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優良株に20年投資してリターンたったの年3.8%!?→それが現実。買い値は常に大切。

      2019/03/01

コカ・コーラ株の過去20年リターンは年率3.8%しかなかった。

米国株銘柄分析の2018年12月期決算データへのアップデートを順次行っています。こないだはコカ・コーラ(KO)の分析を行いました。ボトリング事業譲渡の影響で収入は減っていますが、さすが利益率は高くキャッシュも潤沢です。最近株価が10%近く暴落しましたが、投資家として今後もしっかりホールドしようと思いを新たにしました。

そんな優良企業コカ・コーラですが、分析記事の中に驚きの情報があります。「え、これ間違いでは!?」と思われそうなデータがあります。もしかしたら、あなたもちょっと不信に思ったかも。

それが、こちら。


え、、過去20年間の投資リターンがたったの3.8%!?

数カ月前から、銘柄分析記事に過去のリターンを掲載しています。優良企業ばっかpickしてるもんだから、リターンが高い銘柄が多いかと思います。リターンがマイナスの企業なんてまだ一つも見てません。

が、コカ・コーラの3.8%というリターンはかなり低いです。エクイティのリスクを20年取り続けてこれだけ。インフレにはぎり勝てるけど、実質リターンは雀の涙。米国債に投資してた方がよほどマシだったかもしれません。

あなたがコカ・コーラ株の株主なら、こんな悪いリターンを見たらちょっと不安になるかもしれません。これから10年、20年コカ・コーラ株を保有しても、3%~4%程度リターンしか得られないかもしれないのか?って。

将来のリターンはわかりません。コカ・コーラ株はEPS(一株当たり利益)成長が鈍いですが、予想PER20倍が近くもあります。割安とは言い難い。ただ、私はそこまで悲観はしてません(そりゃ、投資してるくらいだからね)。コカ・コーラ株の将来のリターンなんて予測不能ですが、1999年~2018年のような低いリターンにはならないだろうと思ってます。

なぜか?

それは、1990年代後半のコカ・コーラ株の状況が特殊だからです。当時のコカ・コーラ株のPERは30倍~40倍のレンジにありました。配当利回りは1%台前半。今の20倍というPERでも高く見えるのに、当時のコカ・コーラ株はPER30倍以上のお値段で売られていたのです。

マーケットは判断を誤っていた?

そういうことになります。ただ、それは今だから言えること。当時のコカ・コーラ社は今より遥かに高成長企業でした。EPS成長率は余裕で年率10%を超えていました。その高いEPS成長率が続くなら、PER30倍も妥当だったかもしれません。

しかし、現実は厳しかった。

コカ・コーラ社の高いEPS成長は21世紀も続くことはありませんでした。この10年にいたっては、DPS(一株当たり配当)こそ年率7%で伸びていますが、EPSはほぼ横ばいです。よって、配当性向(DPS / EPS)は上昇を続けており増配余地も乏しくなってきました。

当時すでにコカ・コーラ社は成熟企業になっていました。しかし、マーケットは同社が成長企業かのようなバリュエーションを付けていました。バフェット効果もあったのかもしれません。その結果、1990年代後半にコカ・コーラ株に投資した人は、20年保有し続けても3.8%のリターンしか得られませんでした。

以下は1998年~2010年のコカ・コーラの株価チャートです。

10年でほぼ横ばい。30倍超の高PERが徐々に是正されていく中で、株価は低迷しました。株価はEPS×PERです。EPSが成長しても、PER(期待)が下がれば株価は上がりません。

怖い。
これが個別株投資のリスクです。

長期投資といえども、投資期間はせいぜい30年くらいしか想像できない。だから買値は常に大切。

長期投資では買い値にこだわるよりも、長期的にEPSを成長させられる優良企業を選別する方が重要です。ただ買値をガン無視してはダメです。買い値も重要です。

なぜなら、長期投資と言えども私たちの投資期間はたかが知れているからです。20年でも長いですよね。20年後は私はもう51歳ですよ。もうサラリーマン生活の終わりを意識してそうです。てか、その頃何してるだろうか・・。50年なんて想像できません。

