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【自社株買いで株価が上がる理由】ケーキは大きく切るだけじゃ意味がない、食べないと

   

企業が自社株買いを発表すると普通、株価は上昇します。配当総額の大きな成長が見込みにくい成熟企業の経営者は、自社株買いをすることで株価を押し上げようと試みることが多いです。

自社株買いをするとなぜ株価が上がるのでしょうか?

結論からいいますが、自社株買いをすることで将来の予想一株当たり配当(DPS)が上昇するから株価は上がります。

 

 

自社株買いをすると必然的に多額の買い注文が入るから需給が逼迫して株価が上がるという人がいますが、それは本質ではありません。確かに株価は所詮需要と供給の均衡点で決まるのは事実ですが、その均衡点は最終的には株式の理論価値に収斂されます。

自社株買いで需給が逼迫して株価が上昇するというのは、自社株買いによる株主還元の本質ではありません。

株式の理論価値とは、将来配当の割引現在価値です。

株価=将来の一株当たり配当金 / 金利(割引率)

つまり、株価に影響を与える要素は将来の一株当たり配当金と金利(割引率)の2つということです。株の売買には多くの投資家の将来予測、感情が入り込むわけですが、ファイナンス的にはこの2つの要素にすべて集約されることになります。

株価が上がるというからには、一株当たり配当 or 金利のどちらか一方もしくは両方に影響を与えているはずです。

FRBが利上げして株安になるのは、そのままですが金利(割引率)が上昇するからです。

FRBが利上げしてむしろ株高になるのは、利上げが将来の経済成長を期待させ、それが企業の利益向上を期待させ、そしてそれが最終的に一株当たり配当が増加するんじゃないかっていう投資家の期待感を押し上げるからです。

リーマンショックで株価が大暴落したのは、金融システムが麻痺して投資家が株式市場の将来見通しを持てなくなり恐怖を感じ割引率(=リスク認識)が上昇したうえ、実体経済にも波及して企業の業績が悪化し将来の配当が減少するだろうという悲観的な予測がマーケットを覆ったからです。予想将来配当にも割引率にも悪影響を与えたダブルショック。

で、自社株買いが影響を与えるのは一株当たり配当 or 金利(割引率)のどちらでしょうか?

もちろん、将来の一株当たりの配当金ですね。

自社株買いをすれば発行済み株式数が減少します。既存株主一人当たりの取り分(配当)が多くなるわけです。配当総額が変わらなくても、一人一人が貰える配当金は増加することになります。

自社株買いをして発行済み株式数が減少して、一株当たり利益(EPS)が増加しますがそれは株価上昇の直接的な理由になりません。一株利益の上昇期待が、一株配当の上昇を誘発するから株価が上昇します。

以前、別の記事でご紹介した図なのですが、これが自社株買いのイメージです。

丸いケーキが利益規模を示しています。

ケーキ自体を大きくしなくても、今まで8等分だったのを4等分にすれば一人当たりのケーキは大きくなりますね。これが自社株買いをして発行済み株式数が減少して、一株当たり利益(EPS)が増加しているイメージです。

でもね、このままではダメなんです。

「わ~い、ケーキが大きくなった!」ってただケーキを眺めているだけでは意味ないんですね。

食べないと。

ケーキをいくら大きく切り分けてもらっても、結局それを自分で美味しく頂かないと意味ないですよね。

ケーキを大きく切り分けるのが一株利益(EPS)の上昇、その大きく切り分けてもらったケーキを実際に食べるというのが一株当たり配当(DPS)の増加というイメージです。利益=配当ってわけではないのであくまでイメージですが。

ちょっと無理矢理な変なたとえですみません・・

伝えたいことは、自社株買いをして株価が上がる理由は需給の逼迫でもなく、予想EPSが上昇するからでもなく、予想DPS(一株当たり配当金)が上昇するからだということです。

 

 

自社株買いに対して否定的な見解のニュースをたまに見ることがあります。自社株買いなんかせず、もっと設備投資しろと。そういう主張は株主からしたら余計なお世話だなって感じます。

株主利益を追求することが株式会社の使命です。もちろんすべてのステークホルダーに貢献して、社会の発展に貢献することが株式会社の使命であることも言うまでもありません。ですが、それは株主利益を追求していく中で自然に生まれるものです。というか、社会に貢献する事業を営んでいるからこその株主利益なので、どちらが先に来るというものもありませんが。

上記の図を見て頂ければ一目瞭然かと思いますが、自社株買いは確実に株主利益にプラスです。長期投資では、自社株買いを積極的に実施している株主想いの優良企業を選ぶべきです。

自社株買いでなぜ株価が上がるのか理論的に理解して、自社株買いを積極的に実施している企業にたくさん投資するといいと思います(長期投資では)。例えば、先日ご紹介したマクドナルド(MCD)なんて自社株買いに積極的な優良企業で長期投資向きだと感じます。

 - 投資理論・哲学