こないだ30万円ちょい振り込みました。仲介手数料、礼金、敷金、初月の家賃など諸々です。引っ越しは楽しいけどお金がかかるので、そう頻繁にやれるもんじゃないです。個人的な目安は4年に1回です。
今月はボーナス月とは言え30万円の出費は正直しんどいです。普段の生活で10万円以上のお金を使うことはほとんどありません。そんな高額な買い物、数年に一度くらいです。ましてや30万円なんて。楽天銀行アプリで振込処理をしたんですが、「処理実行」ボタンを押すのはちょっと抵抗がありました。期日ギリギリに嫌々払いましたw。
過度な節約マインドを消し去ってなるべくお金を使っていきたいと常々思っているけど、やはり口座からお金が減るのは嫌です。昔読んだ心理学の本に書いてあったんですが、お金を使うと人は「痛い」という感覚を覚えるそうです。腕に針をプスッと刺して痛い!ってなる時と同じ電気信号が、お金を支払ったときに私たちの脳のニューロンに送信されるそうです(医学的なことは知らんけど)。
確かに、何となくわかる。痛点は昔よりだいぶ上がったけど、ある程度大きな支払いは痛みを感じます。学生時代は千円でも痛かったけど、今は千円は大丈夫です。1万円を超えるとチクっとする。30万円は激痛です。
でもよく考えたら、僕は毎月30万円近い支払いを経験しています。米国株投資です。「普段10万円すら使わない」とか言ってしまったけど、毎月30万円くらい米国株買うためにお金を使っているではないか。月によっては50万円近く買う時もあります。最低でも1回当たりの取引額は20万円程度はあります。それだけの高額な出費をしているではないか。今回の引っ越し費用の30万円なんて慣れたものではないのか。。
いや~、やっぱ違うんだよなー。株を買う時はそれが50万円であってもほとんど痛みはありません。買った後に株価が下がったら少しチクっとしますけどねw。まあ、健康診断の採血くらいの小さな痛みですから気になりません。
株は資産ってのが大きいのかな。預金という資産が減るけど、株式という資産が増える。仕訳で書くと「株式 300,000 / 預金 300,000」。資産を買うのは痛くないみたい。不思議なことに脳はきちんと判別しているようです。
資産ではなく費用だと痛い。仲介手数料や礼金は費用です。 仕訳で書くと「引っ越し費用 300,000 / 預金 300,000」。 敷金はかろうじで資産性があるけど、それでも元金が全部返ってきて御の字。増えることはない。むしろ、クリーニング代などの名目で半分くらいは償却されます。
お金が預金口座から減ると現代人は痛みを感じると、例の心理学の本には書いてあったわけだけど、それは正確じゃないな。貸方(仕訳の右側)ではなく借方(仕訳の左側)次第です。預金が減るという点で貸方は同じでも、借方が資産か費用かで痛みの感じ方が全然違います。
費用 ×× / 預金 ××(痛い!)
資産 ×× / 預金 ××(痛くない)
↑
こんな感じ。
数万円の洋服を衝動買いする、1時間のパチンコで数万円を溶かす、こういう人は珍しくありませんが、もしかしたら痛覚が麻痺しているのもかもしれません。最初はお金を使ったときに「痛い!」って感じていたけど、何度も何度も痛点が刺激されるにつれて、ちょっとやそっとの出費では痛みを感じなくなる。
それは決して悪いことではないかも。人生棒に振るくらいに散財するのはちとマズイけど、消費家としてお金を使う才能を養うという点は良いことだと思います。何事も訓練が必要。お金を使う、消費するってのも同じかもしれません。
30万円の引っ越し費用くらい痛くも痒くもねーって思えるくらいになりたいです。資本家としての勉強、経験はそこそこ積んできたけど、消費家としての経験が足りないんだよな、自分には。「これからはケチケチせずにお金を使おうと思います!」って意識するだけじゃ多分ダメ。実際にお金を使わないと。
ここ数年は少なくとも20代の頃よりは積極的にお金を使うようになりました。大きな買い物はあまりしないけど、普段の生活ではストレスフリーでお金を使っています。ただ、それでもお金の呪縛からは解放されていないのが本音です。
昨日、ホリエモンの新著『あり金は全部使え 貯めるバカほど貧しくなる』を買って、仕事終わりに自宅近くのモスバーガーで読んでました。
お金は本来、使うことが目的の道具だ。
ホリエモン
あらためて問い直してほしい。
お金を貯めて、何をしたいのか?
もしものときのため? きたるべき冬に備えて?
どちらも違うだろう。
もしものときに役立つのは、お金で培える知識や、豊かな経験だ。
僕は貯金ではなく株で蓄財しているわけだけど、多分ホリエモンからしたら50歩100歩なんだろうと思う。証券口座の米国株には永遠に手を付けない気もします、よほど想定外の出費がない限り。何となく不安、経済的自由が欲しい、というのが僕が株式投資を続けている理由かな。なんやかんや金持ちになってやりたい、という思いも正直あります。
あと、もしもの時に役立つのはお金だろうとも思います。そこはホリエモンと意見相違やな。お金は使ってナンボというのはホントその通りだと思います。ただ、大金を使うのは「痛い」から嫌なんだよな。いつか痛みに慣れる日が来るのか。それは結局のところ金次第なのかも。10億円あれば30万円は別に痛くないだろうし。
こんにちは。いつも楽しく読ませていただいてます。
このお話は冒頭でもうPLとBSの話だなw
ってすぐ感じました。会計やる人間だとそう感じますよねー
私も株式を買う時はもうBS上の振替にすぎないと多分無意識に思ってます。
30万については無理やり発想を変えて、
これは次の環境が継続する期間で償却する
長期前払費用だから実は今年度は3万程度の負担にすぎないのだ
とか考えたらどうでしょうかね・・
おはようございます。
冒頭で先読みされるのは何だか恥ずかしいです(笑)。
BS上の振替えだと精神的な負担が小さいです。
同僚女性は数万円の洋服をよく衝動買いしてますが、彼女にとって洋服は「資産」らしいです。
つまり、私たちが株式を買うのと同じ発想(資産の振替)ということです。
お金の感覚は人それぞれだな~と思った瞬間でした。
>長期前払費用だから実は今年度は3万程度の負担
経理部らしい発想ですね!
資産性が怪しいので30万円は一括費用処理としますw
コメントありがとうございます。