この前、会社の同じ経理部の同僚(と言ってもHiroより5つ年上)と珍しく投資の話をしていました。
その同僚は株式投資は一切していない全額普通預金派の人です。

私は株式投資について社内であまり話しませんが、一応米国株に投資しているという事実はチーム内では知り渡っています。

同僚「Hiroあんたどういう株買ってるの?」

Hiro「ああ、まあコカ・コーラとかエクソンモービルとか、そういう有名企業だけ買ってます。」

同僚「え~、、エクソンモービルなんで?、エクソンモービルはもうダメやろ?、これから株価は右肩下がりでしょ?? なんでエクソンモービルなんか買ってんの?」

Hiro「ええまあ、でもさすがに右肩下がりではないと思いますよ・・」

 

 

こういう専門家ではない素人の率直な生の声って大事だと思います。

自分でリサーチしても集まるデータ数はたかが知れていると思います。会社の知り合いや友人の数にはどうしても限りがありますから。
それでも書籍を読むのではなく現実に人が何を考え思っているのかを知ることの意味は大きいと思います。

なぜかと言えば、書籍等で学んだ抽象的な投資理論が実際に現実世界に当てはまっているのかを確認できるからです。
また、抽象的な投資理論を実際の投資で実践していく際に、どう具体化していけばいいか検証できるからです。

『株式投資の未来』などを読んだおかげで、長期投資で高いリターンを求めるならただ高い成長ができる企業の株を買ってもダメだと知りました。
そうではなく、成長も確かに大事だけど、いかに投資家期待が継続して低い企業の株を買うかが大事だと知りました。

長期投資のリターンは、実際の成長がどれだけ投資家期待を超えるかで決まります。

自称長期投資家の多くは、高い成長=高い株式リターンだと信じています。
だから、新興国株へたくさん投資してたりします。
私も以前は、東南アジアや中国などにガンガン投資していました。

でも、それは正しいとは言えない。
その高い成長がすでに株価に織り込まれていたら何の意味もない。
むしろ、その成長が過剰に株価に反映されている恐れすらある。

長期投資では高い経済成長、企業成長よりも、コーポレートガバナンスの方がよほど大切です。
株主のお金をどれだけ大切に使ってくれるのかという視点ですね。

 

 

投資家の期待、マーケットの期待が低い銘柄って言われても具体的にどの銘柄なの?
って思いますよね。

いくら書籍でシコシコ一生懸命勉強しても、その勉強で学んだ知識や理論を現実世界に当てはめることができなかったら何の意味もないですよね。
概念的な哲学の勉強ではなく、実利的な株式投資の勉強をしてきたわけですから。

マーケットの期待ってアナリストや専門家の意見よりも、一般人の意見の方が参考になるなと思います。
個人投資家の資金はもちろん、ファンドの資金も出所末端は一般個人投資家のお財布です。

彼ら彼女らが株を、ファンドを売買することで、株価が上下するわけですから。
ファンドマネージャーは解約申請があれば、否が応でも売らざるを得ません。

 

 

「エクソンモービルなんて石油企業なんだからこれから右肩下がりでしょ。こんな株持っても儲からないでしょ」
というのは、私の同僚たった一人の意見に過ぎません。

この1人の意見を敷衍して、マーケットはエクソンモービルの未来に悲観的であると結論付けるのは乱暴すぎると理解しています。
しかし、何ら利害関係のない一般人の率直な意見として参考になると思います。

エクソンモービルの株価に期待していない点では、私もこの同僚も同じです。

私はエクソンモービル株に150万円以上投資していますが、エクソンモービルの株価にそれほど期待しているわけではないですよ。
30年後、エクソンモービルとアルファベット(グーグル)とでどっちの方が株価が伸びるかって聞かれたら、即答でグーグル!って答えます。

それでも、グーグルではなくエクソンモービルに投資しているのはなぜか?

それは、株価成長と株主リターンは長期では連動しない、高い株価は配当再投資の効率を下げて投資リターンを押し下げると知っているからです。
(グーグルは無配ですが。)

多分、このブログを普段読んで下さっているあなたもきっとそのことを理解されていると思います。

知っている事実は一緒でも、それをどう解釈するかは人によって違います。
同じ景色を見ているようでも、人によって見え方は全然違います。

同じ虹を見ても、5色に見える人、7色に見える人、12色に見える人、いろいろいるわけです。
男と女とでも見えている景色は違うでしょう。
(多分、女性の方がたくさんの色を見ることができると思う・・)

その違いが、考えや発想の差異が富を生みます。
投資に限らず。

その差異はどうやって生み出せばいいのか?
それは勉強でしょう。

勉強って別に机に座ってテキスト読むだけの、学生的な勉強という意味だけでなく。
自分の頭脳と体にお金と時間を投資して、人には見えない世界を見えるようになることで差異を作れるのではないでしょうか?

良いか悪いか、人は自分に他人にはない新鮮な視点があってもそれに気づかないことがあるようです。
自分の脳内フィルターが当たり前になり過ぎて。

それは謙虚で良いことだと思いますが、そういう人とは違う自分の視点を持っていることは大切にしたほうがいいと思います。

世の中の99%の人は、
石油企業(エクソンモービル等)
=衰退産業
=株価はそんなに上がらない
=長期投資で儲からない
と思っています。

でも、多分あなたはそんなこと思っていないはずです。
石油企業が衰退産業かどうかはわかりませんが、
株価はそんなに上がらない
=長期投資で儲からない
なんてことはありません。
(もちろん株価も大事ですけど。)

 

 

資本主義社会はきちんと努力して勉強した人が金銭的に報われるようになっていると思います。
努力とリターンはそれなりにうまくバランスが取れるようになっていると感じます。

日本は社会主義的資本主義と言われますから、サラリーマン業を頑張ってもそれがそのまま報われるとは思いません。
ですが、株式投資は純粋資本主義の世界です。
株式投資で得た利益は、税金を除けば1円残らずあなたのものです。

せっかく時間かけて勉強した株式投資でしょうから、それを実世界にきちんと当てはめてガッチリ儲けていきたいものです。

エクソンモービルなどの石油企業は長期投資のポートフォリオに含める価値があると思います。