大学の講義だったか、誰かから聞いたか、はたまた本で読んだのか忘れましたが、印象に残っている話があります。なんか急に思い出したのでブログに書くことにしました。正確には覚えてないです。多少勝手に脚色を加えています。

お、親父が川で溺れている、今すぐ助けないと! でもダメだ。飛び込んだら自分もおぼれてしまう。誰か助けを呼ぶか。いや、そんな時間はない。消防を呼んでいる間に溺れて死んでしまう。ど、どうしよう、どうすればいいんだ!!

その時、突然、川からプクプクと泡が吹き出てきました。

Hiro「んん、なんだあれは。川から神様みたいな奴が出てきたぞ。。な、なんだ、まるでイソップ物語の『金の斧銀の斧』に出てくる女神みたいだ・・」


こんなイメージ

女神「私を呼んだか?」

Hiro「え? い、いや別に。そ、そうだ、今それどころじゃないんだ! そこで親父が溺れてるんだ! 見えるだろ。あんた助けてくれよ。水の中平気なんだろ! 早くしないと親父が沈んでしまう!!」

女神「よかろう。それくらいお安い御用だ」

Hiro「ありがとう、助かる! じゃあ早く陸に引き上げてくれ!」

女神「ただし条件がある」

Hiro「それは後だ。先ずは親父を助けてくれ!」

女神「ダメだ。条件が先だ。」

Hiro「なんだ条件って。早く言え!!」

女神「1億円払え」

Hiro「は・・」

女神「聞こえなかったか。もう一度言うぞ。お父さんを助けて欲しければ私に1億払え。」

Hiro「何をふざけたこと言ってるんだ、時間がないんだ! 早く助けてくれよ!!」

女神「ふざけたことだと。お父さんの命を救うのだぞ。1億円くらい払って当然だろ。」

Hiro「お前は鬼か! だいたい俺は貧乏学生で金なんかねーよ!! 1億なんて用意できるわけないだろ! いいから早く助けてくれ。頼むよ。。」

女神「心配するな。私がお前に1億貸してやる。」

Hiro「は?」

女神「利息は年利5%固定で30年返済でいいぞ。悪くない条件だろ。」

Hiro「な、何を冗談言ってるんだ!? 早く親父を助けてくれ・・」

女神「冗談ではない。マジだ。今ここでお前が1億円借金することを承諾すれば、すぐにお父さんを助けるぞ。いいよな? 大切な親の命を救えるんだ。1億くらい安いもんだろ。」

Hiro「え、、あ、そうだけど。」

女神「じゃあ1億貸すぞ。いいな? ちゃんと返済しろよ。一度でも返済が滞ったらお前を水の中に引きずり込むからな。」

Hiro「ちょ、、ちょっと待ってくれ!」

女神「どうした。早くしないとお父さんを救えないぞ。」

Hiro「わ、わかってるよ。でも1億なんて返せないよ。俺は学生だぞ。就職先は決まってるけど普通のサラリーマンだ。無理だよ・・」

女神「んなこと後で考えればよかろう。金なんかどうにかなるもんだ。先ずは金より命だろ。」

Hiro「・・・」

たかが金、されど金

僕はこの話を聞いたとき、凄まじい罪悪感に苛まれました。自分がこのシーンに遭遇した時、1億円借金すると即答できたかわからないから。ていうか、親の命とお金を天秤にかけている時点で自己嫌悪に陥ります。

イスラム過激組織はなぜテロを起こすのか。宗教戦争? いや、カネよカネカネ。なんでアメリカ人はあんな贅沢な暮らしをしてるのに、俺たちはこんな貧しい生活に追いやられてるんだ。俺たちにも金を寄こせ。こういうことです。経済格差が根源です。

不換紙幣なんて中央銀行がいくらでも刷れるものです。親父を助けるために1億円借金したら、ETF買いに回す予定のウン兆円のお金のうち、1億円だけ俺にくれないかって言いたいくらいです。そういう意味ではたかが金。

無論、そんなことできません。お金は自分で社会に価値を生んで稼ぐ必要があります。中央銀行だってインフレ懸念があるから無限に紙幣を刷れるわけじゃないですし。ベネズエラの2018年12月の物価上昇率は+1,690,000%でした。そういう意味ではされど金。

最近欧米を中心に、成功報酬型の高額な医薬品が製薬メーカーから出ています。ノバルティスファーマの「キムリア」の薬価は約5,000万円です。

もし大切な人が難病を患い、それが数千万円の金で解決できる時、僕は保有する米国株をすべて売却してお金を払えるだろうか。