Grow Rich Slowly シーゲル流米国株投資で億万長者になる!

米国株投資を通じて資本主義社会を豊かに楽しく生きる

*

【MRK銘柄分析】メルクはNYダウにも選ばれる大手製薬メーカー

   

※2017年12月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/3/25)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はメルク(MRK)をご紹介します。


   メルク財務情報

基本情報

会社名 メルク
ティッカー MRK
創業 1891年
上場 1946年
決算 12月
本社所在地 ニュージャージー州
従業員数 68,000
セクター ヘルスケア
S&P格付 AA
監査法人 PwC
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

 

地域別売上高

MRK地域別売上高

 

事業構成

MRK事業構成

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

負債純資産

 

株主還元

 

この記事を読むともっとこのグラフを理解できます!

 

連続増配年数

6年

 

バリュエーション指標等(2018/3/25時点)

PER:61.3倍 最新情報はこちら

配当利回り:3.6% 最新情報はこちら

配当性向:46% 最新情報はこちら

 

感想

米国メルクはオンコロジー(がん)や糖尿病、肺炎、循環系など多様な分野に製品ポートフォリオを持つ、大手製薬メーカーです。

2009年にシュリング・プラウを買収して世界トップクラスの規模に成長しました。2017年度のメルクの売上高は401億ドルで、ロシュ(スイス)、ファイザー(米国)、ノバルティス(スイス)に次ぐ第4位でした。売上高の約半分は米国でその他欧州・中東、アジアでも事業展開しています。

主力は糖尿病治療薬の「ジャヌビア」「ジャヌメット」です。売上成長を牽引しているのががん治療薬の「キイトルーダ」です。キイトルーダはメルクの主力商品に育ちました。ブリストルマイヤーズのオプジーボという強い競合が存在するものの、キイトルーダは今後のメルクの成長を左右する重点商品でしょう。他には子宮頸がん予防ワクチンの「ガーダシル」、高脂血症治療薬の「ゼチーア」、C型肝炎治療薬の「ゼパティア」などがあります。動物医薬品部門も持っています。FY17の同部門の売上高は約39億ドルで全体の10%弱です。

昨年2017年10月に株価が10%以上暴落しました。がん治療分野の成長エンジンであるキイトルーダの欧州での承認申請を取りやめたことが嫌気されました。モルガン・スタンレーはメルク株の評価を「オーバーウエート(買い)」から「イコールウエート(中立)」に引き下げました。

マーケットはメルクの業績に悲観的になっており、2018年3月現在の配当利回りは3.6%とかなり高いです。キイトルーダは確かにメルクの成長ドライバーとして期待されている商品で、その欧州承認申請が遅れることは痛手です。ただメルクは創業100年を超える老舗製薬メーカーです。数多くの特許を持っており、それを活かして新たな製品を今後も開発する潜在力を持っています。このまま株価が沈み続けるとは思いません。

財務データを確認してみましょう。

売上高はFY10に急伸していますが、これは2009年11月に米シェリング・プラウを買収した影響です。買収によって当時のメルクの売上高はファイザーに次ぐ世界2位になりました。FY11以降売上高はやや減少傾向です。2014年にコンシューマーケア事業を独バイエルに売却した影響で売上高が減少しています。粗利率は65%で他の製薬会社に比べるとやや低いです。

FY14に純利益・EPSが急激に伸びていますが、これはバイエルへの事業売却益を数十億ドル計上しているためであり一時要因です。調整後利益(Non-GAAP利益)からは除外されています。FY17もアストラゼネカとのがん領域での戦略的提携に掛かる費用や、米国外留保利益に対する繰延税金負債などの一時コストが発生しており、GAAP利益とNon-GAAP利益にはかなり乖離があります。なので実績PER61倍は参考になりません。調整後EPSをベースにしたPERは13倍ほどです。

バランスシートについては特に解説するような事項はないかな~と思いました。財務安全性に問題はありません。

キャッシュフローは安定しています。営業CF、フリーCFともに高水準です。FY17に営業CFが減少しているのは多額の税金支払いがあったためで本業の悪化ではありません。営業CFマージンは平均的に25%前後あり収益力は高いです。

配当も安定しています。連続増配年数は6年となっていますが、メルクはリーマンショックの時も減配せず配当を維持してきました。製薬メーカーは臨床試験失敗で多大な損失を被るリスクを常に抱えていますが、メルクのような多様な製品ポートフォリオを持つ企業はちょっとやそっとで減配に陥ることはないだろうと思います。自社株買いにも積極的でこの5年間で配当総額と同額程度の自社株を買い戻しています。総還元性向はなんと200%を超えています。低金利を利用して銀行借入するとともに、手元キャッシュを圧縮することで株主還元資金を捻出しています。

 - 米国株銘柄分析