昨日(6月27日)、21時くらいからうたた寝してしまって、起きたら深夜2時。スマホで株価見たら、ハイテク株や通信株が軒並み下げていて、ちょっと驚きました。

一人頑張っていたのが金融株。
米国債の利回りが上昇して(債券は売られて)、長短スプレッド拡大による収益向上期待から金融株は買われたようです。

セクター別で見ると、金融セクター以外は軒並み下落。
S&P500は▲0.8%の2,419ポイント。
NYダウは▲0.5%の21,310.66ドル。

米国金利上昇に伴って円が売られてドルが買われ、ドル円相場は現在112円台となっています。日本人米国株投資家としては、株損を為替差益で相殺できた感じでしょうか。

 

 

さて、昨日はちょっと相場の潮目が変わり始めたように素人ながら感じました。久々に米国債利回りが大きく上昇したからです。といっても、米国債10年物の利回りは2.26%ほどで、トランプ大統領当選後に付けた2.6%強には遠く及びません。

が、ようやく米国長期金利が上昇を始めた、、かもしれません。

昨日の下落相場はオバマケア代替案の延期による市場の不透明感増大だとニュースで言われていました。個人的には疑問です。不透明感が増すなら債券は買われるでしょって思う。

まあ短期的な相場変動要因をあーだこーだ言うのはナンセンスですけどね。ランダムウォークですから。

ECBのドラキ総裁が欧州の金融政策を引き締め傾向にすると発言しました。これが米国債利回り上昇の要因の一つかもしれません。。真実は知らんけど。
ただし、ドラギ総裁は金融緩和の解除は緩やかにしか進めないとくぎを刺しています。

FRBが短期金利の誘導目標を引き上げているのに、長期金利はそれに連動して上昇していません。よってイールドカーブはフラット化しつつあります。イールドカーブのフラット化は将来の景気後退を示唆します。

米国の長期金利が上昇しない理由として鈍いインフレ率が挙げられます。そして、もう一つ大きな理由が言われていて、それが日欧の金融緩和状態です。日本や欧州の金利が相変わらず低いので、少しでもリターンのいい米国債に資金が流れているというもの。

物のグローバル化にはどうしても物理的限界があります。サービスや情報のグローバル化にはどうしても言語の壁があります。でもマネーだけは違います。マネーだけは本当の意味でグローバル化しています。割安な資産クラスを求めて世界中をビュンビュン飛び回っています。

欧州の金利が上昇するかもという情報を受けて、米国債から資金が流出した可能性があります。ドイツの国債利回りは27日の朝方から0.24%から一時0.4%を超える水準まで上昇しました。

記事執筆現在(6月28日)の10年国債利回り
米国:2.25%
日本:0.06%
ドイツ:0.39%

低金利はニューノーマルだろ、みたいな風潮もありますがあまり期待し過ぎない方がいいと思います。

確かに、過去短期金利が上昇したにも関わらず、長期金利が上昇しなかったことはありました。2004年4月から2006年6月にかけて、FRBはFF金利誘導目標を1.0%から5.25%まで利上げしましたが、長期金利は4.5%前後でず~と横ばいでした。

確かに、そういう歴史が過去あったのは事実です。ですが、忘れてはならないのは、5%超まで利上げした後、米国金利は短期金利が長期金利より高い逆イールド状態に陥って、そして忘れもしないリーマンショックへと突入していったということです。

インフレ率も上がらないし、低金利は現代のニューノーマルだろ、どうせ2004年~2006年のときみたいに長期金利は上がらんよって安易に思うべきではないと思います。フィラデルフィア地区連銀総裁のパトリック・ハーカー総裁は「最近のインフレの弱さは一過性にすぎない公算が大きい」と見ているようです(WSJより)。

米長期金利が上昇する材料は色々と出てきています。FRB利上げ、FRBバランスシート縮小、欧州金融引き締めへの転換など。

長期金利が上昇すれば、株式には悪影響です。もし昨夜の金利上昇が一過性でなく、このまま金利が上昇していけば米国株は調整を余儀なくされる可能性が高いでしょう。

今の米国株価のバリュエーションを強くサポートしているのが低金利です。バフェット氏も以前、「今の低金利が続くのであれば、米国株価は割高ではない」的な発言をしていました。反対解釈すれば、金利が上がれば株価は割高だということです。

そもそも、どの程度の株価が妥当かなんて主観的かつ相対的なものでしかありません。絶対の正解はありません。主観的っていうのはその時代の投資家がどの程度の利回りを求めているのかという意味です。相対的というのは、債券などの他の資産クラスの期待リターンによって株式に求める名目期待リターンも変化して然るべきということです。

金利が上昇(債券利回りが上昇)するということは、株式にも相応に追加リターンを投資家が求めることになります。もうちょい踏み込んで言うと、金利が上がるってことは将来のインフレ期待が高まっているということだから、同じ株式実質リターンを得るにはより高い株式名目リターンが必要になるということです。

そんな感じで、金利が上昇すれば株価も上値が重くなります。少なくとも2017年上期のような低ボラの順調な相場は期待できません。

S&P500指数の予想PERは19倍、益回りは5.2%とバリュエーション指標で見ると割高に見えなくもない感じです。ですが、この高バリュエーションを支持していたのが低金利です。金利が上昇すれば、株価も落ちるだろうと覚悟しておくべきです。

とは言え、このまま金利が上昇するかなんてわかりません。自然利子率が下がっているという意見もちょくちょく聞かれます。もう何が正しい予想なのかなんて正直私には皆目見当つきません。

株価は高い、割高だ!って言われている間は、意外にも株価は伸び続けることもよくあります。

相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく。

ジョン・テンプルトン

株価が割高だ!ってニュースが多い間は、まだ「懐疑の中で育ち」のステージかもしれませんよ。

 

 

う~ん、平たく言うと将来はわからんってことです(笑)。

ただ、相場に割安感がないのは確かです。
金融素人の私の意見とか興味ないと思いますが、「割安」と「割高」二つの旗のどちらか一方を選べって言われたら、私なら「割高」の旗を上げるでしょう。

夏の賞与が入ってまとまった投資資金があるかもしれません。

投資はなるべく早めに初めて、市場に長く居続けることが大事。確かに。
長期投資にタイミングは関係ない。確かに。

でも、投資してすぐ暴落したら嫌でしょう。

普段より気持ちすこ~し慎重に、でも毎月コツコツ資金をマーケットに投入していきましょう。
そんな時期だと個人的に考えています。

お金は腐るからフルインベストでいいんじゃね、みたいな発言をたまに記事に書いていますが、それはいきなり資金を全額マーケットに投じるべきという意味では決してありません。焦りは禁物。長期投資は保守的な姿勢が大切です。