サラリーマンを辞めて起業した人がよく「サラリーマンの内にやっとけよ」とアドバイスしてくれる事が2つあります。

・クレジットカードを作る
・住宅ローンを組む(家が欲しい人)
の2つです。

これどちらも借金ってことですね。サラリーマンの信用力は高いです。特に財務が安定している上場企業のサラリーマンの銀行からの信用力はとても高いです。

銀行は出資するのではなく融資します。出資と融資は大違いです。出資では高いリターンを求めますが、融資では安定したリターンを求めます。銀行は刺激的な貸出先を探しているのではなく、安定した貸出先を探しています。銀行はジェットコースターよりもメリーゴーランドが好きなんです。毎月決まった日に固定給が振り込まれるサラリーマンは銀行にとって上客です。

私たちは当たり前のように20歳前後からサラリーマンをやっているので、サラリーマンの強みを忘れているのかもしれません。銀行からの信用力が高く、低利で比較的簡単にお金を借りることができるってサラリーマンの大きなメリットです。でも、このメリットを活かせてない人が多いかもしれません。

私は上場企業の経理で働いていますが、借りようと思えば銀行からお金を借りれると思います。無担保はさすがに無理でしょうけど。

でも今のところ1円も借りてません。

サラリーマンの信用力を換金するって、人生戦略の一つとして良い発想だよな~と思います。

 

 

自分の強みを換金するって社会で生きる上で大切なことです。大切というか、程度の差こそあれ誰しも自分の強みを理解して(無意識であれ)それを換金していますよね。社会でお金を稼ぐってそういうことだと思います。

綺麗で美しく生まれた女性はその美しさを換金できます。高級キャバクラで働いて高い給料を貰ったり、美貌で経済力のある男を誘惑して旦那にするとか。

可愛い子どもの姿をYouTubeにアップして年間1000万円以上稼いでいる主婦もいます。

容姿の「美しさ」や「可愛らしさ」は換金できます。

換金って言葉を使うと、カネカネして汚く、いやらしいイメージを抱くかもしれません。でも、社会の中で働いて食い扶持を稼ぐってすべてそういうことだと思うんです。働いてお金を稼ぐって、自分が社会の誰かのお役に立てることを見つけて、それを実践することだと思いませんか。「働く」ってことを抽象化したらそういうことになると思います。

自分がどこで一番輝けるか、どの場所に居ればもっとも社会に貢献できるのか、自分なりに考えて行動するって大切なことだと思うんです。サラリーマンとして就職することもその一つの選択肢です。私は会計の勉強を続けてきたので、会計監査や経理の業務を通じて小さいながら社会のお役に立てないかと考えて、今はとあるメーカーの経理職で働いています。

ただ一度サラリーマンとして就職すると、毎日規則通りに出勤するだけで当たり前のようにお給料を貰えるので、自分の仕事の社会への価値貢献度合いが見えずらくなります。会社全体として社会に価値ある製品・サービスを提供しているのは理解できるけど、個人としてどれだけ社会にアプローチできているかいまいち見えない。

そうやってサラリーマン社会に染まっていく中で、自分の仕事の社会的価値が見えなくなります。見えなくなるというか、見る必要がなくなります。自分が社会にどれほどのことをして今の年収を貰えているのかわからなくなります。社会の中での立ち位置が曖昧になっていく気がします。とりあえず、毎月お給料貰えているから大丈夫だろうというフワッとした感覚になってきます。個人的な感覚ですが。

 

 

ポスドクの就職難が問題になっています。勉強熱心で博士課程まで進んだのにまとま就職先がなく、かと言って大学の正教員にもなれなず困窮している学生が増えているという問題です。「末は博士か大臣か」なんて言われた時代もありましたが、今は時代が変わってしまいました。

これは確かに社会で解決する問題でもあります。博士号を取得するまで熱心に勉強した専門知識のある人材ですから、それを活かす場を提供することは国家の役割かもしれません。しかし、厳しいかもしれませんが、当人の問題でもあると思います。

一生懸命勉強研究することと、社会に価値貢献してお金を稼ぐこと、この2つは直接的には関係ないことです。もちろん、勉強してたくさん専門知識を身に着けた方がそれを社会に還元するチャンスは増えますけど。

勉強したことを社会に還元できないと、その勉強に社会的な意味はありません。あくまで社会的な意味ですよ。別に社会的な需要はなくとも、自分が好きだから勉強するってのも全然いいわけですから。

カントの『純粋理性批判』を100回読破して、「感性」と「悟性」と「理性」について完全に理解したとしても、その知識を社会が必要としていなければ、その知識には社会的な意味はないことになります。別に勉強そのものに意味がないと言っているんじゃなくて、あくまで社会性の有無という観点です。知識を換金できるか換金できないかってことです。商売に役立つのかってこと。

