投資本は有名どころはほぼ読み尽くした感があるのですが、未だに休日によく大型書店に行って「おもろそうな本ないかな~」と物色しています。だいたい月に2冊くらいかな、パンローリングの書籍を適当に買って読んでます。

株式投資理論について新しい知識を得たいというより、単純なエンタメ目的で読んでることが多いです。やっぱファイナンス関連の本を読んでる時が一番楽しいです。

先日、池袋のジュンク堂で素晴らしい本に巡り合ったので紹介させて下さい。

「トレーディング」とタイトルにあるので、てっきり短期トレーダー向けの本かと思いきや、全然そんなことありませんでした。米国株長期投資家にピッタリの本。この本、タイトルで損してる気がするわ。。ダメもとで手に取ってみてよかったです。

この本が出版されたのは2007年ですが(日本では2009年出版)、著者は「長期のヒストリカルな株式の歴史に照らせば、米国株式は2020年ごろまでレンジ相場が続くはず。」と言っています。

概ね当たっているのではないでしょうか。すでに2000年当時の高値は超えているのでレンジ相場は終わっているのか、それともまだレンジ相場の範囲内なのかはわかりません。少なくとも2000年~2015年の15年間はレンジ相場だったと言えそうです。

この本には「ヒストリカルな株式の歴史」が詰まっています。レンジ相場、強気相場それぞれでS&P500のPER、EPSがどう変化し、株主リターンはどうだったのかしっかり数字で示されています。非常に興味深いです。

レンジ相場では配当がリターンの大半を占めるとのこと。なぜなら、PERが下がるので高いキャピタルゲインが望めないからです。逆に強気相場ではPERが上がるので、キャピタルゲインの重要性が増します。

著者はレンジ相場では、優良株のトレーディングでリターンを高めるという「アクティブなバリュー投資法」を推奨しています。実践できるかどうかは別として、優良株でもしっかりバリュエーションを見極めることが重要ということがよーくわかります。PERは重要な指標です。

本書の一番の肝は、過去200年の株式相場のデータが詰まった第一部です。ここだけで3000円の価値があると思います。

レンジ相場(弱気相場含む)→強気相場→レンジ相場・・・というサイクルは今後も続くでしょう。なぜなら、マーケットにいる投資家は感情ある人間だからです。楽観主義がマーケットを支配しPERを押し上げ(強気相場)、いつか目が覚めてPERが下がっていく(レンジ相場)ということです。

面白い。オススメです。
たまにこういう良書に出会うから本屋探索は止められない(笑)。

『バリュー株トレーディング~レンジ相場で勝つ~』