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【STZ銘柄分析】コンステレーション・ブランズは「コロナ」ビールが成長を牽引するアルコール飲料大手

      2018/08/06

※2018年2月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/8/5)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はコンステレーション・ブランズ(STZ)をご紹介します。


   STZ財務情報

基本情報

会社名 コンステレーション・ブランズ
ティッカー STZ
創業 1945年
上場 1987年
決算 2月
本社所在地 ニューヨーク州
従業員数 8,700
セクター 生活必需品
S&P格付 BBB-
監査法人 KPMG
ダウ30 ×
S&P100 ×
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

 

地域別売上構成比

米国内売上が93%

 

商品種類別売上構成割合

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

負債純資産

 

株主還元

 

連続増配年数

2年

 

バリュエーション指標等(2018/8/6時点)

予想PER:18.5倍 最新情報はこちら

配当利回り:1.4% 最新情報はこちら

 

感想

コンステレーション・ブランズ(STZ)は米国、メキシコ、ニュージーランド、イタリア、カナダでアルコール飲料事業を展開しています。売上高の約6割がビール、4割がワイン・スピリッツです。

もともとはワイン会社として1945年に創業した会社で、多数の有名ワインブランドを保有しています。具体的には「ロバート・モンダヴィ」、「メイオミ」、「エスタンシア」、「ノビロ」などがあります。私は安いワインをテキトーに注文したことしかなく、これらブランドはどれも知らないですが。。

現在はビール事業が成長エンジンですが、きっかけは2013年にメキシコビール「コロナ」や「モデロ」など複数のビールブランドの米国販売権を取得したことでした。ベルギーのビール大手アンハイザー・ブッシュ・インベブがメキシコの同業グルーポ・モデロを買収する際に、独占禁止法に引っかかってやむを得ずコンステレーション・ブランズに売却しました。

私は会計士としてそれなりの数のM&Aを見てきたと自負していますが、もっとも成功確率の高いM&Aが独占禁止法の観点からやむを得ず売却を迫られた事業を買うケースです。M&Aは高値掴みのリスクがあるものですが、この独禁法に絡むM&Aは買い手優位です。売り手は事業売却を早期に取りまとめないといけませんから、買い手は交渉で有利な立場にあります。また、独禁法でやむを得ず売却する事業なので収益性の高い事業であることが多いです。本来なら売る気のなかった優良事業を、仕方なく売っているということですから。買い手からすれば、優良事業を割安とは言えなくてもそこそこ妥当な金額で買うことができます。

こういう独禁法に絡んだM&Aは「運」もあります。ラッキーとも言えます。「棚ぼた」的な面は否定できません。兎にも角にも、STZはグルーポ・モデロから超優良ビール事業を継承することができました。このビール事業が今後のSTZの利益成長のドライバーとなるでしょう。2016年度のビール事業の売上高は前年比+16%、2017年度も+10%と成長しています。アルコール離れが進む中において、異例の成長スピードと言えるでしょう。牽引役はコロナビールです。

最近は健康志向もあって、ビールの中でも低カロリーなライトビールが人気です。コンステレーションは「コロナ・プレミアム」というブランドのライトビールを発売して、この市場でも存在力を示したいと考えています。
(薄めのビールって美味しいんですかね。オリオンビール的な?。私はペール・エールとかの方が好きです。余談失礼。)

さて、STZがさらなる成長の糧を求めて目を付けているのがマリファナ(大麻)です。2017年にカナダの大麻栽培会社キャノピー・グロースの株式を9.9%取得することで合意しました。STZの出資額は約220億円です。今後全米で合法化されることが期待される大麻市場への足掛かりになることを期待しています。

アルコールを含まないけど高揚感をもたらす大麻飲料は将来大きなマーケットに育つ可能性があります。人々がアルコール飲料を好むのは(私はビールもワイン大好きです!)、味が好きなのもあるでしょうけど、「酔っ払って日常の喧騒を忘れたい」という欲求もありますよね。アルコール飲料と大麻飲料とで、飲んだときの感覚がどう違うのかわかりませんが、忙しい労働者のニーズに合えばこれから大麻飲料は大きく伸びるかもしれません。

ただ、カニバリがちょっと心配ですがね。ま、カニバリが心配とか言って投資の手を緩めると他社があっという間にシェアを奪っていくのが資本主義経済の常なので、こういう有望な市場に積極的に先行投資していくのは個人的には賛成です。

財務データを見てみました。

売上高はFY12を底に右肩上がりで成長しています。FY13に大きく成長しているのは上述した通りコロナビールなどの販売権を継承したためです。そのビール事業が牽引して順調に売上・利益ともに伸びています。粗利率は改善傾向。ビール事業の粗利率は55%ほどあります。

FY17も前年比で売上プラスでした。ワインが減少しましたが、ビールの伸びでカバーしました。なお、FY17は売上成長以上に純利益が大きく伸びていますが、税制改革に伴う一時収益を36百万ドル計上しているためです。税率低下に伴って繰延税金負債の評価額を引き下げています。

キャッシュフローも問題ありません。営業CFは売上成長と連動して伸びています。営業CFマージンは20%以上ある上に近年さらに上昇傾向です。こ成長しているビールの生産能力を拡大しているため、このフリーCFは営業CFに比べてやや少なめです。たとえば、10億ドルを投じてメキシコの工場を拡充する方針です。これらの投資が将来大きな利益・配当となって株主に還元されることでしょう。

バランスシートを見てみましょう。固定資産が多いのが目立ちますね。この大きな固定資産の大半は過去のM&Aによって認識したのれんと無形資産です。もちろん、ビールを醸造する設備等の有形固定資産もそれなりにありますが、無形資産の方が大きいです。

配当推移を見ると意外に思われるかもしれません。1945年創業の老舗メーカーですが、FY15まで無配です。実はSTZは1974年からずっと無配でした。詳細な理由は分からないですが、債務圧縮を優先して配当を出していなかったようです。増益が続き財務の安全性も高まってきたことから、約40年ぶりに2015年から配当を再開しました。それだけ業績が改善していると捉えることもできるでしょう。やはりビール事業の取得は大きかったと思います。

配当性向は21%でまだまだ増配余地あり。配当利回りは1.3%と低いですが、今後の高い利益成長を反映した利回りとなっているだけで、特段株価が高いとは思いません。

米国のビール需要自体は減少しており、ビール事業を強化しているSTZの戦略は時代の流れに逆行していると見る向きもあるかもしれません。しかし、米国では輸入ビールは昔から人気が高く、中でもメキシコビールを支持する人は多いです。STZは米国の輸入ビール市場の50%以上を握っていて、これはかなり強いと思います。マリファナ(大麻)事業への先行投資にも期待大です。

今飲料メーカーでもっともホットな銘柄ではないでしょうか。将来有望です。

 - 米国株銘柄分析