宣伝させて下さい。ITmediaさんに米国企業の財務分析関連の記事執筆のご依頼を受け、多くの人に馴染みがあるであろうアップルを題材にして作成しました。

2000年~2018年のForm 10-K(年次報告書)から、アップルの製品別売上高の推移をグラフ化しました。2000年前後はPCが主力製品でしたが、その後iPod、iPhoneの大ヒットでNY市場で時価総額トップを争うまでに成長しました。特にiPhoneの誕生は衝撃的でした。iPhoneという一つのデバイスがいかにアップルの成長を牽引してきたか。グラフからはっきり読み取れます。

2007年以降のiPhone普及による飛躍も天井を迎え、現在のアップルは安定飛行に移っています。すでにシートベルト着用サインは消えています。これから、キャビンアテンダントが飲み物を配ろうかというところ。2012年から配当を出し始め、2013年以降は自社株買いも合わせた総還元性向は100%を超えています。

その積極的な株主還元はバランスシートに表れています。右肩上がりに増加してきた純資産は近年は横ばいです。

無配の成長ステージから有配の還元ステージに移ったアップル。かつてより利益成長は鈍化するでしょうが、このタイミングでウォーレン・バフェット氏がアップル株を大量に取得したのは非常に興味深いです。

利益がガンガン成長するイケてる企業に投資した方が、株価が上がって儲かると思われがちです。しかし、実際は違います。長期で見れば既存ビジネスを地味に続け、人知れず増配を続けてきた企業こそが株主に大きな富をもたらしてきました。

アップルはiPhoneのユーザーベースを活用してこれから20年、30年稼ぎ続け、増配を続けてくれることでしょう。莫大な株主還元からアップル経営陣のそんな意思を感じます。逆説的ですが大きな売上成長が止まった今こそ、アップル株の投資妙味を感じます。

客観的な財務データを見ながら、21世紀のアップル成長の軌跡、資本政策の変化を知ってもらうことが記事の主眼です。よかったら読んでみて下さい。

ところで、こちらの記事はほぼ全文が有料クローズド扱いになってしまいました。なるべく大勢の人に読んでもらいたい気持ちはあるものの、ITmediaさんは私みたいに半分趣味でやってるわけではなくビジネスとしてコンテンツを公開しているので、有料にするのも仕方ないこと。

もし興味があれば、よろしくお願いします。

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