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大統領選挙後、フィリップモリス(PM)の株価が暴落した理由

      2016/12/27

11月8日の大統領選を境に相場の潮目は変わりました。

トランプ氏が大統領になればリスクオフが加速し株は売られると散々言われていましたが、蓋を開けてみれば株価は大きく上昇し、NYダウ、S&P500、ナスダックの3主要指数が仲良く史上最高値を更新しました。投資家に素敵なクリスマスプレゼントということでしょうか。

クリスマスプレゼントを貰えなかった残念な人がいます。債券投資家です。トランプ当選後から債券は叩き売られ、債券利回りは急上昇しました。

そして、債券利回りの上昇を受けて高配当ディフェンシブ株も売られました。債券の代替と考えられているこれらの景気安定株は債券利回りが上昇すれば、より高い配当利回りを提供しないと投資家が買わないということです。

そこまではいい、教科書通り。

でも、僕は個人的に疑問に思っていることがありました。それはフィリップモリスの株価だけ下落し過ぎだろ!ということです。なぜだ!と思っていました。

確かに、フィリップモリスは高配当銘柄の中でも特筆して高い配当利回りがある銘柄なので、米国金利上昇に敏感に反応するのかもしれない。でも、とは言え他のコカ・コーラやプロクター&ギャンブル、アルトリアに比べて下落し過ぎではないか?

特にアルトリアとフィリップモリスとは同じたばこ銘柄なのに、なぜフィリップモリスだけこんなにも下落しているのか?

直近3カ月のPM、MO、KOの株価推移です。

青がフィリップモリスですが、グラフ真ん中あたりでカクッと下がっています。大統領選があった日です。もちろん、アルトリア(赤)とコカ・コーラ(橙)も下がっているのですが、フィリップモリスほどではない。

私はなぜフィリップモリスだけこんなに下落しているのか疑問でした。

が!、よく考えたらそれはごく自然な理由でした。

てか、なんで気付かなかったのか今では自分が不思議です。

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  PM小暴落の理由

大統領選後にPMの株価下落が著しかった理由、それは為替ですね。ドル円の為替というか、ドルの実効為替相場です。

フィリップモリスは2008年にアルトリアの米国外部門として分離独立した会社です。米国の訴訟リスクから切り離すことが目的と言われています。

つまり、フィリップモリスの売上高のすべてはドル建なわけです。

だから、当然ドル高には弱い。ドルが強くなるということは、相対的にユーロや円が弱くなるということですから、フィリップモリスのユーロや円の売上高をドルに換算した金額は目減りしますよね。

直近1年のドルインデックス指数です。ドル円の為替相場ではないですよ。ドルの価値がすべて通貨に対してどう変化したのかを表したグラフです。

11月から急上昇していますね。大統領選以降、ドル高円安が進んでいることは皆さまご承知のことかと思いますが、ドルは円だけでなくすべての通貨に対して上がっています。

ドルインデックスは14年ぶりの水準まで上昇しています。

ドルはユーロに対しても大きく上昇しています。1ドル=1.0ユーロとドルとユーロが等価(パリティ)になりつつあります。もしドルユーロパリティが実現すれば、それは2003年以来のドル高ユーロ安ということになります。

ドルユーロの為替レート推移です。やはり11月からドル高ユーロ安が進行している様子が見て取れますね。

ECBは2017年4月から債券買入額を月額800億ユーロから600億ユーロに減額し、実質的なテーパリングとの声も聞かれます。しかし、利上げをした米国に比べればまだまだ金融緩和的であることは間違いないです。

つまり、金利差拡大からユーロ安の流れは当面続きそうで、ドルユーロパリティは2017年には現実のものになる可能性が高いです。

フィリップモリスの売上高はユーロ建が最も多いと想定されます。円建ても結構あると思います。

だから、フィリップモリスの業績はこのドル高の影響をもろに被るということです。もちろんマイナス影響です。

フィリップモリスは金利上昇だけでなく、ドル高(特にユーロに対する)の影響も受けての株価下落だったのです。

フィリップモリスの株価が他の高配当銘柄よりも著しく下落したのは、ちゃんと理由があったのです。

  マーケットは合理的

残念な私は心の中でこう思っていました、「あれ!いくら何でもPMは下げ過ぎだろ!、これは買いのチャンスか!」って。

そして、実際にPM株を買いました。今個別株で保有している最大銘柄はPMで140万円近く保有しています。

フィリップモリス株は長期保有に足る優良銘柄なので、別に短期的なタイミングはそれほど気にせず長期保有配当再投資すればいいだけなんですが、割安に買えるに越したことはありません。

フィリップモリス株はちょっと割安かも!って思っていた自分は残念な投資家だったということです。株価が下落した分、PMの業績は下落することが予想されるわけですから、その分将来予想配当も減るはずです。

そもそも米国大型株の株価が割安に放置されるって滅多にありません。リーマンショックレベルの金融ショックが起こった時くらいだと思うべきでしょう。

マーケットは冷静にフィリップモリスの株価を値付けしていたようです。

この事実から学ぶべき教訓、それは米国大型株を買うのに変にタイミングを見計らっても意味はないということです。マーケットが付ける株価は大体合理的であり、自分がマーケットよりも賢いという傲慢さは捨てるべきです。

ミスターマーケットに惑わされず、コツコツ買い増すのが一番です。

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