個人が1世代で投資できる期間はせいぜい50年くらい。バフェットみたいに70年以上も投資を持続するのは普通は無理です。ちなみに、バフェットが初めて株を買ったのは12歳の時です。

①優良株を選別する
②買い値にこだわる(なるべく安値で買う)

投資期間が長くなればなるほど①の要素が重要です。逆に投資期間が短いなら①だけではダメで、より②にこだわる必要があります。

かけっこで考えてみて下さい。

割安な価格で買うとは、かけっこでハンディをもらうようなもんです。たとえば、50m走で10mのハンディをもらったらどうでしょうか。よほど足が遅くても、多分勝てるでしょう。40mしか走らなくていいんだからかなり有利ですよね。

では100m走では?

100m走でも10mのハンディがあればかなり有利です。総走行距離の10分の1がカットされるわけですから。

200m走では?
400m走では?
1600m走では?
ハーフマラソンは?
フルマラソンは?

極論ですが、42.195km走るフルマラソンで10mのハンディをもらっても意味ないですよね(笑)。てか、フルマラソンの出発地点って人によって元々それくらい差がありますよね。でも誰も文句は言いません。そりゃ42.195kmも走るのに、10m後ろから出発したところで大差ないですから。

走る距離が長くなればなるほど、スタート地点の有利さは結果に関係なくなります。長距離ではスタート地点は関係なく、大事なのは走者の能力です。

これは投資も同じです。

投資期間が長くなればなるほど、買い値の有利さ(割安で買えたこと)は投資成果に影響を与えなくなります。長期投資では買い値の安さよりも、企業の強さが重要です。

では、具体的に何年以上が「長期」と言えるのか?

これは厳密な答えはありません。ただ、少なくとも20年では短いことがわかります。20年ではコカ・コーラ株の割高なPERを回収するには短か過ぎることが、3.8%というショボいリターンから読み取れます。

100年、200年あれば大丈夫と思いますよ。1990年代後半にPER30倍超でコカ・コーラ株に投資しても、200年保有して配当を再投資し続けることができれば、多分投資家は報われます。コカ・コーラ社がコーラやジュースを売って稼ぎ続けるキャッシュによって、株主は相応の投資成果を手にすることができるでしょう。

しかし、言うまでもないですが、相続を前提にしないなら200年も投資できません。私たちは本当の意味での「長期投資」を実践できないのです。命に限りある人間だからしゃーない。50年でも長くないですか。そんな未来想像できませんよ。てか、想像したくないです。現実感持って想像できるのは、せいぜい30年くらいかな。

30年は「長期」と言えると思いますけど、まだ買い値の妥当性を無視できる期間ではありません。フルマラソンではない。ハーフマラソンでもない。1600m走くらいかな。1600m走だとスタート地点の有利さが結果に影響します。少しでも前方からスタートできた方が良いです。10mはさすがに影響ないかもしれませんけど、50m前方からスタートできればかなり有利です。1600m走では走者の能力だけに頼ることはできません。少しでも、優位なスタート地点をゲットしたいところです。

「素晴らしい価格でほどほどの企業を買うのではなく、 素晴らしい企業をほどほどの価格で買う 。」とバフェットは言っています。同意します。長期投資では素晴らしい企業を買うことが何より大切。

でも、買い値も重要です。ほどほどの価格で買わないといけません。いくら「素晴らしい企業」でも高過ぎる値段で投資してしまえば、20年保有しても国債程度のリターンしか得られない可能性もあります。

バフェットがCEOを務めるバークシャー・ハザウェイはゴーイング・コンサーン(継続企業の前提)がある株式会社です。会社が潰れない限り、株式運用は続きます。多少買値をミスっても(長期では)資金を回収できるチャンスがあります。

私たちにゴーイング・コンサーンはありません。長距離走ではあるけど、フルマラソンではありません。だから、買い値へのこだわりも大切です。いくら優良企業と言えども、成熟企業にPER30倍も払ってしまったら厳しい現実が待っています。

1990年代後半のコカ・コーラ株の二の舞を演じることは避けたいですよね。買い値に気を配りましょう。シンプルにPERや配当利回りを見ていれば、最悪の自体は避けられるはず(確証はないけど)。あとは、しっかり分散ですね。銘柄分散、時間分散。

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