Grow Rich Slowly シーゲル流米国株投資で億万長者になる!

米国株投資を通じて資本主義社会を豊かに楽しく生きる

*

【PFE銘柄分析】ファイザーはM&Aで成長を続ける世界最大の製薬会社

      2018/03/31

※2017年12月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/3/24)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はファイザー(PFE)をご紹介します。


   ファイザー財務情報等

基本情報

会社名 ファイザー
ティッカー PFE
創業 1849年
上場 1944年
決算 12月
本社所在地 ニューヨーク州
従業員数 96,500
セクター ヘルスケア
S&P格付 AA
監査法人 KPMG
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

 

地域別売上構成比

 

事業構成

PFE事業構成

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

負債純資産

 

株主還元

この記事を読むともっとこのグラフを理解できます!

 

連続増配年数

8年

 

バリュエーション指標等(2018/3/24時点)

PER:9.8倍 最新情報はこちら

配当利回り:3.9% 最新情報はこちら

配当性向:46% 最新情報はこちら

 

感想

ファイザーは世界最大の売上規模を誇る総合製薬メーカーです。2017年度の売上高は約525億ドルでロシュに次いで世界2位でした。昨年まではファイザーが一位でした。

これまで数多くのM&Aを繰り返して巨大化してきた企業です。2000年に米ワーナー・ランバートを、2003年に米ファルマシアを買収。2009年には米ワイスを約6兆円で買収しました。2014年に英アストラゼネカの買収に乗り出すもこれは破談しました。その直後2015年には、注射薬メーカーのホスピーラを約2兆円で買収しています。注射薬とバイオシミラーを成長ドライバーに位置付けています。

2016年にはアイルランドの同業アラガンを約17兆円で買収しようと試みましたが撤回しました。当時のオバマ大統領がタックス・インバージョン(低税率国への本社移転)取り締まりを強化していたことを考慮したと言われます。ファイザーはアラガンに1.5億ドルの違約金を支払いました。

アラガンはダメでしたが、同2016年に米バイオ医薬品会社のメディベーションを約1.4兆円で買収しました。メディベーションは前立腺がん治療薬「イクスタンジ」を保有しています。仏サノフィと買収合戦を繰り広げた上での獲得でした。「イクスタンジ」はそれほど高付加価値の医薬品のようです。

このようにファイザーは買収を繰り返しており、多様な製品ポートフォリオを構築しています。特定の一つの製品に大きく依存していないのがファイザーの特徴です。売上高がもっとも大きい肺炎ワクチンの「プレベナー」で全体の10%強です。

大型薬の特許切れ、タックスインバージョンの政府牽制がある中、常に株主価値向上を求められているファイザー経営陣は新たな収入源を求めてM&Aを活用しています。自社で一から開発して厳しいFDAの審査を突破するよりも、資金力を活かして他社を買った方が効率的という経営判断です。

ファイザーはもはやヘルスケア特化型の投資ファンドの様相を呈しています。ファイザーへの投資は言うなればファンド・オブ・ファンズへの投資みたいなものかもしれません。

財務データを確認してみましょう。

売上高はFY10に急伸していますが、これは米ワイス買収による影響です。FY12から売上高が急減しているのは、高脂血症薬「リピトール」が特許切れになったことによる影響と思われます。その後は売上高は500億ドル程度で推移しています。粗利率は非常に高く80%前後あります。同業で全米2位のメルクよりもかなり高いマージンです。

FY17に純利益・EPSが大きく伸びていますが、法人減税に伴って繰延税金負債の再評価益が100億ドル超生じているためです。一時的な収益で本業による儲けではありません。ファイザーは多額の米国外留保利益を保有しており、レパトリ減税の恩恵を最も受ける企業の一つです。今後この資金をどう活用するか注目です。従業員にも総額1億ドルの特別賞与を支給しています。

キャッシュフローは安定しています。特許切れで大手製薬メーカーの危機なんてビジネス雑誌の煽り記事(煽りではなく事実ではあるが)がよく見られますが、同社のキャッシュフローを見れば経営の安定度がよくわかります。キャッシュは嘘を付きません。営業CFマージンも30%と高収益です。

バランスシートを見てましょう。24%ある流動資産の大半が過去の留保利益の短期運用資産です。上述のレパトリ減税によって、今後これらの短期資金がM&Aや自社株買いに活用されることが期待されます。固定資産の大半はM&Aによる「のれん」と無形資産です。FY17に固定負債が減少しているのは、レパトリ減税によって繰延税金負債の評価額を落としているからです。製薬会社らしく純資産は比較的厚めで財務安全性の高いBS構造です。

株主還元では一つ覚えておくべきことがあります。それはリーマンショックの際に減配しているということです。製薬メーカーはディフェンシブ性が高いと言われますが事業内容としてはリスクは高い方です。数多くの研究開発、M&Aを実施してもブロックバスターに育つものは極わずかです。配当の安全性も盤石とまでは言えません。しかし、リーマンショック後は緩やかながら増配を続けています。配当利回りは2018年3月時点で3.9%です。高配当ですね。自社株買いには積極的で、直近5年間の総還元性向は100%超です。

 - 米国株銘柄分析