Grow Rich Slowly シーゲル流米国株投資で億万長者になる!

米国株投資を通じて資本主義社会を豊かに楽しく生きる

*

【QCOM銘柄分析】クアルコムはスマホ用半導体で世界トップ。でもアップルと喧嘩中・・

   

※2018年9月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/11/14)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はクアルコム(QCOM)をご紹介します。


  クアルコム財務情報

基本情報

会社名 クアルコム
ティッカー QCOM
創業 1985年
上場 1991年
決算 9月
本社所在地 カリフォルニア州
従業員数 35,400
セクター 情報技術
S&P格付 A
監査法人 PwC
ダウ30 ×
S&P100
S&P500
ナスダック100
ラッセル1000

地域別売上構成比

 

セグメント別売上構成比

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

負債純資産

 

株主還元

この記事を読むともっとこのグラフを理解できます!

※FY18は純利益マイナスのため、配当性向も総還元性向も便宜上100%にしています。

 

連続増配年数

7年

 

過去10年の配当成長

年率+14.8%

この10年で配当は3.9倍になりました。

 

バリュエーション指標等(2018/11/14時点)

予想PER:11.2倍 最新情報はこちら

配当利回り:4.6% 最新情報はこちら

 

コメント

クアルコムはスマホ用の半導体で圧倒的なシェアを持つファブレス企業です。製造自体はTSMC等に委託しています。クアルコム(Qualcomm)という社名は、QualityとCommunicationを掛け合わせて造った言葉が由来だそうです。

クアルコムの成長はスマホの普及抜きに語れません。スマホが世界中で年々広まっていくにしたがって、クアルコムの業績も右肩上がりで成長してきました。主要顧客はアップル、サムスン電子、シャオミ等の大手スマホメーカーです。

特許使用料としてロイヤリティを得ていますが、最近これを巡ってアップルと大喧嘩中です。クアルコムが市場での強力な立場を利用して競合他社の算入を阻害し、不当に高額な特許使用料を請求しているとアップルに訴訟を起こされています。この訴訟問題はいまだ解決に至っていません。アップルからのロイヤリティ支払いは一時停止しており、これがクアルコムの業績にダメージを与えています。

競合企業にはブロードコムやインテル、村田製作所などがあります。

クアルコムはスマホだけに依存するビジネスモデルからの脱却を計っています。キーワードはズバリ”IoT”。物と物がインターネットと繋がる時代がこれから訪れます。その中で目を付けたのが自動車です。自動車向け半導体で世界トップのオランダNXPセミコンダクターズを470億ドルで買収する見込みです。
→見込みでしたが、、米中貿易摩擦の犠牲になりNXP買収は破談。NXPに20億ドルの解約手数料を支払っています。

飽和化するスマホ市場に焦りを感じている半導体メーカーはクアルコムだけではありません。クアルコムを買収しようと名乗りを上げたのがブロードコム。ブロードコムは1株82ドル(1210億ドル)でクアルコムの買収を提案しました。がしかし、これもトランプ大統領の鶴の一声でディール中止となりました。

なんだか、最近のクアルコムは政争に巻き込まれてちょっと可哀想な感じです。アップルとは未だ仲直りできてないし。クアルコムの技術は次世代5Gに不可欠らしく(詳しいことは知らんけど)、政府もセンシティブみたいです。

財務データを見てみましょう。

売上高はFY14をピークにやや減少傾向です。スマホ市場の成熟化に伴って半導体売上高は横ばいになっています。あとアップルとの法廷闘争問題でライセンス収入が減少しています。ちょっとしんどい状況が続きそうです。グロスマージンは低下していますが、そりゃライセンス収入が減ればマージンが落ちるのは当然です。ライセンス収入(ロイヤリティ)は粗利率100%みたいなもんですから。

FY18は前年比で売上微増でした。ライセンス収入の減少をモデムチップ等の機器販売収入が補い、結果としてほぼトントン。

FY18は税引き後利益がマイナス49億ドルと大赤字でしたが、これは税制改革に伴う一時コスト57億ドルに加えてNXPのM&A解約手数料20億ドルが響いています。この2つの要因がなければ黒字です。最終損失は一時的なものなので心配無用。ただし、スマホ需要の頭打ち+アップルとの法廷闘争というダブルパンチはきつく、業績向上にはもうしばらく時間が掛かりそうです。

キャッシュフローはプラスですがFY17、FY18と減少しています。営業CFマージンは20%近くあって高収益です。

バランスシートを見てみましょう。FY17に流動資産が急増しFY18に減少しています。NXP買収のために資金を借入しFY17末に一時的に預金過剰になりましたが、今年自社株買いで還元して現預金は減少しています。といっても、今もなお流動資産の半分以上がキャッシュです。固定資産は半分以上が買収に伴うのれんと無形資産です。

負債純資産はちょっと慌ただしい動きですね。自己資本比率が年々低下しFY18では3%と債務超過直前です。FY14時点では無借金経営でしたが、FY15以降は買収及び株主還元のために負債を増やしています。特にNXP買収のために巨額借入をしておきながら、結局M&Aが破談になった影響が大きいです。借入資金はそのまま自社株買いに使われました。銀行から借りた金でそのまま自社株買いしちゃえば、そりゃ自己資本比率が下がります。これは仕方ないです。そのまま銀行に返すわけにもいかないでしょうから、買収に使うはずだった資金は株主に返すしかありません。

配当は堅実に増えています。FY18の総還元性向を便宜上100%にしているので(赤字だから)グラフからは読み取れませんが、FY18は超巨額226億ドルの自社株買いを実施しています。前述のNXP買収資金からの充当です。最大で300億ドル買い戻すと公表していたので、これでもまだ控え目に見えます。

苦しい状況が続くクアルコムですが、スマホ用半導体の設計で欠かせない役割を担っているし5G関連の特許も提供できます。ビジネス自体はすごく高収益です。当面ボラティリティが高い状態が続くでしょうが、長期保有できる優良企業だと思います。

 - 米国株銘柄分析