簿記2級程度の会計の勉強は結構換金できます。社会性があります。最低限の会計リテラシーを求めている求人は多いですから。でも、デリバティブ会計を完璧に極めても、その知識に社会的価値があるかどうかは怪しいです。

自分が好きだから勉強するのか、それとも将来社会の中で換金できると見込んで勉強するのか、この2つは区分しなくちゃいけないと思います。小学生、中学生には無理でしょうが、20歳を超えた大学生なら多少は考える必要もあるかなって思います。

 

 

たくさんお金を稼ぎたいって誰しも思うもんだと思います。やっぱり金があった方が贅沢できますから。金はあるに越したことはないです。金があるだけで人生幸せとは思いませんけどね。でもぶっちゃけ金はたくさん欲しいです。

お金を稼ぐということを考える時に、社会を無視して自己チューに勉強したり訓練しても仕方ないです。だって、お金を払ってくれるのは赤の他人ですから。赤の他人が「あなたの仕事はとっても役に立ちました。ありがとう。」と言って渡してくれるのがお金です。好きなことを勉強するのは本人の自由ですが、それが将来換金できることなのか換金できないことなのか、ある程度事前に承知しておく必要があるんじゃないでしょうか。

(マーケティング力がある人はどんな些細なことでも換金しちゃいますけどね。秋元康さんみたいな。)

お金をたくさん稼いで良い生活を送るためには「俺が、俺が、俺が」じゃなくて、「社会のため、社会のため、社会のため」という発想じゃないとダメなんだと思います。

自己啓発本とか読みまくるのも良いと思いますが、あれはモチベーション維持に使うべきでしょうかね。時間は有限です。社会人になって数年も経っているなら、今から社会により高い価値を与えられるスキルを身に着けようと考えるより、これまでの人生で自分が培ってきた知識・スキルの範囲内で、社会に還元して換金できるものはないだろうかって考えた方が有益だと思います。

人はお金の為だけに生きているわけじゃないので、社会でどう換金するかって観点は無視して自分の好きなことを勉強しても全然構わないです。そんなの人の自由ですし、そっちの方が楽しいもんです。

あくまでお金を稼ぐっていう意味だと、がむしゃらに勉強するよりも、自分の人生のたな卸をしてその中で社会に還元できる何かを抽出した方がよほど「手っ取り早い」気がします。誰しも30年、40年とオリジナルな人生を歩んできたわけですから、その中に社会が求める原石が落ちていても何ら不思議ではありません。あとは、その原石をメンテして自ら社会に問いかけるという行動を起こすかどうかですかね。

YouTubeで子どもがワイワイ遊んでいる動画をアップして、毎月100万円以上稼いでいる主婦がいます。その主婦は子どもの可愛い姿に社会性を見出して、実際に行動したからこそ利益を得ることができています。

黙ってないで手を動かす、実際に行動するって大切なことだと思います。

「自分の強みってなんだろうか?」って考える。「今の自分が、社会の中で何かお役に立てることはないだろうか」って謙虚にかつ戦略的に考えることが、個人がマネタイズする上で大切なことなのかな~って思います。

 

 

サラリーマンの自分が社会に対してできること、サラリーマンの強みって何でしょうかね。サラリーマンと単純に一括りにはできませんが。

銀行からの信用力があるってサラリーマンの大きな強みの一つです。この強みを活かして積極的に負債をファイナンスして、その資金を社会に活かすというのはとても合理的な戦略だと思います。

世の中で人より多くお金を稼いでいる人って、別に難しい専門的なことをやっているわけでもないですよね、意外に。世間体とかプライドとかそういうのを気にすることなく、愚直に社会のニーズにアプローチしている人が裕福になっている気がします。別にアップルやマイクロソフトみたいな会社を創業しているわけではありません。

自分が社会に貢献できることを謙虚に探して、そして大胆に実行する。

今の自分を頑張って高めようとし過ぎずに(向上心は大切だけど)、今の自分の力で社会に出来ることを探してみる。自分がもっとも輝ける居場所を探してみるってことが大事なのかな~。

サラリーマンの強みを活かして借金をするって、発想としてはとても合理的だなって思います。サラリーマンの高い信用力を換金するということです。まあ負債は返済する必要があるので、本当の意味で換金できるかどうかは借金して興した事業の結果次第ですが。

最近、読者さんから「銀行から数千万円借金して、とあるビジネスにチャレンジするか迷ってます。Hiroさんはどう思いますか?」と相談されたので、こんなことを考えてました。ビジネスの収益性は私には判断できませんでしたが、サラリーマンの信用力を活かして資金をファイナンスする機会を見つけることはいいことですね!

私も何か考えたいもんです。