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【PFE銘柄分析】ファイザーはM&Aで成長を続ける世界最大の製薬会社

      2019/05/09

※2018年12月期決算データ反映、コメント刷新(2019/3/8)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はファイザー(PFE)をご紹介します。

基本情報

会社名ファイザー
ティッカーPFE
創業1849年
上場1944年
決算12月
本社所在地ニューヨーク州
従業員数92,400
セクターヘルスケア
S&P格付AA
監査法人KPMG
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

9年

過去10年の配当成長

年率+0.6%

この10年で配当は1.1倍になりました。

※2009年に50%減配。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+11.4%
過去20年(1999~2018):+2.4%
過去30年(1989~2018):+12.8%

バリュエーション指標(2019/3/8時点)

予想PER:13.4倍 最新情報はこちら

配当利回り:3.5% 最新情報はこちら

コメント

ファイザーは世界最大級の売上規模を誇る製薬メーカーです。2017年度の売上高は約525億ドルでロシュに次いで世界2位でした。

米国を含む先進国での売上高が全体の76%で、アフリカ・中南米などの新興国が24%です。

開示セグメントは以下の2つ。
・イノベーションヘルス(IH)
・エッセンシャルヘルス(EH)

IHは新薬、ワクチンを開発する部門で売上高の6割を占めます。主な治療分野は内科、ワクチン、腫瘍学、炎症、気象疾患など。具体的な医薬品としては肺炎球菌ワクチンの「プレベナー」、疼痛治療薬「リリカ」、関節リウマチ薬「エンブレル」、抗凝固薬「エリキュース」などがあります。

EHは特許が切れ市場独占権を失っている製品、今後数年で特許が切れる製品、ジェネリック・バイオシミラーを取扱う部門です。具体的な製品としては、
高脂血症治療薬の「リピトール 」、「バイアグラ」、高血圧症に使用する「ノルバスク」などがあります。

なお、同じ医薬品がIH、EH両方にカテゴライズされるケースもあります。たとえば「リリカ」は米国、日本市場はIHですが、欧州ではEHです。

これまで多くのM&Aを繰り返して巨大化してきた企業です。2000年に米ワーナー・ランバートを、2003年に米ファルマシアを買収。2009年には米ワイスを約6兆円で買収しました。2014年に英アストラゼネカの買収に乗り出すもこれは破談しました。その直後2015年には、注射薬メーカーのホスピーラを約2兆円で買収しています。注射薬とバイオシミラーを成長ドライバーに位置付けています。

2016年にはアイルランドの同業アラガンを約17兆円で買収しようと試みましたが撤回しました。当時のオバマ大統領がタックス・インバージョン(低税率国への本社移転)取り締まりを強化していたことを考慮したと言われます。ファイザーはアラガンに1.5億ドルの違約金を支払いました。

アラガンは破談となりましたが、同2016年に米バイオ医薬品会社のメディベーションを約1.4兆円で買収しました。メディベーションは前立腺がん治療薬「イクスタンジ」を保有しています。仏サノフィと買収合戦を繰り広げた上での獲得でした。「イクスタンジ」はそれほど高付加価値の医薬品のようです。

このようにファイザーは買収を繰り返しており、多様な製品ポートフォリオを構築しています。特定の一つの製品に大きく依存していないのがファイザーの特徴です。現在、「プレベナー」や「リリカ」「リピトール」など全部で10個のブロックバスター(単独で売上高10億ドル以上)があります。

大型薬の特許切れ、タックスインバージョンの政府牽制がある中、常に株主価値向上を求められているファイザー経営陣は新たな収入源を求めてM&Aを活用しています。自社で一から開発して厳しいFDAの審査を突破するよりも、資金力を活かして他社を買った方が効率的という経営判断です。ファイザーはもはやヘルスケア特化型の投資ファンドの様相を呈しています。

財務データを確認してみましょう。

売上高はFY10に急伸していますが、これは米ワイス買収による影響です。FY12から売上高が急減しているのは、高脂血症薬「リピトール」が特許切れになったことによる影響です。その後は売上高は500億ドル程度で推移しています。粗利率は非常に高く80%前後あります。

FY18の売上高は536億ドルでほぼ前年並み。純利益は112億ドルで前年から半減しました。FY17は法人減税に伴う繰延税金負債の再評価益が100億ドル以上あったためです。

キャッシュフローは安定しています。特許切れで大手製薬メーカーの危機なんてビジネス雑誌の煽り記事(煽りではなく事実ではあるが)がよく見られますが、同社のキャッシュフローを見れば経営の安定度がよくわかります。営業CFマージンも30%。

バランスシートを見てましょう。24%ある流動資産の大半が過去の留保利益の短期運用資産です。2018年末時点で188億ドルの現金があります。固定資産の大半はM&Aによる「のれん」と無形資産です。FY17に固定負債が減少しているのは、レパトリ減税によって繰延税金負債の評価額を落としているからです。製薬会社らしく純資産は比較的厚めで財務安全性の高いBS構造です。

グラフからは読み取れませんが、2009年に配当を50%カットしました。ワイス買収に伴う債務増加のためです。2010年以降は緩やかながら増配を続けています。自社株買いも積極的で総還元性向は100%超です。

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