Grow Rich Slowly シーゲル流米国株投資で億万長者になる!

米国株投資を通じて資本主義社会を豊かに楽しく生きる

*

【MRK銘柄分析】メルクはNYダウにも選ばれる大手製薬メーカー

   

※2016年度データ更新済み
※記事更新(2017/11/1)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はメルク(MRK)をご紹介します。


   メルク財務情報

基本情報

会社名 メルク
ティッカー MRK
創業 1891年
上場 1946年
決算 12月
本社所在地 ニュージャージー州
従業員数 68,000
セクター ヘルスケア
S&P格付 AA
監査法人 PwC
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

 

地域別売上高

MRK地域別売上高

 

事業構成

MRK事業構成

 

業績

 

キャッシュフロー

 

株主還元

この記事を読むともっとこのグラフを理解できます!

※単位は「百万ドル」ではなく「ドル」の誤りでした。

連続増配年数

5年

 

バリュエーション指標等(2017/10/31時点)

PER:29.9倍 最新情報はこちら

配当利回り:3.4% 最新情報はこちら

配当性向:48% 最新情報はこちら

 

感想

米国メルクはオンコロジー(がん)や糖尿病、肺炎、循環系など多様な分野に製品ポートフォリオを持つ、大手製薬メーカーです。

2009年にシュリング・プラウを買収して世界トップクラスの規模に成長しました。2016年度のメルクの売上規模は、ファイザー(米国)、ロシュ(スイス)、ノバルティス(スイス)に次ぐ第4位で売上高は約400億ドルです。売上高の約半分は米国で、その他欧州・中東、アジアでも事業展開しています。

主力は糖尿病治療薬のジャヌビア・ジャヌメットです。売上成長を牽引しているのが、がん治療薬のキイトルーダです。キイトルーダはメルクの主力商品に育ちました。ブリストルマイヤーズのオプジーボという強い競合が存在するものの、キイトルーダは今後のメルクの成長を左右する重点商品でしょう。

メルクの過去10年の財務データを確認しました。

売上高はFY10に急伸していますが、これは2009年11月に米シェリング・プラウを買収した影響です。買収によって当時のメルクの売上高はファイザーに次ぐ世界2位になりました。FY11以降売上高はやや減少傾向です。2014年にコンシューマーケア事業を独バイエルに売却した影響で売上高が減少しているはずです。ドル高の影響もあることを考えれば、オーガニックでは売上成長していると思われます。

粗利率は65%と高いです。製薬メーカーは最もコストがかかるR&D(研究開発)費用が売上原価を構成しないため、粗利率は高くなりがちです。同業ファイザーの粗利率は80%近くあります。

FY14に純利益、EPSが急激に伸びていますが、これはバイエルへの事業売却益を数十億ドル計上しているためであり一時要因です。調整後利益からは除外されています。

キャッシュフローは安定しています。営業CF、フリーCFともに高水準です。営業CFマージンは25%前後あり高い。

配当も安定しています。連続増配年数は5年となっていますが、メルクはリーマンショックの時も減配せず配当を横ばい維持してきました。製薬メーカーは臨床試験失敗で多大な損失を被るリスクを常に抱えていますが、メルクのような多様な製品ポートフォリオを持つ企業はちょっとやそっとで減配に陥ることはないだろうと思います。

自社株買いにも積極的で、この5年間で配当総額と同額程度の自社株を買い戻しています。総還元性向はなんと200%を超えています。低金利を利用して銀行借入するとともに、手元キャッシュを圧縮することで株主還元資金を捻出しています。こういった積極果敢な株主還元は米国企業の特徴の一つだと感じます。

メルクは収益性も高く、キャッシュも安定している優良銘柄です。ヘルスケアセクターで長期投資を考えている人は検討に値するでしょう。

 

 

さて、2017年10月末メルク株は10%以上暴落しました。がん治療分野の成長エンジンであるキイトルーダの欧州での承認申請を取りやめたことが嫌気されました。日経新聞によると、モルガン・スタンレーはメルク株の評価を「オーバーウエート(買い)」から「イコールウエート(中立)」に引き下げたとのことです。

マーケットはメルクの業績に悲観的になっており、現在(2017年11月1日)配当利回りは3.4%になるまで売られています。キイトルーダは確かにメルクの成長ドライバーとして期待されている商品です。その欧州承認申請が遅れることは、間違いなくメルクの業績にネガティブなので株価下落は妥当でしょう。

ただ、メルクは創業100年を超える老舗製薬メーカーです。数多くの特許を持っており、それを活かして新たな製品を今後も開発する潜在力を持っています。このままメルクの株価が沈み続けることは恐らくないでしょう。

メルクは約220億ドルという潤沢な海外資金を持っています。これはファイザーやコカ・コーラに匹敵する規模です。レパトリ税()の引き下げがあれば、メルク株価はポジティブに反応するでしょう。
米国企業が海外利益を還流する際に発生する税金

 - 米国株銘柄分析