清涼飲料大手のコカ・コーラ(KO)、飲料・スナック菓子大手のペプシコ(PEP)の株価が好調に推移しています。2019年6月8日現在、両銘柄とも史上最高値を更新中です。

私はKOもPEPも100万円以上保有しているので、株価が上がってくれるのは嬉しいことではあります。しかし、手放しでは喜べません。利益水準を考えれば、それほど上値余地はないと思っているからです。現在のそれぞれのバリュエーションは以下の通りです。


どう思います?
ちょっとPER高めに見えませんか。実績PERではなく予想PERでこの数字です。

以前から両銘柄ともやや割高感あるなあと思っていましたが、株価は上がり続けています。このマーケットの反応をどう解釈すべきか。以下の2通り考えられそうです。

①貿易摩擦に端を発する経済低迷が長引き、米経済はリセッション入りする可能性が高い。不安な投資家は業績が安定しているKOやPEPに資金を振り向けている。

②株価は今後の業績上振れを先読みしているに過ぎない。今後数年でEPSが大きく伸び、利益レベルが株価に追い付く。

①リスクオフ的な動きなのか、それとも②リスクオンなのか、どっちなんだろうか?

私は①の可能性が高いのではと思っています。そう思う理由の一つが、最近米国債が買われ続けていることです。米10年債利回りは2.0%台です。年初には2.7%くらいあったのにこの半年間で下落、特に5月後半から急低下しました。債券市場は明らかに警戒を強めています。株式投資家は債券市場のシグナルを感じ取っているはずです。

ただ、どうだろうか。本当にアメリカ経済は低迷しちゃうのか。

堀古英司さんは最近、このようなことをブログに書かれていました。

米国はこれまで、海外の経済要因でリセッションに陥ったことはありません。もちろんこれからそのようなケースが出てくる可能性はあるでしょう。しかし、今までなかったことが起こるためのハードルはかなり高いはずです。米国経済に大打撃を与えるようなイベントでもない限り、今後もないでしょう。少なくとも米中貿易問題やBrexit(ブレグジット:英国のEU[欧州連合]離脱)が、海外要因として初めて米国経済をリセッションに陥れるイベントとは思えません。

トウシルより

もし今の市場が過剰反応で、実際はまだまだ米経済の好調が続くとしたら、KOやPEPのバリュエーションは調整されると思います。今は安全プレミアムが乗っている状態ですが、それが剝がれ落ちそうな予感がします。

そんなわけで、KOとPEPのホルダーとして最高値更新を嬉しく思っているものの楽観視はしていません。長期ではしっかりリターンを残してくれると信じてますが、短期的には株価が下落するシナリオも想定しています。

まあ、かといって売却する予定は今のところないですが。もしこのまま上がり続けて、予想PERが30倍に迫るようなことになれば一部売却するかも。