株式投資戦略は、大きく分けて二つあります。

・バリュー株投資
・グロース株投資

バリュー株投資とは、企業の大きな成長は期待できないものの企業の内在価値(本質的価値)と株価に差があることに投資価値を見出す方法。

グロース株投資とは、たとえ今PER100倍とかで割高に見えるとしてもその期待を超えるほど爆発的な成長をして株価が高騰する可能性に投資価値を見出す方法。

グロース株投資とは要するに未来のスターバックス、アップル、マイクロソフトを発掘するという投資法。

このグロース株投資は当たればでかい、当たればいきなり億万長者になれるかもしれません。
でも、普通の能力しかないサラリーマンには不可能だと思っています。

アップル、マイクロソフト、シスコシステムズがグローバルに大活躍して儲けまくっていますが、その裏には数千・数万社に及ぶ新興会社が散っていきました。
もちらん、これらの散っていった会社に投資していた株主たちは損失を被っています。

未来のマイクロソフトやシスコシステムズを発掘できる可能性は宝くじに当たるより低く、大半の凡人はいつか紙くずになってしまう偽成長株を掴んでしまうのです。

株式投資を行うこと自体は適切なリスクテイクですが、一か八かのグロース株戦略をとるのは適切なリスクテイクだとは思えません。

株式投資は年収300万円~1,000万円くらいの凡人サラリーマンが億万長者になれる唯一の道と言っても過言ではありません。

せっかくお金持ちになれる可能性のある株式投資で博打を行うべきではありません。

コツコツ投資をする気力がある人は、バリュー株戦略で行くべきです。

誰もが知っている大型優良成熟企業株を長期保有して、最初は物足りないと感じるであろう配当金をコツコツ再投資して、給料からもコツコツ追加投資して少しずつ資産額を膨らませていくのです。

凡人が株式投資で財を成すにはこの道しかないと、私は確信しています。

ポイントは気合と根性です(笑)。

これ真実です。

急に資産なんて増えないし、短期的には含み損も大いにあり得ます。

それでも我慢して保有し続けて地道に再投資を繰り返すのです。

ゆっくりお金持ちになることを目指す、これが個人株式投資の王道です。

目指すべきは、”Grow Rich Slowly”です。

    個別銘柄に投資する意味はある?

さて、凡人が株式投資で成功するにはバリュー株戦略しかないと言いました。

実際にバリュー株戦略を実施していくために、実務的には2つの選択肢があります。

・ETFを使って高配当ETFやバリュー銘柄ETFに分散投資
・個別銘柄投資(10~20銘柄に分散)

今は便利な時代になったもので、優良成熟企業をパッケージしたETFを低コストで保有できます。

ETFは便利なのですが僅かとは言え信託報酬が発生するし、投資家が意図しないような銘柄入替が起こります。

そこで、個別銘柄に投資するという選択肢が出てきます。
個別銘柄投資の場合も分散投資は必須ですが、分散し過ぎると銘柄管理コストが過剰なって非効率になるので銘柄数は10~20に抑えるべきです。

業種を分散させたうえで20銘柄保有してれば、分散効果は十二分に享受できます。

敢えてETFではなく個別銘柄を選ぶ理由。

それは自分の銘柄選択眼を信じて、市場をETFをアウトパフォームしたいからです。

ETFではなく自分で銘柄選択した方が、よりお金を稼げると思うから個別株投資を考えるわけですよね。
そうでなければ、ETFの方が投資は圧倒的に簡単なんですから個別株投資をする理由はありません。

で、問題は個別株投資で本当にアウトパフォームできるのかということ。

バリュー株戦略では、誰もが知っているブランド力のある大型株を購入して長期保有することになります。

ここポイントでして、誰もが知っている大型株が割安に放置されるって滅多にありません。

効率的市場仮説という概念があって、マーケットはあらゆる銘柄情報を瞬時に株価に反映させる性質があると言われます。

ハワード・マークスは『投資で一番大切な20の教え』という著書のなかで、以下のケースに該当する場合、ミスプライシングは起きにくく株価は効率的に値付けされていると言っています。

・広く認識されており、多くの者がその動向を追っている。
・社会的に認められており、物議をかもしたり、タブー視されたりしていない
・投資することのメリットが、表面的にであっても明確でわかりやすい
・クラス全体と構成要素に関する情報が広く公平に流れている

これがどの程度真実かはわかりませんが、米国のNYダウに選ばれているような大型有名企業には当てはまるように思います。

バリュー株戦略はNYダウに含まれるような大型株に投資することになるのです。

つまり、バリュー株投資の対象になるような大型有名企業というのは割安で放置されないということです。

とはいえ極まれに株価が内在価値を大幅に下回る価格になることがあります。
優秀なアナリストや機関投資家のコンセンサスが誤っていることに稀には起こるのです。

そのマーケットコンセンサスが誤っていると見抜いて、果敢に投資して莫大なリターンを上げたのがウォーレンバフェットです。

で、あなたにこの芸当ができるのかというのが最大の問題。

最近私はアップルの財務諸表を見て、この高収益な会社でPER11倍というのは割安だ!と思いました。
バフェット銘柄のアップル(AAPL)はバリュー銘柄だ! アップルは買いだ!

アップルの財務諸表を見て本当にそう思ったし、ネタとしての嘘を書いたつもりは一切ありません。

でもね、ちょっとPLやキャッシュフロー計算書見て割安と判断できるほど世の中甘くないんですよね。

市場のコンセンサスはアップル(AAPL)の株価はPER11倍が妥当と言っているのです。
スタンフォードとかペンシルベニアを卒業している優秀なアナリストはそう判断している。
もちろん市場心理も作用していると思いますが。

この市場コンセンサスを覆すほどの強い根拠と、インサイダー情報を私が持ってると思います?
無いですよ。
ただ、アップルの財務諸表見て儲けている会社だな、それでPER11倍っていいなと思っただけ(笑)。

確かに低PERの会社に投資をすることは長期で市場をアウトパフォームするとシーゲル教授は言っていますが、素人個人投資家がこの程度の根拠でアップルに投資してETFを超えるリターンを稼げるほど世の中甘くはないと私は最近思ってきました。

フリーランチは存在しません。

最近、アメリカ個別銘柄投資を検討していて米国企業の財務諸表をたくさん見ています。

本当に個別銘柄に手を出すべきか大変迷ってきました。

昨今は、VYMやHDV、XLPなど超優良ETFが低コストでたくさんある中、敢えて個別銘柄投資を選択する意味があるのだろうか?

個別株に投資する理由があるとしたら、
・企業の財務諸表をじっくり見るので勉強になる
・その会社に投資しているんだ!という満足感を得られる
・ブログのネタになる

こんな理由くらいしか思いつかない…
すべて投資パフォーマンスとは関係ない(笑)。

でもまだ諦めていませんから。

実際にチャレンジしないとわからないこともあります。
せっかく株式投資しているんだから、ETFだけで投資家人生を終えるのも嫌です。

粘り強く、米国企業の財務諸表分析続けます。

最近「米国株銘柄分析」を更新したので良かったらご一読下さい。