11月末時点のポートフォリオです。

11月の取引は2件ありました。上旬に石油サービス大手シュルンベルジェ(SLB)に25万円に投資。下旬に医療機器大手メドトロニック(MDT)に20万円投資しました。

SLBは落ちてくるナイフを掴む気持ちで買いましたが、やはりその後もダラダラと下げています。原油在庫は過剰らしく、当面は大規模な投資は期待できないのかもしれません。

OPECの原油価格決定力が弱まって、石油価格のボラティリティはより一層上がったように思います。石油はコモディティ。普通に考えて石油会社の株主リターンが市場平均を大きくアウトパフォームするとは思えません。それでも20世紀後半にエネルギーセクターが奮闘したのは、OPECが原油価格を高値に維持できたことも一つの要因でした。

その前提が崩れつつある。状況は依然とは違う。そのことをしっかり考えて投資判断しないとな・・。

エネルギー株もコモディティ産業とよく似ているが、ここには思った以上に堀が広がっている。

(中略)

石油は、天然ガスと違って世界中で取引されているが(つまりコモディティ)、やはり天然ガスと違ってOPEC(石油輸出国機構)というカルテルがうまく石油価格の高値を維持している。そして、この高価格が多くの(すべてではない)石油会社にかなりのROCをもたらしている。

『千年投資の公理』より


この前提はもう成立しないかもしれない。

先日、ロイヤルダッチシェルが再生可能エネルギーに積極投資していると日経で報道されていました。

英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが事業構造の転換を急いでいる。温暖化ガスの排出に厳しい目が向き、石油離れが進むと判断。太陽光や風力などの再生可能エネルギーに年間20億ドル(約2200億円)を投じる。再生エネルギー事業を統括する役員、マーテン・ヴェツェラー氏は日本経済新聞社の取材に「もはや石油メジャーではなく、電力などエネルギーのメジャーになる」と語った。

日経より


石油メジャーではなくエネルギーメジャーになる。なるほど。なかなかキャッチーなフレーズで目に留まりました。

電気、ガスという二次エネルギーは絶対に社会に必要。これから世界的に人口が増えテクノロジーが発展することを考えれば、エネルギー消費量が減ることは考えにくい。ただ原油が主なエネルギー源にはもうならないのかもしれません。環境問題というのは典型的な外部不経済。社会が豊かになるにつれて、今まで見て見ぬふりをしてきた外部不経済を是正しようという流れは自然です。

そこでシェルは事業転換を急いでいる。資本力のあるエネルギーメジャーはうまく事業ポートフォリオを変えて、生き延びることができるのか。社会にエネルギーを供給するという役割は無くならないはず。ただ、再生可能エネルギーへの投資が成功する保証はありません。ノウハウが蓄積されているとも思えません。そこはリスク。

そのリスクをテイクする価値があるのか・・。そこは投資家として判断が迷うところです。私は個別株としてはXOMとSLBという2社に投資していますが、[HDV]にもエクソン、シェブロン等の石油会社が多く含まれていることを考えると、ちょっとエネルギー株の割合が多過ぎるかもなって思ってます。

一つ決めていることは、XOMの割合は5%まで引き下げることです。アルトリアの株価が下落した影響もあって、11月末時点ではなんとXOMが個別株として最大割合(8.4%)になっています。なるべく売らずに調整したいですが、少し売却も考えるかも。

日経の報道を読むとロイヤルダッチシェル(RDSB)に鞍替えしたくもなりますが、石油メジャーの中ではやはりXOMを選びます。財務安定度が相対的に高いと思っています。XOMの他にもう1社選ぶとしたら、RDSBがいいかな~。ま、これ以上エネルギーセクターの銘柄を増やすことは今は考えてません。