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見た目の高利回りに騙されてはいけない ~バロンズ推奨の6つの配当成長株から学ぶ~

   

今週のバロンズにあった文章を引用します。

「配当重視の投資家が犯す最大の間違いは、配当利回りが高い銘柄を配当成長銘柄と勘違いすることだ。われわれは、株価が下落したことによりたまたま高配当利回りとなった銘柄は避けている」と、約16億ドルを管轄する運用アドバイザリー会社、バンセン・グループの最高投資責任者(CIO)であるデービット・L・バンセン氏は述べる。同社が保有する高配当銘柄には、製薬大手のメルク(MRK)、航空機大手ボーイング(BA)、およびマクドナルド(MCD)などがある。

バロンズ

「株価が下落したことによりたまたま高配当利回りなった銘柄を避けている」というのは非常に重要なポイントだと思います。一時的に高利回りになっているだけで、結局減配になっちゃうような銘柄は避けたいところ。文中にあるメルクやボーイング、マクドナルドの3銘柄は手堅い優良企業ですね。

『ウォール街で勝つ法則』という書籍に面白いデータがあります。米国株全銘柄平均(≒S&P500と考えてよいでしょう)と全銘柄中配当利回り上位50銘柄の長期リターンを比較すると、高配当銘柄のリターンの方が悪いのです。

1951年~1990年の40年間のトータルリターン(年率)は以下の通りです。
全銘柄:12.6%
利回り上位50銘柄:10.8%


2%近い差があります。これは40年複利で考えると、リターン絶対額には雲泥の差が生じます。

これは意外な事実です。『株式投資の未来』では高配当株投資は有効というデータが示されていますが、実際は全銘柄から利回り上位を抽出するとリターンはむしろ悪くなるのです。

しかし、母集団を大型株に限定すると結果は異なります。なお『ウォール街で勝つ法則』は大型株を時価総額上位16%と定義しています。

すべての大型株と大型株利回り上位50銘柄の、1951年~1990年の40年間のトータルリターン(年率)は以下の通りです。
全大型株:11.4%
大型株利回り上位50銘柄:12.9%


全銘柄の結果とは打って変わって、こちらは高配当銘柄のリターンの方が優秀です。1.5%ほど高配当銘柄の方がリターンが高いです。

全銘柄から高配当銘柄を抽出する投資法は機能しないけど、大型株から高配当銘柄を抽出する投資法は有効ということです。

なぜ、このような結果になるのか?

著書はこのように分析しています。

投資家が利回りだけで銘柄選びをする場合には、有名大企業に限った方がいい。なぜなら、これらの企業は高配当を可能にするだけの長年にわたる事業活動と強固な財務基盤を持っているからである。

『ウォール街で勝つ法則』より

誤解しないで欲しいのは高利回りの大型株ならすべてOK、高利回りの中小型株はすべてダメ、というわけではないということです。高利回り大型株でリターンがしょぼいのもあれば、高利回り中小型株で素晴らしいリターンを達成する銘柄もあるはずです。

あくまでも「利回りだけで銘柄選びをする場合」の話です。機械的に配当利回り上位30とかでポートフォリオを組むなら、大型株に限定した方が安全と言っているに過ぎません。中小型株を否定している分析ではありません。

要は単純な話で、高利回り銘柄を求めるにしても優良企業に限定しようねってことです。最初の引用文でバンセン氏が保有していると言っているメルクやマクドナルドなどが安心して保有できる高配当株の筆頭です。

バロンズは記事で、注目している配当成長株(高配当株ではない)を6つ紹介しています。
①ハンティントン・バンクシェアーズ(HBAN)
②キーコープ(KEY)
③バレロ・エナジー(VLO)
④コールズ(KSS)
⑤ペプシコ(PEP)
⑥メドトロニック(MDT)

①~③は初耳でした。PEPとMDTは私の保有銘柄でもあります。

PEPの利回りは3.0%でMDTは2.3%です(2019年4月17日時点)。両者とも最近は利回りが下がってきましたが、これらの銘柄の株価が下がってより高利回りになれば、果敢に拾いに行く価値があると思います。「高配当を可能にするだけの長年にわたる事業活動と強固な財務基盤を持っている」と言えると思います。なおPEPの連続増配年数は46年、MDTのそれは41年です。

ただ今のバリュエーションはどうかな。
そんなに高利回りでもないですね。まあバリュエーション判断は利回りよりも、シンプルにPERで考えた方がいいです。

メドトロニックは2019年予想EPSに基づくPERが17倍で、まあまあフェアバリューかなあという印象。医療機器市場は成長市場ですし、長期目線で考えればPER17倍は妥当、もしくは安いとも言えるかも。

一方でペプシコの2019年予想EPSに基づくPERは22倍で、やや買われ過ぎに見えます。めちゃくちゃ割高ではないけど、フェアバリューの上限かなあという印象。あくまで素人意見ですが。本日17日の決算発表後に株価がどう動くかわかりませんが、この記事を書いている現在のPEPの株価122ドルはちょいお高く見えます。

ただバロンズが紹介している通り、PEPは長期的な配当成長が期待できる優良銘柄ですから、今の水準で買っても長期ではペイできると思ってます。でも、敢えて今買わないかな。もっと利回りが高くなるのを待ちたい。ペプシコのようなディフェンシブ優良株は、ビビりな僕でも下げ局面で買い注文を出しやすいです。PEPはちょうど1年ほど前4%近くまで利回りが上がりました。ああいう時に買えればいいんだろうなあ。たられば言ってもしゃーないけど。

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