Grow Rich Slowly シーゲル流米国株投資で億万長者になる!

米国株投資を通じて資本主義社会を豊かに楽しく生きる

*

電力ガスなどの公益企業は法人減税の恩恵をあまり受けることができない

   

米国で30年ぶりの法人税減税が実現しそうです。35%ある法人税率は最大で20%まで引き下げられる可能性があります。スティーブン・ムニューシン米財務長官は「法人税率が20%から引き上げられることはない」とWSJで語っており、20%という税率の実現可能性は決して低くはありません。

長期的な目線で法人減税の恩恵を受けることができる銘柄を考えるときは、いかに減税による利益が株主に残るかということを考える必要があります。

株主以外のすべてのステークホルダーへの支払いをした上で、最後に残ったお金が株主の利益です。

特に注目したいステークホルダーが消費者です。法人減税によって費用が減っても、その分販売価格が下がってしまえば法人減税による利益は結局消費者に奪われてしまいます。法人減税の利益をいかに消費者に奪われず株主の財布に入れることができるか。長期投資家が法人減税の影響を考える時は、この観点がもっとも大切だと思います。

減税の利益が消費者に移転する企業とは、価格でしか価値をアピールできないコモディティビジネスを営んでいる企業です。

あなたはコモディティビジネスを営んでいる米国企業に投資していますか?

実はあまり心配しなくてもいいかもしれません。日本人が米国企業に(長期)投資する時は、名の知れた優良企業に投資することが多いはずだからです。日本株なら自分で隠れた割安銘柄を探すだけの情報を得ることもできそうですが、主に英語でしか情報を取れない米国株で自分だけの秘密の割安銘柄を見つけるのは困難でしょうし。

法人減税の恩恵を受けることができない、収益基盤の弱い米国株に投資している日本人投資家は少ないと推測します。

しかし、一つ注意が必要です。日本人投資家でも法人減税の恩恵をあまり受けられない銘柄に投資しているリスクが潜んでいると思っています。

それが電力・ガスなどの公益企業への投資です。
電力・ガスなどの公益企業は、収益基盤は強いにもかかわらず法人減税の恩恵を受けずらいです。

電力供給やガス供給は国民の日常生活の基礎を担っている国家運営上重要なビジネスなので、政府が収益を規制しています。基本は原価積み上げ方式で売価を決めており、法人減税で原価が減ってもその分販売価格を引き下げる圧力に晒されます。

公益企業は法人減税による利益の一部が消費者に移転しまう可能性が高いです。もちろんすべてが消費者に移転することはなく、株主にもいくらかは恩恵はあると思いますが。

 

公益企業への投資を否定するつもりは一切ないです。

公益企業は利益が安定しているので、株価ボラティリティも比較的小さく配当も大きいことが魅力です。リスクを抑えながらも安定したインカムゲインをコツコツ確保していきたい投資家にとって、公益事業セクターは非常に使い勝手がよいです。

リスク許容度は人それぞれです。あまりリスクを取りたくないけどそこそこのリターンが欲しい投資家にとって公益企業株は最適です。

減税のようにコストが下がる時は公益企業には不利に働きますが、その逆もあります。コストが上がってしまったときは、政府によって一定の利益確保が保証されている公益企業は、値上げをしてコスト高分を消費者に転嫁することができます。たとえば、仮にこれから原油価格が上昇して電力ガス会社の原材料価格が上昇したとしても、そのコスト増加分はきちんと販売価格に織り込むことができるでしょう。

例えば、電力会社などのように、税引後の利益がかなり厳密に規制された強固なフランチャイズの場合、法人税率が変わると、企業利益ではなく電力料金に跳ね返ります。税率が切り下げられれば、通常即座に電力料金が引き下げられ税率が引き上げられれば、ただちにではなくとも、電力料金は引き上げられることになります。

『バフェットからの手紙』より抜粋

 

一長一短です。

公益企業は良くも悪くも収益が安定しています。その安定さがビジネス自体からではなく、法的な要素からもたらされているという点が特徴です。ビジネス自体も安定していますがね。

政府保証によって収益が守られているという事実は投資家に安心感を与えます。その安心感は投資リターンにはネガティブです。リスクあってこその株式投資のリターンだからです。その代わり、公益企業株への投資リターンは安定しています。高いリターンを優先するのか安定したリターンを優先するのか、どちらを優先するかは各投資家の判断次第で答えはありません。

私は年齢的(30歳)にも家庭環境的(独身)にも金融資産ではリスクを多めに取っていいと判断しているので、公益企業株には投資していません。しかし、いずれ資産の一部を売却して公益企業株へ投資することもあるかもしれません。

 - 投資実務