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優良ETFの意外な落とし穴

      2016/10/03

世の中のビジネスの厳しさを知っていて、そこそこマネー本を読んで勉強した人であれば、証券会社の対面で意味不明な高コストアクティブファンドを掴まされてはいけないと知っています。

私もそうでしたが、最初は低コストのインデックスファンドやETFに投資するのが最もコスパのいい投資方法と知ります。

最近のインデックスファンドは購入手数料はゼロ(ノーロード)で信託報酬が0.5%を普通に切っていますから素晴らしいと思います。
個人がここまで低コストにグローバル分散投資できる時代が既に到来しています。

インデックスファンドの優位性は低コストです。
銘柄選びに高年収のファンドマネージャーを必要としないから実現できる経費率です。

長期投資において手数料、特に保有期間中永久に発生する信託報酬はパフォーマンスを下げる大きな要因となります。

もう一つ、手数料以上に長期投資パフォーマンスを左右するのが税金。
なるべく税金が掛からないように投資戦略を練ることは大切です。

NISAや確定拠出年金は最大限利用すべきです。

含み益を安易に実現させずになるべく売却を先延ばしにして、税金支払いを遅らせるべきです。
ここは非常に大切。
キャピタルゲインを安易に実現させない、ということです。

キャピタルゲインを安易に実現させないとは、つまり購入したら保有し続けるということです。

この点、個別株式は問題ないですが、投資信託やETFには盲点があります。

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  Buy & Holdできていない

Buy & Hold 一度購入したら頻繁に売買せずに保有し続けることが大切です。
もちろん、誤った投資判断だったということであれば売却すべきですが。

なぜBuy & Holdが大切かというと、そもそも株式投資は長期で成果が出る性質だからというのもありますが、税金と手数料を無駄に払わないという理由も大きいです。

個別株式であれば問題ないのですが、投資信託やETFの場合、自分としてはある商品を購入して一度も売らずに保有し続けているつもりでも、ファンド内で頻繁に売買されている可能性があります。

S&P500指数に連動するETFを保有していたとしても、銘柄の入れ替えや比率変更によって多少の売買は必要になります。

高配当銘柄を集めたETFの場合、今まで高配当だったのに急な業績悪化で減配した銘柄を売却するとファンドマネージャーが決断することもあり得ます。

売買回転率がゼロのファンドは存在しないので、個別株式ではなく投資信託やETFを選択した時点で100%Buy & Holdは実質不可能なのです。

売買回転率が高く余りに頻繁にファンド内で売買されると、その分手数料や税金が掛かってしまいます。

ぱっと見では経費率も低く優良なETFに見えても、売買回転率が高ければパフォーマンスが落ちてしまいます。

売買回転率とは1年間でそのファンドがどれくらい売買しているかを示す指標です。
売買回転率が50%であれば、1年間でファンド中身の半分が入れ替わることを意味します。
2年間でファンドの中身が完全に入れ替わっているということです。

売買回転率は低いほうが良いと単純に解釈して良いと思います。

シカゴの投資信託調査会社モーニングスターが、アメリカの3650の株式ファンドについて調査したところ、銘柄入れ替え(回転)の少ないファンドの方が、頻繁に入れ替えるファンドよりも高いリターンを生み出していた。
10年間の期間で調査した結果、回転率が20%より低いファンドは、回転率が100%より大きなファンドよりもリターンが14%も高かった。

(『株で富を築く バフェットの法則』より抜粋)

  バンガードETFの売買回転率 VIGが高い

実際にETFの売買回転率を見てみます。
低コストで評判のいいバンガードの商品で調べました。

ティッカー 名称 経費率 売買回転率
VTI バンガード・トータル・ストック・マーケット 0.05% 3.5%
VOO バンガード・S&P500ETF 0.05% 3.4%
VT バンガード・トータル・ワールド・ストックETF 0.14% 6.8%
VYM バンガード・米国高配当株式ETF 0.09% 10.9%
VIG バンガード・米国増配株式ETF 0.09% 21.6%
VDC バンガード・米国生活必需品セクターETF 0.10% 5.8%
VDE バンガード・米国エネルギーセクターETF 0.10% 4.2%

S&P500連動などの単純時価総額加重平均(いわゆるインデックス投資)は比較的、売買回転率は低く、3%台です。

セクター特化型のETFは時価総額平均型のETFと比べるとやや高い回転率で、5%前後となっています。

売買回転率が高いのは高配当型のETF。
特に連続増配企業に投資するVIGは回転率が20%を超えています。
回転率が20%ということは、5年間で中身が完全に入れ替わるということです。

VIGは連続増配しているか否かが投資判断のキーなので、減配した銘柄を売却して増配している銘柄を新規購入しなければならず、回転率が上昇していると推測されます。
その分、売却手数料、購入手数料、キャピタルゲイン税が発生していて、それは最終的には投資家の負担となります。

VIGの5年間パフォーマンスは10.3%とS&P500ETF(VOO)の11.5%を下回っています。
これは単純に連続増配するようなバリュー銘柄のパフォーマンスが劣ったということもあるかもしれませんが、VIGの高い回転率によるコスト負担の影響も考えられます。

  上限は20%程度か

投資する投資信託やETFを選ぶ際に、経費率はもちろんチェックすると思いますが、売買回転率にも着目すべきです。
普通のインデックス型商品を購入するのであれば、大して気にする必要もないですが。

売買回転率は20%を超えるとアウトと言えるかもしれません。

ジェフリーとアルノーが調べたところでは、税引き後で高いリターンを達成するには、ポートフォリオの回転率を0%〜20%に抑えるべきだという。
低い回転率にピッタリくるのはどんな戦略だろうか。
回転率を抑えたインデックスファンドが一つの考え方であり…(以下省略)

(『株で富を築く バフェットの法則』より抜粋)

VIGの売買回転率は20%を超えています。

VIGは一般には増配実績に着目し、経費率も安い優良ETFと言われます。
私も5,000ドルほど保有しています。しかもNISA口座で。

しかし、回転率20%超を許容すべきでしょうか?
VIGのパフォーマンスがS&P500に劣っていることは必然かもしれません。
頻繁に売買を繰り返しながら、S&P500を超えるリターンを上げるのは非常に難しいことです。

私は恐らくこれ以上VIGに追加投資することはないと思います。

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