・ストアーズ
ティッカー WMT
創業 1945年
上場 1972年
決算 1月
本社所在地 アーカンソー州
従業員数 2,300,000
セクター 生活必需品
S&P格付 AA
監査法人 EY
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

 

地域別売上高

米国と中南米で8割以上を占めるはず。

 

事業構成

※サムズクラブ=会員制のスーパーマーケット

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

負債純資産

 

株主還元

この記事を読むともっとこのグラフを理解できます!

 

連続増配年数

43年

 

バリュエーション指標等(2018/4/10時点)

PER:26.3倍 最新情報はこちら

配当利回り:2.4% 最新情報はこちら

配当性向:42% 最新情報はこちら

 

感想

ウォルマート(WMT)は世界最大の小売りチェーンです。「エブリデーロープライス(EDLP)」を掲げており、低価格で商品を提供することをモットーとしています。米国の中間・低所得層の人々にとって欠かせない生活インフラとなっており、小売り事業ながら生活必需品セクターに分類されています。

直近FY17の売上高は約5,000億ドルと同業のコストコホールセールやクローガー、ターゲットを遥かに上回る規模で、小売り業界の巨人であることがわかります。世界15カ国に進出しており、日本では西友として事業展開しています。私は家から歩いて3分の所に西友があって毎週末お世話になっています。

アマゾンがホールフーズ・マーケットを買収して既存のスーパーマーケットに脅威を与えましたが、ウォルマートはうまく立ち振る舞っています。2016年にオンライン販売のジェット・ドット・コムを33億ドルで買収しました。そのおかげで、2017年7-9月期決算ではオンライン事業の売上高が前年比50%以上も伸びました。全社の売上高に占めるオンライン売上高の割合はまだ小さいですが、今後大きく拡大していくことでしょう。WMTが全米に網目のように持っている物流網とネット通販の融合には、高いシナジーが期待できると思います。

M&Aを進める一方で、100店舗以上の閉鎖を2015年に実施しています。店舗数を急いで拡大するのでなく、1店舗の収益性が高くなるよう既存店舗の改修に力を入れています。ウォルマート経営陣は、今後新規店舗の開設を最低限に抑え、さらに販管費割合(販管費 / 売上高)を引き下げる計画を示しています。メリハリのついたお金の使い方によって上手く事業戦略を転換しています。

中国でもネット通販に力を入れています。アリババに次ぐ中国第2位の電子商取引業者であるJDドットコムに出資しています(発行済み株式の10%を保有)。中国市場は共産党とのお付き合いが大切であり、現地の大手企業との提携は不可欠ということでしょう。規模はかなり違いますが、中国トップのアリババに共同で挑むといった感じです。アリババは中国のアマゾン的な存在で強敵ですが、ウォルマートとしては巨大な中国市場に参入しないという選択肢はないでしょう。

もう一つ最近大きく報道されたのが、米医療保険大手ヒューマナの買収です。まだ交渉段階ですが、予想される買収金額は500億ドル前後と思われます。ネット通販事業強化に向けた投資を続けながら、ここまで大規模なM&Aを仕掛けてくるのは驚きました。ヒューマナは高齢者向けの医療保険やPBM事業(薬剤給付管理)を手掛けています。ウォルマートとしては店舗でのヘルスケアサービスを充実させて、顧客来店数を増やしたい狙いがあります。

ネット通販事業強化のためにジェット・ドットコムを買収。そして実店舗事業強化に向けてヒューマナ買収を仕掛けています。小売りの巨人ウォルマートが資金力を活かして攻勢をかけているように見えます。アマゾンの脅威がウォルマート経営陣に危機感を抱かせています。

 

財務データを確認してみましょう。

売上高は10年間で緩やかに成長しています。直近FY17は初めて売上高が5,000億ドルを超えました。5,000億ドルって日本円で50兆円以上です。日本のGDP540兆円の約1割、、まさに小売り界の巨人ですね。粗利率は25%ほどあり小売り業としては高い印象です。今後ネット通販事業が軌道に乗れば、売上はより拡大し粗利率も向上すると期待されます。

グラフからは読み取りにくくて申し訳ないのですが、FY17は純利益が過少になっています。昨年の税制改革によって米国外で稼いだ利益に低率(15.5% or 8.0%)で強制課税されることとなり、米国外子会社の留保利益に対して19億ドルの繰延税金負債を計上したためです。一時的な費用です。実績PER26倍は実態を表していないので注意しましょう。

営業CF、フリーCFともに安定しています。FY16からフリーCFが改善傾向ですが、新店舗開設を抑制している効果だと思われます。

バランスシートを見てましょう。BS構造に大きな変化はありませんね。ジェット・ドットコムの買収やJDドットコムとの資本提携などありましたが、WMTの総資産規模を考えれば影響は軽微ということが分かります。約7割を占める固定資産の大半が土地、建物、その他設備などの有形固定資産です。のれんや無形資産はそれほど多くありません。自己資本比率も高めで財務安全性は高くS&P格付けは「AA」です。ただし、ヒューマナの買収提案が当局審査を通過した場合、長期債務が大幅に増加すると思われます。

43年連続増配の配当貴族です。アマゾンの脅威には巧く対応できいるようですし今後高い増配が期待できそうです。2017年に株価がグングン上昇し昨年11月時点で配当利回りは2.1%にまで下がりました。現在はやや落ち着いて利回り2.4%まで戻っています。アマゾンが既存の小売りビジネスをぶっ壊すんじゃないかと投資家は怯えていますが、ウォルマートのようにブランド力と資金力、そして優秀な経営陣がいる企業は今後も安泰だと思います。

 - 米国株銘柄分析