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債務超過に転落した米マクドナルド(MCD)の素晴らしい株主還元意識 

   

驚いた!

知らなかったです。

米マクドナルド(MCD)が2016年12月末時点で債務超過になっていました。

債務超過って聞くと倒産直前の危険な企業というイメージを持たれるかもしれません。

MCDは債務超過でも心配無用です。むしろ、この債務超過はMCDが長期投資対象として素晴らしい銘柄であることを示しています。

債務超過なのにMCD株主のあなたは喜ぶべき、、、なぜか?

 

 

債務超過って、資産より負債が多い状態を言います。バランスシートの左側より右側の方が大きい状態。

資産から負債を引いた額を純資産と言いますが、債務超過とは純資産がマイナスの状態です。

あなたが300万円の貯金と時価2400万円のマンションを持っていて、3000万円の借金を抱えているとします。資産は2700万円で負債は3000万円、つまり300万円の債務超過です。

債務超過ってことは資産をすべて売り払っても負債を返済できない状態です。やばい状態です。一刻も早く財政改善をして、資産超過の健全なバランスシートにする必要があります。

たとえ債務超過であっても企業は存続できます。企業が倒産する時は債務返済ができなくなった時です。キャッシュフローという血液が循環し続けている限り企業は存続し続けます。逆に業績好調の黒字会社も、キャッシュフローの目測を誤ってデフォルトを引き起こせば倒産します。

債務超過って一般的には良くない状態だと解釈されます。病気だと診断されます。なぜなら、普通は業績悪化に起因して債務超過になるからです。

企業が赤字を出すと、それは最終的にバランスシートの利益剰余金を食い潰して純資産を減らします。そうやって、赤字を垂れ流し続けて債務超過になる会社は危険です。

また、多額の減損損失を出して一気に債務超過になるケースもあります。最近の東芝のケースです。

債務超過に陥る背景には業績不振があるのが普通なので、債務超過=業績不振=やばい状態だと理解されます。

ただ、業績不振に起因しない債務超過もあるんです。それが自社株買いです。

ちょっと簿記の話しますが、企業が自社株買いをするとこういう仕訳が起こります。

自己株式 / 預金

この借方の自己株式は資産ではなく、純資産の控除項目として扱われます。つまり、自己株式を買い戻すと企業の純資産にマイナスの影響を与えるということです。

 

 

さて、米マクドナルドは業績不振で債務超過になっているわけではありません。むしろ業績は好調です。

これは直近10年間のMCDの売上高と最終利益、粗利率推移です。

売上は最近はドル高もあって減少気味ですが安定します。グロスマージンが改善していることから、高収益なフランチャイズ経営への加速が見て取れます。

これはMCDの直近10年のキャッシュフロー推移です。

このキャッシュフローすっごいですよね~、営業CFはメチャクチャ安定しています。営業CFマージン(売上高/営業CF)は25%近くもあります。コカ・コーラやペプシコをも上回る数値です。

フリーCFも安定しています。フリーCFとは株主が自由に使えるキャッシュです(厳密には違いますが)。もちろん、フリーCFは多いに越したことはありません。

で、見てわかる通り米マクドナルドは非常に高収益です。業績不振の様相なんて全くない。なのに、どうして債務超過になっているのか。

その秘密はこのグラフです。MCDの過去10年間の株主還元指標です。

FY14から総還元性向(グレーの線)が右肩上がりです。総還元性向ってちょっと難しい表現ですが、要するに利益のうちどれくらいのお金を株主に返還したかを示した指標です。

純利益が100円で株主に返したお金が60円なら、総還元性向は60%となります。

株主へ返すお金は、配当と自社株買いの二つに分かれます。

利益に対する配当の割合(配当性向)を示したのが橙色の線。これは安定していますよね。配当金は年功序列の基本給みたいなもんなので、MCDほどの優良企業でも毎年の上げ幅はゆるやかです。

で、凄いのはさっきも言ったけどグレーの総還元性向。配当性向が伸びていないのに総還元性向が伸びているってことは自社株買いの規模が拡大していることを意味します。自社株買いとは業績好調によるボーナスみたいなものです。MCDは外資系金融機関みたいに、超高額のボーナスを株主に払っていたのです。

グレーの線と橙色の線との差額は自社株買いの規模を表しています。詳しくはこの記事参照。

凄いですよね、FY14以降の自社株買いの規模が半端ない。

特にFY16は総還元性向が300%を超えています。FY16のMCDの税引後利益は$4,686Mに対して、配当総額が$3,058Mで、自社株買いが$11,171Mです。
※M(Million)=百万

配当+自社株買い=$14,229M

$14,229M(総還元) / $4,686(税引後利益) = 304%

凄まじい規模の株主還元です。最終利益の3倍のキャッシュを株主に返還しています。おかげでMCDの現預金(正確には現金同等物を含む)は、2015年12末には$7,686Mもあったのに、2016年12月末では$1,223Mしかありません。

MCDは2015年度に銀行から長期借入しています。それを自社株買いの原資にしているようです。優良企業が低金利を利用して自社株買いをするメリットはこちらを読んで下さい。

MCDの純資産の過去5年推移です。

FY14からグングン減少してFY16でついにマイナスになっています。自社株買いのためですね。

マクドナルドは2014年に、2016年にかけて2兆円規模の自社株買いをする計画と公表していました。FY14~FY16のMCDの自社株買い合計を集計すると$20,469(約2兆円)でした。有言実行ですね!素晴らしい!

