※2019年4月期決算データ反映、コメント刷新(2019/6/19)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はJMスマッカー(SJM)をご紹介します。

基本情報

会社名JMスマッカー
ティッカーSJM
創業1897年
上場1965年
決算4月
本社所在地オハイオ州
従業員数7,000
セクター生活必需品
S&P格付BBB
監査法人EY
ダウ30×
S&P100×
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

17年

過去10年の配当成長

年率+10.0%

この10年で配当は2.6倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+10.7%
過去20年(1999~2018):+9.8%
過去30年(1989~2018):+8.2%

バリュエーション指標(2019/6/19時点)

予想PER:13.8倍 最新情報はこちら

配当利回り:2.8% 最新情報はこちら

コメント

JMスマッカーは1897年にジェローム・スマッカー(Jerome Smucker)が創業した加工食品大手です。主に米国内でコーヒーやジャム、ゼリー、ピーナッツバター、ベーキングミックスなど消費者向け食品を取り扱っています。ペットフード事業もあります。

事業セグメントは主に以下の3つ。
・コーヒー
・食品
・ペットフード

M&Aによるペットフード部門の売上成長が顕著でFY18時点で最大のセグメントになっています。利益ベースではコーヒー部門がもっとも貢献しています。ペットフード部門の営業利益率が17%なのに対して、コーヒー部門のそれは32%もあります。売上高の9割以上が米国内で為替の影響はあまり受けません。

コーヒー部門には「フォルジャーズ」、「ミルストーン」といったブランドがあります。ダンキンドーナツにコーヒーを提供しています。食品部門では、ピーナッツバターの「ジフ」やケーキミックスの「ピルズベリー」などを取り扱っています。

2015年にビッグ・ハート・ペットを買収してペットフード事業を強化しました。さらに今年2018年4月には、プレミアム・ペットフードを取り扱っているエインズワースを17億ドルで買収しました。競合ゼネラルミルズもペットフード事業に参入しています。ペットフードは成長市場のようです。

財務データを見てみましょう。

売上高はFY15に大きく上昇していますが、ビッグハート・ペット買収の影響です。米国内を中心とした食品事業なのでオーガニックな成長率は高くありません。以降4年間は横ばいですね。

FY18の売上高は78億ドルで前年比+7%。エインズワース買収による押し上げ効果が7.4億ドルありました。当該M&A影響を除外すると売上高はほぼ前年並みです。オーガニックな売上成長は大きくありません。コーヒー部門は堅調な業績を維持しています。

FY18の純利益は5億ドルで前年比▲62%。前年は税制改革に伴う一時利益を認識していました。その反動で減益。

バランスシートですが、固定資産が総資産の9割を占めます。この大半は過去の買収に伴うのれんと無形資産で総資産の77%を占めます。買収資金手当てのため有利子負債が増加しています。

配当は安定。リーマンショックの時も減配していません。3、4年前は積極的に自社株買いをしていますが、ここ2年はほぼゼロです。M&A投資に優先して資金を回しています。今後も債務返済のため自社株買いはやや控えめになるかもしれません。