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【MSFT銘柄分析】マイクロソフトはWindowsやOfficeでお馴染みの超高収益企業。クラウド事業で成長加速。

   

※2018年6月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/8/12)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はマイクロソフト(MSFT)をご紹介します。


   マイクロソフト財務情報

基本情報

会社名 マイクロソフト
ティッカー MSFT
創業 1975年
上場 1986年
決算 6月
本社所在地 ワシントン州
従業員数 124,000
セクター 情報技術
S&P格付 AAA
監査法人 Deloitte
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100
ラッセル1000

 

地域別売上構成比

米国:50%
米国外:50%

 

セグメント別売上構成比

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

負債純資産

 

株主還元

 

連続増配年数

14年

 

過去10年の配当成長

年率+14.2%

この10年で配当は3.3倍になりました。

 

バリュエーション指標等(2018/8/12時点)

予想PER:22.2倍 最新情報はこちら

配当利回り:1.5% 最新情報はこちら

 

感想

マイクロソフトは1975年創業の世界的なソフトウェア開発会社です。

お馴染みのWindowsはPC用OSで圧倒的なシェアを誇っています。1990年代に当時最大のパソコンメーカーだったIBMが自社製品に組み込むOSとしてWindowsを採用し、一気にシェアが拡大しました。表計算ソフトのExcelや文書作成ソフトのWord、プレゼン資料用ソフトのPowerPointなどの業務用ソフトウェアでも世界首位です。また、家庭用ゲーム機のXboxも販売しています。

最近はクラウド事業Azureに力を入れており成長しています。クラウド事業はアマゾン、マイクロソフト、グーグルのIT大手3社が強いです。

自社で開発したソフト「ウィンドウズ」を売ることで儲けてきたのがこれまでのマイクロソフトでしたが、現在はウィンドウズの枠にとらわれずあらゆるプラットフォームで多様なサービスを提供する方向に舵を切っています。それがナデラCEOの戦略であり、大きな成果を上げています。単発売り切りよりも、継続的な課金型の方が収益も安定します。

これまでの主要なM&Aを紹介します。

2011年10月にスカイプを85億ドルで買収しました。私は最近、仕事でよくスカイプ使ってます。face to faceでコミュニケーション取れて便利で気に入ってます。スカイプがマイクロソフト傘下ってあまり知られてない事実かもしれません。

2016年12月にリンクトインを262億ドル(約3兆円)で買収しました。過去最大規模の買収額となりました。リンクトインはビジネス特化型のSNSで登録ユーザー数は4億人を超えます。転職市場が小さい日本ではマイナーな存在ですが、世界的にはメジャーなSNSです。リンクトインとOfficeとの連携を深めるなどしてシナジーを創出していく戦略のようです。

かなり最近の件です。2018年6月にギット・ハブを75億ドルで買収すると発表しました。ギット・ハブはソフト開発者のソースコードを共有するサイトを運営する企業です。まだ売上規模の小さな企業ですが、75億ドルという大枚を払って買収します。リンクトイン、スカイプに次ぐ過去3番目の規模の大型M&Aです。「オープン・ソース」という今のマイクロソフトの戦略の方向と合致しているという判断でしょう。

 

 

財務データを見てみましょう。

売上高は緩やかに成長してきましたが、FY17で大きく伸びました。初のトップライン1000億ドル達成です。すべてのセグメントが好調でしたが、特に貢献が大きかったのがクラウド(Azure)とOffice365です。

クラウド事業について、FY16は売上高274億ドルでしたがFY17は322億ドルと18%も伸びました。また、Office事業が含まれる”Productivity and Business Processes”部門の売上高は、FY16が299億ドルに対して、FY17は359億ドルで20%伸長しました。あと2016年に買収したリンクトインも収益に貢献しています。

粗利率はかつて80%ほどあったのが近年60%まで落ちています。グラフには載せていませんが、同様に営業利益率も低下しています。これは、現在推進しているクラウド事業の収益性が、かつてのメイン事業だったWindowsやOfficeソフトに比べて低いことが影響していると思われます。クラウドへの投資が一段落着いた段階で、どれだけ利益率を改善させることができるか気になるところです。

FY17は増収にもかかわらず純利益は減少しました。税制改革に伴って137億ドルの一時コストを認識した影響です。Non-GAAPの調整後EPSはFY16が3.3ドルに対して、FY17は3.9ドルでした。実質的には増益決算だったと理解してOKです。

キャッシュフローは美しいです。毎年莫大な営業CF、フリーCFを生み出しています。営業CFマージンは40%近くありますが、これは全米国企業の中でもトップクラスです。私が知る限り、これに匹敵するのはビザとマスターカード、フェイスブックくらいです。

バランスシートを見てみましょう。意外に流動資産が多いです。優良米国企業は無形資産が多く、結果として固定資産比率が高くなりがちですが、マイクロソフトは流動資産の方が多いです。これは莫大な現預金を保有しているからです。2018年6月末時点で1,300億ドル以上の現預金(短期運用投資含む)を保有しており、これだけで総資産の半分以上を占めます。1企業が10兆円以上のキャッシュを持っているって末恐ろしいです。ちなみに、ソフトバンクの時価総額が10兆円強です。

負債純資産を見て下さい。年々、自己資本比率(グレーの割合)が下がっていることが分かりますよね。借金して負債を増やしつつ、さらに自社株買いをして純資産を減らしているからです。意図的に負債比率を引き上げていることが一目瞭然で、最近の低金利を活かした財務戦略を取っていることがわかります。長期金利はまだ低水準で維持されており、負債を増やす判断は大正解だったと言えるでしょう。

マイクロソフト株のパフォーマンスは好調です。それはもちろんビジネスサイドの成功があってのことですが、調達サイドの賢明な判断も実は寄与しています。財務戦略はあまり目立ちませんが、株主価値向上に大きく貢献してます。株価上昇の陰の立役者です。

DPS(一株当たり配当)は毎年上昇しています。DPSはこの10年で約3倍に成長しました。自社株買いも積極的でここ5年間で見れば、配当より自社株買いの方が多いほどです。総還元性向は100%を超えています。大型買収をしながらもこれだけの大還元とは、、恐ろしい・・。

クラウドに積極的に投資しながらこれほど大規模な株主還元を実施できるのは、低利で借入を行っているためです。主に海外に多額の現金を保有していますがそれを米国内に戻すと税金が課されるので、資金があるのに敢えて借入金を増やしてきました。税制改革によって海外資金の米国内還流の税率が引き下げられる見込みです。米国外に1000億ドルを超える資金を保有しているマイクロソフトは、先般の税制改革で大きな恩恵を受けます。

 - 米国株銘柄分析