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PERは逆数(株式益回り)で考える癖を付けよう!

   

なんでPERだけ~倍と表現するのか。%の方が直感的で分かりやすいのに・・。

株式投資を始めるとPERという用語に必ずぶち当たります。なんだか英語だし最初はちょっと難しい概念に聞こえますよね。私も最初はちょっと抵抗ありました。でもPERはすごく単純な指標です。

PER=Price Earning Ratioの略で、株価が一株当たり利益(EPS)の何倍になっているかを示しています。

EPS×PER=株価です。
つまり
PER=株価 / EPSです。

たとえば、コカ・コーラ社(KO)の2018年度予想EPSは2.1ドルです。現在の株価は42ドル。お、ちょうど割り切れるいい数字だw。さてさて、コカ・コーラのPERは何倍になりますか?
ちょうど20倍ですね(42ドル÷2.1ドル=20倍)。

こうやって銘柄のPERを確認することはよくあることだと思います。別に自分で計算しなくても、Yahoo FinanceとかGoogle Financeで検索すれば確認できます。

でさ、PERって〇〇って表現するじゃないですか。〇〇倍って分かりにくいって思いませんか。債券利回り、配当利回りとかって全部~で表現しますよね。でもPERだけは「倍」で表現します。

PERも配当利回りも債券利回りも3つとも株価との関係性を示しているという点で共通です。

配当利回り=配当(DPS)と株価の関係
債券利回り=債券価格とクーポンの関係
PER=利益(EPS)と株価の関係

こういうことですよね。

配当と債券クーポンは「%」で表現するのに、なんで利益だけはPERとして「倍」で表現するのでしょうか?

投資家目線で考えれば%の方が分かりやすいに決まっています。だって、私たちはリターンを求めているのですから。投資額に対して何%のリターンを得られのか気にしますよね。米国株は過去100年振り返ると、実質で7%程度のリターンだったことが分かっています。だから、私は実質で7%というのを一つの目標値として持っています。もちろん、それを超えるリターンを追い求めてもいますけど。

利回りが大事です。投資額に対していくらの儲けがあるのかを気にします。だから、バリュエーション指標は投資額(株価や債券価格)が分母にあって欲しいです。株価=投資額が分母にあることで、その投資額に対する割合を算出することができます。その方が直感的で理解しやすいです。

配当利回り、債券利回りはどちらも投資額が分母です。
配当利回り=DPS / 株価
債券利回り=クーポン / 債券価格

でもPERだけは違います。株価を分子に持ってきます。もう一度PERの数式を書きますね。
PER=株価 / EPS

これがアカン。。これが分かりにくい。なんで株価を分子に持ってくるのか・・。

でもでも、物事にはたいてい合理的な理由があるものなんですよ。1円=0.01ドルとは言わずに1ドル=100円と表現するのが一般的ですよね。これは日本だけでなくグローバルでそうです。これは深い理由があるわけではなく、単純に少数点以下が見にくいから1ドル=100円と表現しているだけです。JPモルガンチェースの佐々木さんがそうおっしゃっていました。

PERも一緒なはずです。利益と株価の関係を示すときは、敢えて株価を分子に利益を分母にしているのでしょう。

その理由は何か??

僕の推測ですが、それは利益は期によって大きくブレるため株価を分母に置いて利回りを算出すると、投資家に誤解を与えてしまうからだと思います。

株の配当や債券のクーポンと違って、利益は年度によって大きくブレます。2017年は税制改革に伴う一時損益の影響で各社の純利益は前年と比べてかなり上下しています。たとえば、ジョンソン&ジョンソンは2017年にレパトリ税に絡んで多額の税金費用を認識しました。業績好調にもかかわらず、純利益は前年比で急落しました。実績EPSは0.47ドルなのに対して、株価は125ドル近辺です。

この利益(EPS)を前提に、JNJの利益と株価の関係を数式で表すとどうなるでしょう。株価を分母にすると(つまり株式益回り)こうなります。
JNJの益回り=0.47(EPS) / 125(株価)=0.4%

「え、ジョンソン&ジョンソンへの投資利回りはたったの0.4%しかないの!?」って誤解を与えちゃいそうです。実際は違いますよ。あくまでも一時的なコストが純利益を押し下げているだけであって、調整後EPSをベースに益回りを出すともっとまともな数字になります。

つまり、会計上の利益は企業の本業の経営状況とはかけ離れることがあり、また会計テクニカルな要因でもブレるので、その利益をもとに投資リターンを算出しない方がいいと考えられているんでしょう。よって、株価と利益の関係性を示すときは株価を敢えて分子に持ってきて、「株価が利益の何倍か」というPERで表現するようになったのだと思います。ちなみに、先ほどのJNJの例でPERを出すと260倍くらいになります。

 

PERの特徴を理解したうえで、なるべく益回りで考えるくせを

株価と利益の関係性を示すときに、株価を分子にしてPERを算出するのが一般的になっているのは、投資家に対する思いやりの結果だと思います。株価を分母にして益回りを出すと、利益が一時的な損益でブレるときに投資家に誤解を与えかねないから、株価を分子にして「株価が利益の何倍か」を示すようにしたのだと思います。

ただ、やはり株価を分母にして益回りで考える癖を付けた方がよいと思います。このブログを読んで下さっているあなたは、表面的に計算した益回りが必ずしも投資利回りを示すわけではないと理解しているはずです。会計上の利益は税制改革や訴訟、事故など特殊要因で動くことが多々あり、経常性はないと知っていることかと思います。

そういう会計上の利益の特徴を踏まえたうえで、株価と利益の関係を見るときはPERではなくなるべく益回りで見た方がいいと思います。益回りの方が直感的です。投資額に対していくらのEPSを獲得できているのかという視点の方が有益だと思います。

投資額に対していくらの配当があるのか、投資額に対していくらの利益があるのかを見るのはバリュエーション判断の基本です。配当は投資額に対する利回り(=配当利回り)で見るのに、利益についてはPERで見るのはちょっとわかりずらいです。PERを逆数にした株式益回りを頭の中で計算する習慣が身に付くとベターです。

PERと株式益回りの対応表です。

PER 益回り
5倍 20.0%
6倍 16.7%
7倍 14.3%
8倍 12.5%
9倍 11.1%
10倍 10.0%
11倍 9.1%
12倍 8.3%
13倍 7.7%
14倍 7.1%
15倍 6.7%
16倍 6.3%
17倍 5.9%
18倍 5.6%
19倍 5.3%
20倍 5.0%
21倍 4.8%
22倍 4.5%
23倍 4.3%
24倍 4.2%
25倍 4.0%
26倍 3.8%
27倍 3.7%
28倍 3.6%
29倍 3.4%
30倍 3.3%

 

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