MCDが債務超過に転落したのは業績不振によるものではなく、あまりに自社株買いをしまくったためです。

株主に貢ぎすぎてMCD自身は貧乏になっているだけです。

MCD自身が貧乏でも全く問題ありません。だって、株式会社とは株主をお金持ちにするために存在する概念的な器でしかないのですから。会社自体が金溜め込んで金持ちになっても仕方ないんです、株主が金持ちにならないと意味ないです。

 

シーゲル教授は長期投資に適した銘柄とは世間の注目を浴びてグングン成長する企業ではないと言いました。

そういう企業は確かに利益成長して株価も上昇するけど、概して株価が割高になると。投資家期待が高まるのでPERが高くなり株価が高止まりし、配当再投資の効率が悪いと分析されています。

長期投資で利益が出やすい株とは、無配でウォールストリートジャーナルの一面を飾るような輝く企業ではありません。アマゾンやフェイスブック、スナップショットではありません。

そうではなく、地味に本業をコツコツ続けてしっかりガッチリキャッシュを稼ぎ、それを誠実に株主に還元し続けるオールドエコノミー企業こそ長期投資にふさわしい企業なんです。そういう企業は投資家の過度な期待が集まらないため、株価が適正もしくは割安に放置されがちで配当再投資の効率が良いのです。

サラリーマンのあなたは、配当再投資だけでなく給料追加投資もするはずです。であれば、より一層こういう株主還元企業に狙いを定めて投資をする必要があります。

MCDのように自らが債務超過になるほどに積極的に株主還元を続ける企業こそ、長期投資に相応しい優良銘柄です。この債務超過はフィリップモリスと同じ構造です。

MCDはロイヤリティ収入という盤石な営業キャッシュの源泉を持っているので、ここまで大胆に株主還元できるわけです。さきほどMCDのキャッシュフローの表を載せましたよね。すごく安定したキャッシュフローです。ああ、もう一度載せますね。

MCD株主のあなたが羨ましい!
MCDの株主が損をするなんてことは考えられないと思います。

いいね~、私もMCDは購入候補です。いつか欲しいな。

米マクドナルドに長期投資してコツコツ配当再投資を繰り返せば、S&P500インデックスを超えるリターンを得られる可能性は十分あると思います。

株主想いの米マクドナルドは長期投資対象に打って付けの超優良銘柄だ!

 

 

以下、余談

マックってジャンクフードではあるんですけど、普通に美味しいですよね。私は好きです。たまに食べます。フィレオフィッシュが一番好きです。

私が勤務している会社ってグローバルに拠点があります。中国拠点に勤務して今は帰任している先輩が言っていたのですが、日本人駐在員が昼ごはんにマックに行くと現地の中国人従業員に妬まれたそうです。

「け!、高給な日本人どもは昼休みにマックなんて高級なもん食べやがって、、俺らの給料では無理だよ」って。

新興国の所得水準だとマックって高級品なんですね。今の中国の所得水準だとマックはもはや高級品ではないかもしれませんが、少なくとも私たち日本人が考えているほど安いものではないようです。

それと、インドに旅行に行った友人が言っていましたが、現地のマック店舗に入るとすぐに日本人だとバレて、子どもとか貧乏なおっさん達からお金をせがまれたそうです。インドではマックに行ける人=金持ちっていう認識があるようです。友人が行ったマックも観光客用なんでしょう。

アメリカや日本では所得格差が広がり中流階級から転げ落ちる人がたくさん出ていますし、これからも出るでしょう(株式投資を続ける人は中流以上であり続けるはず)。しかし、世界に目を向ければ新興国を始め中間所得層がたくさん生まれています。

これから経済成長がより進んで、東南アジアやインド、中国の所得がさらに向上すれば、それらの国々の人たちは美味しいハンバーガー、ポテトをたくさん食べるでしょう。マックを食べることで生活水準の向上を感じて、幸せを噛みしめることでしょうね。

米マクドナルドの業績はこれから30年も安定していると私は確信しています。しかもロイヤリティ収入という特権階級的な金儲けをしている会社です。

MCD株主のあなたは、世界の中間層に幸せな生活を提供し続けて、その対価として莫大な株主報酬を得ることができるでしょう。正当なビジネスの対価です。MCD株主のあなたは社会に大きな価値を提供しています。自信を持って株主報酬を受け取って、そのお金を使って人生を楽しましょう!!

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