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「大企業の米コカ・コーラはなぜ上場しているのか?」←この質問答えれる?

   

コカ・コーラはなぜ上場しているのか?

突然ですが、あなたに質問です。
素朴な質問です。

米コカ・コーラはなぜ株式を上場しているのですか?

・・・

・・・

なんて、意地悪な質問ですよね、ごめんなさい。急にこんなこと聞かれても当たり前過ぎて、答えようがないっすよね。

コカ・コーラは1886年創業で1950年にニューヨークに上場しました。かれこれ70年近く上場し続けている大御所です。ずっと上場し続けていて、もはや「なぜ上場しているのだろうか?」という疑問すら湧きません。今も上場しているおかげで、私はコカ・コーラ株(KO)に投資することができました。

 

企業はなぜ株式を上場するのでしょうか?

創業者が持分を現金化して投資をExitしたいからという理由もあります。IPO長者という言葉もありますよ。また、上場すると知名度が上がって有名になれるというのもあります。知名度が上がると優秀な社員を採用しやすいです。「上場企業勤務」という肩書は地味に強いです。

ただ、それらは株式を上場させる本来の目的とは言えません(どういう理由で上場しようと勝手ですが・・)。

株式を上場させる最大の目的は資金調達です。不特定多数の投資家から莫大な資金を調達して、事業を拡大させることが株式上場の一義的な目的です。

今年、スウェーデンの音楽配信大手スポティファイが直接上場(ダイレクト・リスティング)という荒業をやってきました。直接上場とは、株式を発行させずに既発行株式のみを上場させるやり口です。これはかなり異端な方法です。つまり、資金調達はしないのに株は上場させるということです。

非上場時から株を保有している既存株主に売却の機会を与えるための上場と言えます。別にそれ自体は悪いことではありませんが、ウォール街にとってはちょっとした驚きだったようです。やはり、資金調達こそが上場の第一義的目的という認識があるからです。投資銀行の手数料収入が少ないという裏事情もあります。

スポティファイは目前、資金を市場から調達する必要がないのに上場しました。
この行動に白い目を向ける人もいたくらいです。

では、他の企業はどうなのでしょうか?

たとえば、最初に質問したコカ・コーラ社はなぜ今も上場しているのでしょうか?

資金調達の必要があるから?

果たして、そうでしょうか?

コカ・コーラのもっとも最近の増資がいつかは知りませんが、もしかしたらこの30年くらい一度も増資(=資金調達)してないかもしれません。

現に、コカ・コーラ社の資本金は薄っぺらいです。増資をすると資本金が増えます。増資をしないと資本金はずっと変わりません。何十年も増資をしていないから、コカ・コーラの資本金は総資産に比べて極薄になっています。

スポティファイの直接上場に嫌味を言う人は、コカ・コーラが上場し続けていることに何を思うのでしょうか?

コカ・コーラのような高収益な優良企業は、もはや資本市場からお金を吸い上げる必要がありません。日々の営業キャッシュフローで事業は十分回るし、M&Aなどの巨額の投資が必要な場合には銀行から借り入れたり、社債を発行したりして負債を増やせば事足ります。

一般的に、株式発行より負債調達の方が資本コストが安いです。なので、資金が必要な場合は信用リスクの低い優良企業ほど負債調達を優先させます。株式発行なんてもはや奥の手って感じです。

コカ・コーラは上場当時(1950年)こそ本当に資金調達が必要だったのでしょう。だから、上場を決断したはずです。証券市場から資金を調達して、もっと多くの顧客にコーラを届けたいという思いが当初はあったはずです。

でも、今は違います。今は別に資金調達のために上場しているわけではありません。

 

はい、では最初の質問に戻ります。

米コカ・コーラはなぜ株式を上場しているのでしょうか?

なんででしょう?

・・・

・・・

答えは、上場しておかないと株主(=リスク資本の担い手)がいなくなるから、やむを得ず上場しているということになるでしょうか。私見ですが。

コカ・コーラ社の発行済み株式の60%は機関投資家が保有しています。具体的には、バンガードやステートストリート、ブラックロックなどです。

これらの機関投資家は個人から資金を預かっています。つまり、時価総額20兆円あるコカ・コーラ社の株主は小口の多数の個人投資家ということです。私Hiroはその一員です(直接コカ・コーラ株を買っていますし、HDVやVYMといったファンドを通じても投資しています)。

株式会社である以上常に株主が必要です。リスクの担い手、いざという時に経済的負担を背負う人が必要とされます。これは非上場企業であれ上場企業であれ共通です。

コカ・コーラ社の株主は小口の個人投資家が大半だと言いました。

でね、なぜ個人投資家がコカ・コーラ株を保有しているのかと言えば、同社が優良株だからというのが大きな理由です。ですが、そもそもコカ・コーラ社が上場しているから株主になれるわけだし、もっと言えば株が上場されていて流動性があるから株を買ってもいいと思えるわけです。

上場していることが当たり前の事実になっているから普段は考えないかもしれません。

でも想像してみて下さい。仮に、コカコーラ株が非上場株で誰か(株主の一人)が「私が持ってるコカ・コーラ株を譲りたいので、買い取ってくれませんか?」とあなたに言ってきたらどうしますか?

嫌じゃないですか?
非上場の株を買うなんて、そんなの勘弁じゃないですか?

だって、非上場でマーケット・プライスがないから妥当な株価がどれくらいか分からないですよ。自分で、DCFモデルを組み立てて、ゴールドマン・サックスのバンカーばりに計算しますか?

あと、非上場の株を持ってしまうと、自分が売りたい時に簡単に売れないという問題もあります。

非上場株って勝手に売れないんです。正式な手続きが必要です。「私は株主から抜けますね~」ということを宣言して、会社の承認を得なくてはなりません。少なくとも日本の会社法はそうなっています。

このように非上場株は、
・時価がなく妥当な価格がわかりずらい
・簡単に売却できない
という問題を抱えています。

こういうデメリットのある非上場株を買いたいと思う投資家はそう多くはいません。

だから、すでに世界トップクラスの巨大企業に成長してしまったコカ・コーラ社は、もはや非上場に戻ることは不可能です。

仮に、非上場にしたいとして、誰がその非上場株を引き受けるのでしょうか?
バフェットやジェフ・ベゾスばりに資金力がある人が名乗りをあげない限り不可能です。

現実問題としては、多くの個人にコカ・コーラ社の株主になってもらう必要があります。

だから株式を上場させて、常に株価の透明性と流動性を与える必要があります。この2つがないと大半の人は株を買ってくれません。特に、個人株主を惹きつけるには必須事項です。

コカ・コーラ社は巨大すぎて、個人株主が絶対に必要。

個人に株を買ってもらうには、安心して取引できる株価の透明性と、いつでも売買できる流動性が必要。

そのためには、株式を上場させておく必要がある。

よって、コカ・コーラ社は今もこれからも上場企業であり続ける。

上場の目的は本来的には資金調達ですが、成功して大企業になると資金調達が不要でも上場させておかないといけません。上場の目的は資金調達から、株価の透明性と流動性の確保に変わっていくということです。

コカ・コーラに限りませんよ。大企業が上場し続けている理由は、もはや上場しておかないと株主(=リスク資本の担い手)を確保できないからです。資金調達が目的ではありません。

 

テスラが非上場を目指す理由

電気自動車大手のカリスマ経営者イーロン・マスク氏が、先日爆弾ツイートを投稿して、ウォール街を混乱させました。

なんと、テスラを非上場化することを検討していると言うのです。

しかしも、その資金調達の目途は立っており、どうやらサウジのファンドが出資を申し出ているようです。脱石油経済を目指しているサウジにとって、電気自動車は重要な投資分野だろうということは容易に想像が付きます。なので、確かにそう言われると嘘ツイートにも見えません。
(しかし、やはり資金の目途は立っていない可能性が濃厚になってきました。)

まあ真偽はこれから明らかになるでしょうが、テスラが非上場を検討しているという話が出ているのは確かでしょう。火のない所に煙は立ちません。てか、マスク氏自身が煙を上げましたから。

ですが、私は個人的には非上場化には疑問です。

テスラは時価総額はGM並みにありますが、まだ赤字を垂れ流しているし、フリーキャッシュフローもマイナスです。

2010年に上場してからこれまでで、40億ドル近くの資金を株式発行によって調達してきました。

マスク氏はこれ以上の資金調達の必要性はないと主張しているようですが、少なくともコカ・コーラ社より資金調達の必要性が高いのは確実ですw。

別に株主が納得しているなら非上場化するのは自由ですし、悪いことをしているわけでもなんでもありません。

ただ非上場化したい理由が微妙だな~って思いますね。

マスク氏は、四半期ごとの短期的な利益を追求するマーケットから一度離れて、長期的視野で経営を立て直す的なことを言っています。まあ、非上場化の理由としてよく言われることなので、別に意外な発言ではありません。

ただ、株を上場して不特定多数の投資家から40億ドルもの資金を集めているんだから、四半期毎の業績の説明をやむを得ないことですよ・・。

マスク氏は自ら工場に寝泊まりして現場でハードワークをこなしている方です。そんな現場の苦労を知ってか知らずか、色々と質問攻めをしてくるアナリストにイラつく気持ちはなんかわかります。「こいつらうぜえ!」って思う気持ちはわかります。でも、それはしゃーなし。アナリストは多くの個人株主の代表という意味でも無理して質問しているわけです。それが仕事ですから。

市場から40億ドルも金を借りているわけですから、そりゃ説明責任は伴います。それが面倒だから非上場化ってのはどうなんやろ~って率直に思いました。

が、まあ株主が同意して非上場化するのは何も問題ではありません。ただ、私が報道を見て思ったことを勝手に書いたまでです。

 

株式市場の真の役割

株式を上場させる最大の目的は資金調達です。

ですが、現実は、ほとんど資金調達が必要ない大企業(コカコーラのような)がNY市場の時価総額の大半を占めます。逆に、テスラのようなまだまだ資金が必要な企業が市場から退場していきます(まだ決まったわけではないですが)。

株式市場は資金調達機能というよりは、より多くの個人ないし機関投資家に株主になってもらえる場を提供する機能を担っていると言えそうです。それも大事な機能です。おかげで、私たち個人投資家もクリック一つで簡単に株を買えます。

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